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子育てしたいおっさん奮闘記  作者: 麒麟キリン
11/16

学校にて

「立花さん、聞いてますかっ!?」


いきなり怒られる場面で申し訳ない。


りっくんと登校したが、まずでかい車で学校の駐車場に停めきれず路駐しようとしたところ、先生に起こられた。

また、見ない子を連れているプラス俺は「立花」、姉の名字は離婚後も変えてないことからりっくん達は「慶田」姓のため余計に現場は混乱した。


俺がまず立花と名乗るも、りっくんは名札に慶田と書いている。どー見ても幼児を連れ回す不審者極まりない。

りっくんは笑顔で「おじさん」と呼ぶし、眩しかったので俺はサングラス姿にスーツ、車はゴツい軍用車。

はたからみたら893かヤカラだ。


と、ともかく車を学校バス用の駐車場に停めさせてもらい事務室に必要書類を出し、担任の先生と臨時の三者面談をしたが、ここで冒頭のお怒り声をいただいたのだ。



りっくんの担任は30手前の若い男性である。

松吉と名乗ったが「まっちゃん先生と呼んでね」と、りっくんには屈んで挨拶することからかなりの好印象だ。


「では、立花さんがお二人を引き取り保護者になっていると」


あえて姉の事件を話さずに事務的な話から始めたのはわざとだろう。ただ、ここ最近「引き取る」とゆー言葉にりっくんとひーちゃんを物扱いしてるように感じてた俺は、松吉先生のその言葉にイラっとしてしまった。


「そうです。今は私が二人の父親です。」 


思わず二人にまだ言ってない言葉を怒りを込めて松吉先生にぶちけてしまった。


これを聞いたりっくんは、ずっと優しい俺しか見てないのに、いきなり仕事モード且つきつい言葉使いをした俺にびっくりし、萎縮してしまった。


それに気付かず、俺は言葉を続けてしまう。


「名字が問題であれば、今後は家裁などで手続きもしますが、学校としてはどちらが良いですか?」


これを聞いた松吉先生は目を大きくした後、声を圧し殺しながら俺を詰めてきた。


「立花さん、事務的な話ではなく陸くんの希望を元にお話をしてますか?

あと、お子さんを前に声を荒げるのは止めて下さい。」


しかし、俺より一回り下の小僧に諭された言い方をされると俺の声は余計にヒートアップしてしまう。


「しかし、先程の物言いは先生が良くないでしょう!」


もう先生が悪いこと前提で、周りを見てなかった。


そばでりっくんが俺の膝を掴み、声を殺して泣いてるのを俺はやっと気づいてしまった。


それからはりっくんをあやすのに手一杯で、何を話したかわからない。


結局、今日は学校の注意事項を紙でまとめた物をもらい、りっくんと学校をでた。


りっくんはまだ涙目だ。

昨日の夜から

「あたしいともだちできるかな?できるかな?できたらいいな!あたらしいともだちに公園をおしえてもらうんだー!」

とはしゃいでたのを俺は知ってたので、申し訳ない気持ちでいっぱいである。


とりあえず車でなだめて、お昼に何食べたいか、どこに行きたいか聞くも、りっくんは俯いて何も話さない。

どうしよう。



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