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番外編3

オーリアを傷つけようとした。

前も傷ついた彼女をこの都市の人間はまた傷つけようとする。

許さない。

彼女の力で魔物から身を守ってもらっているのに、彼女の力をもっと効率よく使おうと人体実験をしようとするなんて……。

魔物を倒すのに力を使い続けていれば、疲れる。

人間なのだから。

それを、人体実験して疲れることがないように作り替えようとした。

他の力を持つ人間が人体実験に使われようとどうでも良かった。

しかし、オーリアを使うことは許さない。

もし、私が作った人形たちを利用しようとしても許さなかっただろう。

お前らのような薄汚い人間どもが彼女を傷つけるのは許さない。

二度目はない。

前は守れなかった。

今度は、守る。

そこから、私のマレイナ都市を滅ぼそうとする算段を立てた。

千年の間、生きてこれた方だろう。

もう、ここで終わらせてしまってもいいはずだ。

都市の全員がオーリアのことを人体実験しようとしたわけではない。

いつの時代も権力者は強欲だ。

強欲ではない人間もいるけれど、この都市の権力者は自分のことだけしか考えない最低な人間が多い。

権力者に巻き込まれる奴ら。

何も知らない奴ら。

可哀想だとは思わない。

何も知らずに守られていらばいいという思考をもっていた自分を恨め。

ここから、私の計画が始まる。

オーリアのために私は都市の破壊を計画した。

彼女にはすべて終わった後に都市で過ごしたことを忘れてもらえばいい。

彼女を傷つけようとしなければ、もうちょっと生き残れたかもしれないね。

永遠にさようなら。

私は、全てが終わった後にオーリアとの幸せを手にしよう。





人間たちが逃げ惑う姿を見て笑った。

惨殺する姿を見て、いい気味だと思った。

魔物は私の願いを叶えたら消える。

都市の人々がすべて消えれば、魔物もいなくなる。

そう、魔物はいなくなった。

魔物がいなくなれば、力を使えなくなる。

……そんなことはない。

魔物がいるから魔物を倒すための力を与えた。

人々に希望を持たせるために与えた。

されど、魔物だけに使える力ではない。

いろんなものに力は使える。

人に対しても本当は使用できた。

人々に力は魔物にしか使えないと固定概念を植え付けておいたから知らないだろうけどね。

わざわざ、試そうとする人もいない。

こどもは好奇心旺盛のために人に向かって使用してしまうこともあるかもしれないと思い、願いの力を使った。

例外が出ないように最後には人々全員に願ったけれど、そんなことをする必要もなかったと今なら思う。

どうせ、力が人に使えることがわかっても魔物がいるあの中で戦争なんてできはしない。

魔物がいる都市にわざわざ近づいてくる人間もいない。

力を人に向かって使用できることがわかったところであの都市の中で潰しあいがあるだけだ。

他の都市を手に入れようと戦争を起こして奪取したところで魔物は私の願いを叶える存在。

私の願いから生まれた存在。

魔物はマレイナ都市の人間を追う。

都市の人間を滅ぼすまで魔物は生き続けるのだから。

まさに、表裏一体だ。

兎にも角にも、計画は成功した。

あの都市がよみがえることはないだろう。

魔物に滅ぼされた都市といつしか忘れ去られていく。

人々の記憶とはそんなものだ。

私は、どうでもいいけどね。

彼女が傍にいる。

それだけで、私は嬉しいのだ。

幸せだ。




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