表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛸壺の島  作者: 成田ごんぞう
8/25

再会

「和真ちゃん!」


「おーっ、瀬奈久しぶり!!」


会うなり2人は抱き合った。

男女が食堂の真ん中で人目もはばからず…といった感じではなさそうだ。


「和真ちゃん、この人が葛西さんだよ」


「ウィッス、和真っス!!」


見るからにチャラい格好だが、中身もそのままの様だ。

東の海岸近くに空港があり、併設されたカフェで食事がてら会う約束をしていた。


「和真くんは、私と同い年なんですよ」


話しぶりからみると兄妹の様に見える。

和真は今、内地の大学に通っているようだ。

直樹と違い、島民らしさみたいなものは感じられない、そこらにいる普通の大学生だった。


「うーん、もう島にいないんでわかんないですねぇ」


確かにすでに島の人間ではない和真に近々の情報を聞いた所で、大した情報は得られないだろう。

そこで葛西はひなこの事について質問する事にした。


「……正直、あんま話したくないっすね」


陽気だった和真も、この話になると沈んだ表情になる。

瀬奈にうながされ、ようやく口を開いた。


「俺聞いたんすよ、ひなこがいなくなってから…呪いが出たって」



呪いの話はこうだ。


ひなこが行方不明になってからしばらくして……健志が学校に来なくなった。

和真は健志が心配だったのと、借りていた漫画を返す為に健志の家に行ったそうだが、その時大勢の大人がいたので中に入れなかった。

中では健志の叫び声が聞こえ、廊下を慌ただしく歩く住職の姿が見えた。そこで耳にしたのだ。



「住職!健志の呪いを何とかしてやって下さい!!」



辺りに重い空気が漂っていた。


「呪い…ハッキリそう言ってたんです」


葛西にはその言葉が冗談に聞こえなかった。もちろん瀬奈にも……

2人は…先ほどの直樹の事を思い出していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ