表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/29

#15 今、なんと?



 これまで悩みがない生活を送ってきたというわけではない。それでもそういう時は悩みを聞いてくれる人物がいた。


(いつから……なんでしょうか……)


 好きだと、そう伝えてきたときの翔の顔が離れないでいた。あんな表情をする幼馴染を見たことがなかった。

 

 あれから一晩考え込んでいた璃祢だったが、一向に答えは出てきそうになかった。昨日の出来事を思い出すたびに、のどに何かが詰まったような苦しさを覚えた。

 

 そんな璃祢の自室のドアを誰かがノックした。


「璃祢、朝ですよ。もう起きなくては、学校に遅れてしまいます」

「お母さん……おはようございます。すぐ下に行きます」

「朝ごはんできてますからね」

「はい……」


 重く感じられる体をゆっくりと起こし、制服に着替えると階下に降りた。ダイニングにはすでに和朝食が出来上がっていた


「おはようございます……」

「おはよう……あら、璃祢。顔色が悪いようですけど、具合悪いんですか?」

「いえ、大丈夫です。いただきます」


 ◆



 登校してからも璃祢は上の空だった。いつもならしっかりと真面目に授業を受けているが、今日はもうすでに4回も先生に注意されていた。自然に小さくため息すら出てきた。

 学校に来ても、翔と出会うことはなかった。今までも元々学年が違うため、会うことは放課後くらいしかなかった。今はそれが少しうれしくすらあった。


(今度は……答えられるでしょうか……。あの時は、逃げ出してしまいました。翔君はふざけてたわけでも、冗談で言ったわけでもなかったんです。それなのに……それなのに僕は、逃げてしまった。答えが分かりませんでした……)


 今ですら、自分の中にあるはずの答えが見つからないでいた。

 いつも気になって仕方がないほぼ無言の絢斗との下校すら、今日の璃祢にとっては全く気にならなくなるほどだった。




 ◆




 そんな状態が一週間ほど続いた。璃祢はほぼ寝れない夜が続き、それを見た璃祢の母が、心配して璃祢に問いかけた。


「何か悩みでもあるのですか?」

「え……いえ、何でもありません……。最近疲れがたまってるんだと思います」


 そんなやり取りを交わした日の放課後。無意識にため息をついてしまった璃祢に絢斗が気づいた。


「最近やけにため息をついてるな」

「え?そうですか?」

「……何かあったのか?」

「いえ、少し考え事があって……それでそのせいで母に心配をかけてしまってるんです。でもまだ答えは出そうにないですし……。明日の朝にでも、問い詰められてしまいそうで……。おうちに帰りたくないなんて、今まで思ったことなかったんですけど」

「俺はしょっちゅうだけどな」


 そうつぶやくと、今度は絢斗の方がため息をついた。


「すみません、気にしないでください。僕の問題ですから……」

「なら……俺の家に来るか?」

「はい……ん?え?……えっ!?」


 思ってもいなかった返答に、思わず璃祢は立ち止った。それにつられるように絢斗も数歩先に立ち止り振り返った。


「絢斗先輩?」

「なんだ?」

「今、なんと?」

「家に帰りたくないんだろ?ならおれの家に来い」

「え……でも、先輩の家にお邪魔するの迷惑になります。そんな急に……」

「実家暮らしじゃねぇよ。高校入ってからは一人暮らし。お前一人っ位変わりねーよ」


(確かにおうちに帰れないです。帰ったらお母さんに取調べされます。でも……絢斗先輩のおうちにお泊りするって……。でも……)


「ほら行くぞ。こっちだ」

「ふえ?あの……先輩―!?」


 あたふた考えている璃祢の腕をつかみ、絢斗はそのまま住んでいるマンションへと向かっていった。

 



敬語で話してると、璃祢の母が外人であることがわからないですね。


金髪美人で着物だと私的にはいいんですが……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ