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首都の戦線と再会

大公爵の首都 (Daikōshaku no Shuto) は、下層世界の上層部、最も高い浮遊大陸に位置していた。その城塞は、エーテル精製所からのエネルギー供給を受け、幾重にも重なる魔法障壁で守られていた。

夜明け、エリアンとライラが首都の郊外に辿り着いたとき、既に戦いの火蓋は切られていた。

中央広場 (Chūō Hiroba) を中心に、レジスタンスの戦闘員たちが大公爵の親衛隊 (Shin'eitai) と激しく衝突していた。銃声、エーテルの閃光、そして怒号が入り混じる混沌とした戦場だった。

「ライラ! 首都の防衛線は、3 層のエーテル結界 (Ēteru Kekkai) で守られている。正面突破は不可能よ!」レジスタンスの一員が、塹壕の中からライラに叫んだ。

ライラは懐かしさと安堵の表情を見せた。「アキラ! 無事だったのね!」

アキラという名のその青年は、ライラに駆け寄り、しかし、その視線はすぐにライラの隣に立つ、異様な静けさを保つエリアンへと向けられた。

「そいつは… 誰だ? まさか、あの虚空の鍛冶師 (Kokū no Kajishi) か? ライラ、なぜこんな危険な時によくわからない人間を連れてきた!」

ライラは毅然としてエリアンの前に立った。「アキラ、違う! 彼は天空の鍛冶師 (Tenkū no Kajishi) よ。彼がエーテルを浄化したおかげで、私たちに勝機が生まれたの!」

「天空の鍛冶師? そんなお伽話に騙されるな!」アキラは信じようとしない。

エリアンはその議論を無視した。彼の構造鑑定 (Kōzō Kantei) は、戦場全体を一つの巨大な機械 (Kyodai na Kikai) として解析していた。レジスタンスの攻撃ベクトル、親衛隊の防御配置、そしてエーテル障壁のエネルギー効率 (Enerugī Kōritsu) まで、全てが彼の脳内で数値化されていく。

「非効率的だ」エリアンは静かに言った。「レジスタンスの攻撃は3層目の結界で常に$90%$吸収されている。このままでは、ただの時間稼ぎにしかならない。」

「当たり前だ! 結界を破るには、全レジスタンスの全エーテルを一斉に集中させる必要があるんだ!」アキラは苛立ちを露わにした。

「無駄だ。『全体の最適化の原理 (Zentai no Saitekika no Genri)』に従えば、最大の効果は最小の資源投入で達成されるべきだ」エリアンは、結界を維持している城塞の隅にある、目立たない小さな塔を指差した。

「あれだ。あの塔の地下に、防衛コア (Bōei Koa) がある。3 層の結界全てを維持しているのは、たった一つの駆動システム (Kudō Shisutemu) だ。全ての攻撃は、あれを狙うべきだ。」

アキラは信じられないとばかりにエリアンを見た。「あんな小さな塔が、要塞全体の結界を支えているだと? ふざけるな!」

「構造力学的に、最も無防備で、最も重要なジョイント (Jionto) だ」エリアンは確信していた。「ライラ、あの塔のエーテル供給ラインを切断できるか? 俺が遠隔錬成 (Enkaku Rensei) で、3 層の結界全てに共鳴ノイズを送り込む時間を稼いでくれ。」

ライラは、アキラではなくエリアンを見た。彼女の目には、既に彼の力が疑いの余地のない事実として焼き付けられていた。

「わかったわ、エリアン。流星 (Ryūsei) に任せて。 3 分で破壊する!」

ライラは、迷いなく戦場へと駆け出した。アキラは混乱し、エリアンに掴みかかろうとしたが、エリアンの冷たい視線に射抜かれた。

「無駄なエネルギーを消費するな。勝利の公式 (Kōshiki) は既に計算済みだ。お前はただ、そのプロセス (Purosesu) に従えばいい。」

天空の鍛冶師の戦略が、混沌とした戦場に、静かな、しかし確実な秩序 (Chitsujo) をもたらそうとしていた。

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