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暗礁の断片


不意に、たまがスリッパを掲げた。それが「ガラスの靴」であるかのように。

スリッパは呪いの磁力に引かれるように背後の床へたまをなぎ倒し、立ち上がった彼女はそのスリッパで審査員の頭をぶっ叩く。物理的な衝撃が論理を断ち切り、審査員は気絶した。


場面は、いつの間にか「シンデレラ人材派遣」の利益率を語るビジネスマンの密談へとスライドし、かと思えば、さっきまで離婚届を突きつけていた妻が「かぼちゃの馬車」の運転手として現れ、初恋の男・ノボルを登山口へと運ぶ。


「運転手さん、苗字が変わってますね。あ・か・や・ま?」

「はい。でも明日離婚して青山に戻ります」

「青山桃子……! 俺だ、山田ノボルだ!」


再会を喜ぶノボルだったが、桃子は「めんどくさい!」の一言で時間を10分前に強制リセットした。

暗礁に乗り上げた物語たちは、出口を見つけられず、ただ同じ場所をぐるぐると回り続ける。

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