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遺跡の塔と結晶の鎧の挑戦

純粋エーテルによる足場のおかげで、エリアンとライラは予想よりも遥かに早く死地を脱した。目の前には、下層世界の上層にある、広大な荒野が広がっていた。そしてその中心に、彼らの最初の目的地である遺跡の塔 (Iseki no Tō) がそびえ立っていた。

塔の表面は、太古の戦闘の傷跡が生々しく残り、ところどころに高濃度エーテル結晶 (Kō nōdo Ēteru Kesshō) が散りばめられ、幽玄な光を放っている。

「ここが、かつて天空の鍛冶師たちが Ether を精製していた場所よ」ライラは、弓を構えながら警戒態勢をとった。「だが、今は危険な魔物が巣食っている。特に、結晶の守護者 (Kesshō no Shugosha) に気をつけろ。奴らの鎧は並大抵の剣では傷つけられない。」

「鎧…ね。」エリアンは興味深げに塔を見上げた。彼の視界には、塔の内部構造 (Naibu Kōzō) がグリッド線で表示されていた。彼はただの遺跡ではなく、巨大な機械装置のように見ていた。

彼らが塔の入口に足を踏み入れた瞬間、地面が振動した。

ガゴォォォン!

体長 3 メートルほどの巨体が、塔の影から出現した。全身が鈍い銀色の結晶で覆われた人型の魔物、まさに結晶の守護者だった。守護者は、まるでエーテルで形作られたかのような巨大な槌を振りかざし、エリアンたちに向かってゆっくりと歩み寄る。

ライラは即座に弓を引き絞り、三本の矢を連続で放った。矢は守護者の胸に命中したが、その衝撃で結晶の鎧がわずかに欠けただけで、すぐに再生してしまった。

「無駄だ! 奴の耐久性 (Taikyūsei) は高い!」ライラは叫んだ。

エリアンは後ろに下がる代わりに、一歩前に出た。彼は守護者の巨大な鎧に構造鑑定を集中させる。

『解析完了:素材組成 95\% エーテル結晶 (硬度 8)、 5\% 起動コア。結合振動数 \nu_0』

「ライラ、奴の攻撃は避けろ! 俺に考えがある!」

ライラは驚いたが、エリアンを信じ、素早く横に飛び退いた。守護者の槌が地面を叩きつけ、巨大な衝撃波と同時に、エーテルの破片を撒き散らした。

「奴の鎧は強靭だが、完璧ではない」エリアンは分析した。「硬度が高いほど、共振 (Kyōshin) による破壊に弱い。『共振と周波数の原理 (Kyōshin to Shūhasū no Genri)』を使って、奴を内側から崩壊させる!」

エリアンは懐から、死地で採取した最も不純な混濁エーテル結晶を十数個取り出した。彼はそれらを素早く地面に並べ、手に持ったダガー (Dagger) をまるで音叉のように構えた。

「エネルギー分離!」

彼はダガーの柄で結晶を叩き、同時にスキルを発動した。彼の右手から、微細なエーテル流が放出され、結晶が放つ振動数 (Shūhasū) を増幅させ始めた。それは、守護者の鎧の結合振動数 \nu_0 と完全に一致するように調整された。

キィィィィィン!!

空気を切り裂くような、耳障りな高周波音が塔全体に響き渡った。

結晶の守護者は動きを止めた。その全身を覆う銀色の鎧が、まるでガラスのように、微かに震え始めた。

「続けろ、エリアン!」ライラが叫ぶ。彼女は既に矢筒から最も重い貫通矢 (Kantsū Ya) を取り出し、構えていた。

「もうすぐだ… エーテル結合の疲労限度 (Hirō Gendo) に達する!」エリアンは血を吐くような声を出し、さらにエーテル流の出力を上げた。彼の顔は蒼白になり、体内のエーテルが急激に消費されているのが分かった。

パキィィィンッ!

守護者の左肩の結晶鎧に、最初の亀裂が入った。そして、その亀裂は一瞬にして全身に広がった。

「今だ、ライラ!」

ライラはその瞬間を見逃さなかった。彼女の放った貫通矢は、崩壊し始めた鎧を貫通し、内部に露出した赤い起動コア (Kidō Koa) に正確に突き刺さった。

ドォォォン!

守護者の巨体は崩壊し、純粋なエーテル結晶の山となって地面に砕け散った。

エリアンは膝から崩れ落ちた。彼はすぐに結晶の山に這い寄り、貪欲にエネルギー分離を発動した。

[純粋エーテル結晶:大量獲得。]

[虚空の鍛冶師:レベル 5 に上昇!]

[新しいスキルを獲得しました:[エーテル錬成 (Ēteru Rensei) C 級]]

「やったな、エリアン…」ライラは安堵のため息をつき、結晶の欠片を拾い上げた。

エリアンは、汗と埃にまみれた顔を上げ、ライラに向かって微笑んだ。

「まだだ。ライラ。これはただの素材 (Sozai) だ。次は、この結晶を完璧な武器 (Buki) に錬成する。『質量保存の原則 (Shitsuryō Hozon no Gensoku)』と『力の伝達 (Chikara no Dentatsu) の原則』を組み合わせるぞ。」

彼の目は、獲得したばかりの結晶の山を見つめていた。それは彼にとって、ただの宝ではなく、次なる『修理』のための、最高の部品 (Buhin) だった。

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