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#20 もしもし

サブタイトルに使えるセリフがない……orz




 

 とある日曜日。自宅でゴロゴロと雑誌を読んでいた翔を、階下から母親が呼んだ。どうも電話らしいが、家の電話にかけてくる人物が思いつかず首をかしげつつ電話に出た。


 璃祢の母親からだった。


「もしもし……?」

『あ、翔君ですね。お久しぶりです、璃祢の母です』

「あ……どうも」


 「璃祢」と聞いた途端、翔の胸がどくんと高鳴った。だがそれは嫌な感じを覚えさせる高鳴りだ。


『璃祢……そちらにお邪魔してないんですよね』

「は?えっと……どうかしたんですか?」

『璃祢ね……ここ数日家に帰ってきていないんです』


(家に帰ってない?璃祢が?)


 ここ数日間、璃祢とは連絡はおろか会ってもいなかった翔は、璃祢の母親の言葉に驚いた。


「連絡もなしにですか?」

『そうなんです。その前の日、何か悩んでいるみたいで帰ってきたらお話ししようと思ってたんですが……その日帰ってこなくて。どこかお友達の家に行ってるのかと思ってたんですが……さすがに今日になっても帰ってこないので……』

「……すみません、俺もどこにいるかは……」

『そうですか。わかりました、ほかの心当たりに電話してみます。それでは』


 そう言って電話は切れた。受話器を置いた翔は、しばらく電話を見つめた。璃祢の母にはどこにいるかわからないといったが、実は思い当るところがある。


(たぶん、璃祢が帰らない前日は俺が告ったあの日……。そして璃祢の母親が知らないが璃祢が頼る人物といえば……)


「チッ……よりにもよってあいつか……」


 上着をつかんだ翔は、思い浮かんだ人物の家へと駆けだした。




 ◆




 晩御飯の買い物を終えた璃祢は買った商品が入ったバッグを肩から下げ、絢斗の家へと向かっていた。今晩の献立はクリームシチューだ。


(人参さん、やっぱり入れなきゃだめですかね……。それよりもクリームソーダがいいです。最近……飲んでません……)


 及川の店に行けなくなってから、飲む機会がなくなってしまった好物を思い出したが、それと同時に翔のことも思い出した。


 好きだといった彼はもちろん本気だった。だからこそ璃祢は戸惑った。生半可な答えではいけないのだということが、理解できたからだ。

 翔のことは嫌いではない。だがそれは翔の求める答えではない。璃祢自身、今思うことが正解かどうかは分かっていない。

 この数日ただ単に絢斗の家に泊まっていたわけではない。璃祢は璃祢なりに考えをまとめ導き出そうとしていた。


(でも……だめなんです。気づくと……絢斗先輩がいるんです。そばにではなく、考えている頭の中にまで、いつの間にか絢斗先輩がいて……。翔君のことをそういう風に思っているのかと考えてたはずなのに……いつの間にか、絢斗先輩に代わってて……)


 彼は――――絢斗はあこがれの存在だったはずだ。同じ男として、ただただあこがれていただけのはず。だけどあの日、翔に改めてそう言われそういえばそうだったと思い返す自分がいた。

 初めはただうれしかった。憧れ追いかけるだけでも良かった彼と話せ、かかわりを持てただけでも良かったのだ。それなのに今は前とは違う彼を追いかけている気がしていた。


(絢斗先輩は……翔君とは違う気がします……。翔君より……大事なんて……そんなの……でも……)


 ふと璃祢は立ち止った。そしていきなり彼は自分の今の現状に驚く。


 ガラの悪い不良たちが、璃祢を逃がすまいと取り囲んでいた。






正直、どこまで書こうか悩んでます。


一応ラストは浮かんでいて、只今執筆?中です。

ですが、そこで終わりにしようかどうしようかというどうしようもないことで悩んでるわけです。


でも、番外編とか書いてる時間があるかどうか……

ちょっと小話的な感じになるかもしれません。


まだ終わらないですけどね、本編w

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