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蛸壺の島  作者: 成田ごんぞう
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瀬奈によって話の腰が折られてしまっていたが、気を取り直して直樹は話を続けた。


「これを見て下さい……」


おもむろに上着を脱ぐ。

引き締まった体つきは普段の漁仕事の賜物だろう……だが驚いたのはそこではなかった。


「な、なんなの……これ……」


瀬奈が驚くのも無理はない。

直樹の肩から胸にかけてどす黒いアザが出来ていた。

その姿はまるで、何かの生き物が這い回っているようだ……


「ずっと成長しているんです……これ」


子供の頃は背中に小さなアザ程度でしかなかったものが、徐々に大きくなって背中を伝い肩を回って、胸の方まで来るようになったらしい。医者にも見せたが、原因が分からず特に痛みもないのでそもまま現在に至っているようだ。


「最初のアザを見つけたのは…いつごろから……」


「ひなこがいなくなって……しばらくしてからだと思います」


呪いの類は今まで何度か遭遇した事がある。


物音がしたり、写真を撮ると不気味が影が映っていたりだが、おおよそのケースは呪いとは程遠いものであった。記者として手ぶらで帰るわけにもいかないので、適当にそれっぽい雰囲気にして記事をまとめる事も少なくなかった。だが、今回は明らかに異質なものを感じていた。明確に何か悪意の様なものがこの島を覆っている気がする。


「不安なんです。このままこれが成長し続けたら、どうなるのか……」


もしこれが呪いだとしたら……

なぜ直樹に降りかかっているのか?健志もこの呪いに掛かっていたのか?残った4人のうち、他の2人にも呪いが掛かっているのか?その点を調べる事で何かわかる事があるのかもしれない。葛西は次にすべき事を見出していた。

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