表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛸壺の島  作者: 成田ごんぞう
3/25

4人の子

日も傾き……窓から涼しい海風が流れて来る。

葛西は一人、老婆の話を思い出していた。


結局……子供を亡くした事による一家心中だろうという事で処理された。

建物があった所は既に更地になり、草が生い茂って見る影もないという……


だが…それ以降、島では不思議な事がたびたび起こったそうだ……


島のどこからか人の声が聞こえてくる……

森の中で人影の様なものが見える……

不気味な事が書かれた紙が家の前に置かれる……


これらをはじめとした怪奇現象に恐怖をおぼえる島民も少なくないらしい。

今では島でもネットが使えるとは言え、そういった事を書き込む人間もいなかったので、これらの事が世間に伝わる事もなかったのだ。


(怪奇現象とこの話が紐付くのかもしれないな……)


もちろん呪いの類なのか?というと疑問がある。


もしかしたら、過去の話を利用したイタズラの可能性もあるが、何にせよ七つの子の呪いが何らかの形で関係している事は十分考えられそうだ。


葛西はこれからの取材プランを練っていた。


(まずは島全体の調査から始めて……島民への聞き込み…そしてひなこの家の跡地も見ておくか……)


貰った島のパンフレットに書き込みをしていく。

島の全体地図が掲載されており、位置関係も把握しやすい。

老婆から聞いたひなこの家も既に印を入れてある。


明日の準備を整えると、用意されていた布団に横になった。


(七つの子……か……)


それはひなこの事を意味していた。


子供は島全体の宝という事で、年の近い5人まるで実の兄妹の様な感じで扱われ、名前の他に数え年で呼ばれる事もあった。


そう、ひなこが行方不明になった時が7歳……七つの子として。


(残った4人の子供達……)


ひなこは5人の内のちょうど真ん中の年齢だったらしい。


一番上の男の子は家業を継いで漁師をしており、二番目の男の子は病気で亡くなったそうだ。

三番目はひなこ、四番目の男の子は島を出て行ったが、ちょうど島に戻って来ているらしい。


そして五番目の女の子が……瀬奈であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ