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破壊者の公式

ゼオン騎士は、自分のエーテルが虚空の鍛冶師に吸収されるという前代未聞の事態に、一瞬の動揺を見せた。しかし、長年の経験が彼の高速反応 (Kōsoku Hannō) を呼び起こした。

「小賢しい真似を!」ゼオンは吼え、エリアンをエーテル鞭から解放した。同時に、彼は自身を包む銀の鎧の周りに、分厚いエーテル障壁 (Ēteru Shōheki) を展開した。

「防御壁の起動時間 0.8 秒… 遅い」エリアンは舌打ちした。彼は吸収したエーテルをエーテル錬成 (Ēteru Rensei) スキルで即座に凝縮し、手のひらから二つの熱収束塊 (Netsu Shūsoku Kai) を撃ち出した。

それはミサイルではなく、純粋な熱とエーテルを圧縮した塊だ。

ドォン! 塊はゼオンの障壁に命中し、障壁表面に熱による歪みを生じさせた。障壁自体は破れなかったが、歪みによってゼオンの視界が一瞬遮られる。

「ライラ! 今だ!」エリアンが叫ぶ。

ライラは既に動いていた。彼女の流星 (Ryūsei) の弓は、構造鑑定 (Kōzō Kantei) によってエリアンが示唆した、ゼオンの鎧の構造的弱点 (Kōzōteki Jakuten) に向かって、三本の矢を連射した。

矢が狙ったのは、鎧の継ぎ目でもコアでもない。ゼオンの鎧の裏にある、エーテルを循環させるための排熱孔 (Hainetsu-kō) だった。

カキン! カキン!

二本の矢は外れたが、三本目が排熱孔の網目にごくわずかに引っかかり、エーテルの流れを乱した。

「熱循環が乱れた! 2 秒間、鎧の純度が 10\% 低下する!」エリアンは叫んだ。

ゼオンは、自分のエーテル障壁が破壊されたわけではないのに、体の奥から不快な熱と不均衡を感じた。

「あの弓は…! 貴様、ただの鍛冶師ではないな!」

「俺はただの鍛冶師だ。だが、お前が使っている魔術 (Majutsu) も、俺にとっては機械 (Kikai) にすぎない」

エリアンは、ゼオンが次のエーテル攻撃を準備する僅かな計算時間 (Keisan Jikan) の間に、地面に落ちていた守護者の破片 (Shugosha no Hahen) を拾い集めた。彼はそれを戦闘鍛造 (Sentō Tanzō) し、一瞬でエーテル導管 (Ēteru Dōkan) のような形状に変えた。

「『エネルギー伝達の効率化 (Enerugī Dentatsu no Kōritsuka) の原理』! ライラ、エーテルを込めた矢を、この導管に撃ち込め!」

エリアンは、自作の一時的な道具 (Ichijiteki na Dōgu) であるエーテル導管を、ゼオン騎士が今まさに攻撃しようとしている手のひらに向かって投げつけた。

ライラは躊躇しなかった。彼女は全霊を込めて、強力なエーテルを装填した矢を導管に撃ち込んだ。

矢は導管に吸い込まれるように入り、導管はそのエネルギーを 300\% に増幅させた。それは、ゼオン自身が放出するはずだったエーテル流と、増幅されたライラのエネルギーが、彼の攻撃の発射点 (Hassha Ten) で衝突するという、過負荷の原理 (Kafuka no Genri) に基づいた作戦だった。

キョォォォォン!!

凄まじい反作用エネルギーがゼオンの手のひらで炸裂した。爆発は、彼の鎧を内部から破り、広間に設置された古代の安定装置にまで振動を与えた。

「ぐっ… 馬鹿な! 私のエーテル回路が…!」ゼオンは膝をつき、手のひらを抑えた。鎧が破れ、血が滲んでいる。

エリアンは勝利を確信した。彼はただ破壊したのではない。彼は、ゼオンの構造 (Kōzō) に、修復不可能な欠陥 (Shūfuku Funō na Kekkan) を与えたのだ。

「もうお前のエーテル制御は$50%$も機能しない。その鎧も 10 秒で完全に崩壊するだろう」エリアンは、折れたダガーの刃先をゼオンの喉元に突きつけた。

「さあ、ゼオン騎士。お前の大公爵の紋章を、俺の新しい素材 (Atarashii Sozai) として、再構築 (Sai Kōchiku) させてくれ。」

ゼオンは絶望と怒りに顔を歪ませたが、抵抗する力は残されていなかった。

ライラは、すぐに祭壇のエーテル安定装置に向かった。彼女はそれを起動させなければならない。これは、彼女の故郷を解放するための唯一の鍵 (Kagi) だった。

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