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蛸壺の島  作者: 成田ごんぞう
15/25

通りかかった巡査

仮定として、あの蛸壺が呪いを封印するものだったとしたら……

封印が解けた事が、直樹の死に関わっているのかもしれない。


葛西の頭の中にはあらゆる仮定が飛び交っていた。

どれもそうだと思うし、そのどれも違うとも思える。


「何かヤバイ事が起こってるのは俺でも分かりますよ……」


車を運転しながら和真も神妙な面持ちでつぶやいた。


あの蛸壺にヒントがある……そしてこの怪文書にも……

葛西は直樹にもらったメモを見ていた。


「なんすか……それ?」


「……危ないっ!!」


和真がよそ見をした瞬間、車は大きく曲がり、片輪が側溝に落ちた。


「いてて……これも呪いってヤツですかね?」


葛西は和真を引っ叩いた。


「いてっ、殴る事ないじゃないですかぁ~」


「アホな事言ってないで脱輪を戻すぞ!」


とりあえず和真が車を持ち上げ、葛西がバックに入れて車を戻そうとするが上手くいかない。


「思ったより深く埋まってるな……」


「電話して助けを呼びますか?」


直樹の葬儀の日に車で脱輪したなんて言ったら、和真は親に怒られそうだが仕方がない……

助けを呼ぼうとしたその時だった。


「おーい、何やっとるんだ?」


海岸で出会った巡査がやってきた。


「おー、和真のボウズじゃないか。それとそっちの人は海岸で会った……」


状況を見て巡査はすぐに察した。


「なんだ、脱輪したのか。ちょっと待ってなさい……」


そう言うと、どこからか大きな木の板を持ってきた。


「これをこうして……これで、やってみなさい」


葛西が改めてバックすると、脱輪はすんなり元の道に戻った。


「や、助かりました……」


「うん、田舎だからと言って油断したらいかんよ」


2人はお礼をすると、巡査は自転車に乗って去って行った。

改めて運転を和真に譲る。


「頼むよ和真くん……呪いじゃなくて不注意であの世行きなんてたまったもんじゃない」


「わーかってますって!任せて下さい!!」


まるで悪びれる様子もなく和真は勢いよく発進……したせいでまたもノッキングした。


(……大丈夫かな?)

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