藤と楓
掲載日:2026/04/18
薄紫の雨 ひらひらと降る
楓の根元へ ひらひらと降る
藤の野の色 散りし野よ
薄紫に薫る野に
楓立つ 高く立つ背は 大の字に立つ
枝から枝へと山藤の花
空へ抱き上げられ 青に薫り届くか
楓立つ 首筋より 湿気を纏う 藤の香
肩から伸びし腕から指先へと咲く
小さき青葉の手に触れる花弁
ハラハラと今風に散る
空あいにゆくとき
日にむす薫りを脳裏にほしくて
あなたのように咲きたくて
鼻先に触れる
楓の木 首元に藤の枝先が密に巻かれ
苦しくも倒れられず
花よ広がれと空高く立つ
見上げた空は薄紫で
気づかれない傷口から零れ咲く色
薄紫の雨 ひらひらと降る
楓の根元へ ひらひらと降る
藤の野の色 散りし野よ
薄紫に薫る野よ




