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第14話 鋼の甲冑を身に纏う女性の介護を始めます(1)
うぅ~ん、さてさて、どれにしようかな? と、僕は飲料水の自動販売機の前で立ち、銘柄を見詰めながら考える人になりつつ自分の脳裏で呟く。
だって僕の相棒! 仕事のパートナーであるマツダのボンゴ、カスタムエアロ仕様の中には、何故かこの近代社会で西洋式の甲冑身に纏う日本語がペラペラと会話が多分できるだろう? と思われる。異国の金髪女性が、『水をください』と呻りながら後部座席で横たわっているから。
僕は農協の購買部に設置されている、二台の飲料水の自動販売機を見詰めながら、世にも珍しい金髪の女性のために、何の飲料水を購入しようか? と思案の最中だから。
僕も様式の甲冑に大刀を握っていた彼女ではないけれど。
「う~ん、う~ん」と呻っている最中でね。
僕自身も彼女のために、どのドリンクを購入するかを本当に悩んでしまうのだった。




