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キーンコーンカーンコーン
あ、昼休みだ。
青く澄んだ空はどこまでも高く、少し気を抜いたら身も心も持っていかれそうだ。そんなことを思いながら今日も私はベランダに向かう。
はあ……。
今日何度目かのため息をつく。こうでもしないと、ストレスがたまり続けいつか爆発してしまう気がする。
「退屈だな…。」
思わず声に出てしまう。
この退屈を解消する方法を私は二つ知っている。
一つは読書、もう一つは昼寝だ。
いつもは読書をしているが、今日は本を読むには日差しが強すぎる。壁に身を預け、目を閉じたそのとき、ふいに誰かの声がした。
「今日は読書しないんですか?」
同級生なのに敬語を使ってくる人を私は一人しか知らない。間違いなく彼、奥村くんだ。




