ハイハイできます
サクサク進んでいるけど、内容が
それから。私は順調に成長し、今ではハイハイが出来るくらいになりました。
そろそろ、実家に戻ってもいいのではないかと思いますが、未だにお迎えはやってこない。
ハイハイで世界が広がったといっても、移動範囲は家の中に限られ、家の外に出たのなら、一寸法師気分。誰もが大きくて、思わず踏みつぶされるのを警戒するほど。そんな調子では当然外に出られないのだ。
なので、暇つぶしを兼ねてハイハイで大人に突撃する毎日だ。
むろん、幼馴染と遊ぶのも忘れない。
だが、ここで新たな問題、というよりも、予定違いが生まれました。
この屋敷には本がないのだ。
古来、本はとてつもなく貴重でした。
江戸時代は貸本文化が花開いていましたが、それは高い印刷技術と、寺小屋による教育のたまもの。ヨーロッパ風、ここはあくまで風なので注意なこの世界では、活版印刷があるにはあるが、一般には普及していいないみたい。
それと、識字率の関係もあって庶民には本を手に入れるのはまだ夢のまた夢のようだ。
まぁ、最も、この世界の字をまだ読めないので、よくよく考えてみたら絵に描いた餅なのだけど、それでも残念なことに変わりない。
実家、早く迎えに来て、じゃないと、教育についていけないよ‼ 前世で経験した受験戦争をまたやりたくはないけど、必要なものだと理解はできる。
そんな呼びかけをしても当然メイドさんが迎えに来てくれることはない。
ですが、このメイドさんが最大のクセモノ。なんと、この世界のメイドさんは、日本のオタク文化がはぐくんだ、あのフリル満載の衣装を着込んだメイドさんなのだ。
ヨーロッパ風世界、グッジョブ‼
時折、父親や母親と思しき人物が、馬車に揺られて、メイドや執事と思しき人物を引き連れやってくるのだが、そんなことよりも付き添いのメイドさんの方が重要だ。
早く実家でメイド様(もはや崇拝対象)にチヤホヤされたい。
私子供だし女の子だし、きっとあんなことやこんなことを……、ハッ‼
いったい私は何を……。
どうやら、暇つぶしが存在しないと、人間は俗にいう毒電波を受信してしまうよう。
一刻も早くメイド様をーーーー(自主規制)しなければ。
だが、非常に残念ながら、悲しいことに、私がメイド様とキャキャウ……。実家に戻れるのは、もう少し先になりそうだ。
個人的にいうと、さっさと戻りたいのだが、いや、こちらで過ごしている時間のほうが圧倒的に長いから、移りたいといった方がいいのだろう。
その願いも当分叶えられそうにない。
その為、ストレスを発散するためには動き回るしかないのだ。
まず、大人に遊べとせがむ。むろん、話している最中、脇にどけられると、面倒なので誰かが話し込んでいるときは、できる限り、それこそお腹が空いていたり、トイレに行きたいとき以外は、泣かないようにしている。
実の家族ではないとか、他人の家であるといった問題は気にしない。
乳母からしたら、私は人見知りと思われているのだろうか、それとも、音に強い関心を持っていると思われているのか、赤ん坊の身ではわかりえない問題だ。
大人になったら聞いてみようかな、こういったことは自意識がある赤ん坊にしかできない楽しみだ。
そうそう、幼馴染と遊ぶのも忘れない。何しろ、実家に戻るというのは、一時的ではあるが、離れ離れになることなのだ。
今を精いっぱい楽しまねば。
むろん、多少言い訳めいて聞こえるかもしれないが、虐めてなんかいない。仲よく遊んでいる。
決してお菓子を強奪なんてしていない。
ちょっと、聞き分けがよくなるように、理想の旦那様修行をしているだけで……。
最近私を見ただけで逃げて行ったり、脅えたりするなんてありはしないのだ。
また、こんな風に退屈な日常を過ごしてはいるが、それでも多数の成果がありました。
まずは事実確認、神様にお頼みしたように私は自分が望んだ世界の主人公に転生することができた。
現在の名前は、エミリー・ハーネック。外国人丸出しの名前だし、前世の名前が懐かしく思えてくるといったことも多々ありますが、前世からあこがれていた主人公になれるのですから、問題なんてどこにもありません。むしろウキウキしているくらいだ。
とはいえ、神様にお願いして、文化レベルをもう少し進めて、漫画やアニメがある世界にしてもらえばよかったと思うのだが、もはや、後の祭り。今更どうしようもありません。
さらに言えば、魔法や精霊といった話から、ゲームにおいて語られることのなかった、この世界の経済の話といった風に、現実から得た知識と、この世界で得た知識を、まだまだ穴だらけだが、埋め合わせるというのが、今日この頃の私の日常である。
別にボロカスに言われてもいいから、感想が欲しい、今日この頃です。誰か書いてくれないかな。|д゜)チラッ
このパソコンの絵文字を結構気に入っています。