表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

考察

 早朝、窓から差し込む茜色の光を頼りに、寝むけで閉じてしまいそうな目をこすりながら、ペラペラとページをめくる。

たとえ世界が変わろうとも勉強の基本が暗記であることに変わりはない。

襲い掛かる眠気も、朝というだけでなく、単純作業を繰り返しているという側面も大きいのだ。

 

数学や化学は前世で散々やったので、文系科目は歴史、理系科目は魔法理論、その二つが必修科目だ。

 言語面では、多くのゲーム後そうであるようにすべての国が同一の言葉を使用しており、あのチンプンカンプンな英語の授業を繰り返さずに済んだのは大きな救いだ。

 最も、いつか古代語を学ぶつもりなので、ほんの少し猶予が出来ただけだ。

 

 肉体、精神面の充実も図っており、柔軟体操や魔力量の増量についても奮闘中だ。


 赤ん坊の頃の方法は間違いないようだが、あまり上手くいっていない。

 年齢のせいかとも考えたが、ゲームではできていた精霊との契約が出来なくなったことで、新たな考えが思い浮かんだ。神が私の運命を固定するために、能力を制限しているのではないか。


 かつて、アブラハムは神に命じられ、我が子イサクを生贄に捧げようとしたそうだ。


 信じる者のため全てを捧げるというのは尊い。他者への献身、無償の愛というものは多くの人を幸福にするものだ。

されど、私はそんな殊勝さなど持ち合わせてはいない。


 ただ好きに生き、死んでいく。そう決めたのだ。


 だが不当面な点もある、この世界には選ばれた資質を持たない人物でも扱える魔法がや力が存在するのだ。


 術式を組んで発動するタイプの魔法、古代遺跡に眠るオーバーテクノロジーによって生み出された古代文明の遺産、単なる体術なのに岩さえ砕くマジカル拳法。

 

 こうしてみると精霊魔術は特別だが代用手段も多い。

そんな中で、私が特に注目しているのは、悪魔との契約だ。

 悪魔という響きから分かる通り禁忌の魔法だ。当然資料は少ないのが、この屋敷には取り締まる際のマニュアルが残されており、基盤と成る知識は手に入れやすい。

 意外なことに、元の世界の知識がもたらす影響も大きい。元いた世界の知識が流用されているのだ。


 その知識を活用すれば、情報の精度が増し計画が前進するに違いない。


 この件で私が推測しうるのは、ステータスの限界値の存在と、特別な才能の欠如といったものだ。そして、どうしても悪役にふさわしい悪魔召喚という行為に誘導されているという思いを拭い去ることができない。

 

 私が思うに、神は意地悪くも、私がある程度あがく事も勘定に入れて、計画を立てているのだ。

 

 神が私をここに送り込んだのは、その説明の通り運命を確立させるために違いない。あの時敵は圧倒的有利に立っていたのだ。

 こちらに反撃の手は一切ない。

なら、嘘をつく必要などないのだ。本当のことを語るか、何の情報も渡さないかのどちらかを選ぶはずだ。


 そして向こうはこちらに決まったロールを要求、加えて能力を制限しているが、ある程度の自由がある。

 

 ならば相手の、目的も見える、即ち、こちらにあがいてほしいのだ。

そして最終的には負けてほしい。

 もしくは積極的に敗北させるかだ。


 この世界の運命は定まっていないというのは、言い換えると、私たち(主人公と悪役)以外の存在があいまいということだ。

 だからこそ、自由に行動を執り行う主人公に対応するために、敵役にもある程度自由に行動する事が必要と考えたに違いない。


 悪魔召喚というのは一種の保険、いや、用がなければ問答無用で処刑されるかも、だが、こちらを悪役に固定したいという思いはスケスケだ。


 だが、一つ幸運があるなら、敵が遊び心を出したことだ。

 やるならば、全ての能力を奪うべき、それなのにある程度の力を残したのは、ゲームがあまりにも一方的だとつまらないという遊び心の可能性が大きい。

 

 フフフッ、要するにだ。

 要するに相手は私が何もできないと高をくくってやがる!?

 




 ふざけやがって‼





 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ