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隠されたエーテルゲートと上層世界の混沌

レジスタンス本部から遠く離れた、古い遺跡の地下深くに、大公爵が個人的に使用していた隠されたエーテルゲート (Kakusareta Ēteru Gēto) があった。エリアンは、エーテル安定装置の残りの力を利用して、ゲートの封印を解除した。

ゲートが起動すると、空間は裂け、純粋エーテルがプラズマ (Purazuma) のような青い光を放ちながら渦巻いた。

「これが上層世界へ続く道… 次元移動 (Jigen Idō) の仕組みは、エーテル流を特定の波長で圧縮 (Asshuku) する単純なプロセスだ」エリアンは淡々と説明した。

「単純って言うけど、見てるだけで酔いそうだぜ!」アキラは緊張で顔をこわばらせた。

ライラはエリアンの手を強く握った。「行くわよ。」

三人は渦の中へ飛び込んだ。意識が一瞬にして引き伸ばされ、視覚、聴覚、触覚が全てノイズ (Noizu) に変わる。これは、空間と時間の法則が一時的に歪む (Yugamu) 感覚だった。エリアンは、自身の体内のエーテル流を安定させることで、この次元移動 (Jigen Idō) の衝撃を最小限に抑えた。

数秒後、彼らは別の場所に立っていた。

そこは、下層世界とは全く違う場所だった。空はより明るく、浮遊大陸は巨大な機械都市 (Kikai Toshi) と化しており、空中に複雑な輸送パイプライン (Yusō Paipurain) が張り巡らされていた。しかし、最も異なっていたのはエーテルの質だ。

「エーテルが… 不安定だ」エリアンはつぶやいた。上層世界のエーテルは濃度が極めて高いが、同時に制御が難しく、まるで荒ぶる野生動物 (Araburu Yazōbutsu) のように絶えず振動していた。

「見てくれ、エリアン! あそこだ!」アキラが指差した。

彼らが降り立ったのは、荒廃した工業区画だった。その区画の入り口を、全身に派手なサイバー装甲を纏った武装集団 (Busō Shūdan) が取り囲んでいた。彼らはエーテル流の乱れを感知し、待ち伏せていたのだ。

「フン、下層世界のネズミどもめ。生きたままエーテルトークン (Ēteru Tōkun) に変えてくれるわ!」集団のリーダーが、巨大なエーテルチャージガン (Ēteru Chāji Gan) を構えた。

チャージ音と共に、周囲の不安定なエーテルが吸い込まれ、銃口に収束していく。この上層世界の混沌としたエーテル環境では、彼らの攻撃はより強力になる。

「ライラ! アキラ! 下がれ! ここでは通常の戦闘は危険すぎる!」エリアンは叫んだ。

彼は即座に、周囲の不安定なエーテルに対処する必要性を感じた。このままでは、彼ら自身のエーテル操作も不安定になり、流星 (Ryūsei) の弓の精度も落ちる。

エリアンは、地面に手を突き、天空の鍛冶師の力を発動した。

「『局所安定化の原理 (Kyokusho Anteika no Genri)』!」

彼は、自分たちを中心とした半径 5 メートル内のエーテル流の振動数 (Shindō-sū) を瞬時に解析し、強制的に位相 (Isō) を揃え始めた。

5 メートルの円形領域内だけ、周囲の混沌としたエーテルとは切り離され、下層世界のような静かで安定した環境へと変化した。

「な、なんだ!? 急にエーテルが落ち着いたぞ!」敵のリーダーが驚愕する。

「ここが俺たちの鍛冶場 (Kajiba) だ」エリアンは言った。「ライラ、流星の精度は保証する。俺たちの世界で、奴らを修理 (Shūri) するぞ!」

混沌とした上層世界の中で、エリアンたちが作り出した安定した円形の空間が、反撃の狼煙となった。

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