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第六話 巨大なイノシシとの対決

「ブモォォォォ」


「うわぁぁ!」


 ズドンと突撃してくる巨大なイノシシ。

 馬鹿でかいサイズの体で突撃されたら流石に一撃でやられてしまいかねないだろう。

 それに、迂闊に近づけないから攻撃も与えられない。


 さっきから《ブイフト》や《ブイスラン》を撃ち込んでるけどこの程度の呪文では威力不足なのか全然効いてない。

 これじゃあ最大火力の《スラシィグ》でもロクにダメージを与えられそうに無い気がする。


「ブモァ」


「ちょ、暴風のブレスまで吐くの!?」


 あのPKの上位互換じゃん。

 自爆しないしね。

 威力も明らかにPKより上だ。

 当たり前か。明らかにボスクラスのエネミーだしね。

 昨日の食事の時にソニスが言ってたこの地を支配するボス個体の魔物なんだろうね。


 極めて強いから複数人あつめたパーティーでの討伐推奨とか言ってたね。

 偶然の遭遇だから今から仲間を集めるなんて出来そうも無いけどね。

 そもそも今出会ったプレイヤーはあのPKだけだし呼べもしないよ。

 クラフトゲームの仲間とか他のVRMMOをプレイしていた子とか色々居るけどこのゲームで遊んでいるかは分からないしそもそもスタート地点が同じとは限らない。そもそも連絡手段が無いから今は呼べない。


 割と本気でどうしようか・・・・・・

 とりあえずやれるだけやるしか無いよね。

 何もしないで倒されるよりかはいいよね。


「《ブイフト》《ブイフト》《ブイスラン》《ブイフト》・・・・・・」


 とりあえず問題無さそうなときは遠距離呪文を連射する。

 こうなれば自棄だ。

 とりあえず連射してる最中に本を取り出す。

 そしてスキルを習得する。


 7のスキルに操作のスキルをセットする。

 これにより《イブンハズ・サントリ》という呪文が手に入った。

 召喚、操作、拳と三つの複合呪文だ。

 目的だった火の操作は獲得できなかったけどこれで何とかするしか無いよね。


「《イブンハズ・サントリ》!」


 唱えてトリガーを引くと自在に宙を舞う拳が出現した。

 これならいけると思ったのは一瞬の話。

 なぜならこの宙に浮かぶ拳はかなり動きが遅い。

 これによって出来ることはないね。


 動きが遅いならあのイノシシをつかめば動きを押さえ込めるとかそんなことも無い。

 普通に引っ張られて終わりだった。上手い具合につかめたからこのまま押さえ込むのを狙うけど多分期待するだけ無駄だろうね。


 ちなみにあの宙を舞う拳は二つ出すことが出来ないみたいだ。

 数出せば押さえ込める何てことは出来ないみたいだね。

 まあ、仮に出せてても私自身が操りきれないと思うからこの方法はこれ以上考える必要は無いかな。


 しかし完全に外れ引いた。

 風の操作が《ヒュコート》だったから火の操作の《ブイコート》が獲得できれば火力アップが期待できたのに・・・・・・直接繋がるスキル枠の空きは無いからね。


 こうなると最悪、あのときの《ブイフト》と《レイフト》の自爆を試すしか無いかな。

 でも自爆するとエネルギーの残量にかかわらずしばらく呪文が扱えなくなるというリスクがある。

 もしこれで仕留めきれなければ・・・・・・確実にやられるね。

 とりあえずもう少し・・・・・・


「ブモォォォォ」


 って考えてたら突進してきた。

 でも、上手く回避できそうだから少しチャンスではあるかな。

 このチャンスを生かせるかどうかは分からないけどね。


「《ブイ・スラシァ》」


 《スラシィグ》はモーションの都合上カウンター斬りは出来ないから《ブイ・スラシァ》という火の剣を振り回す攻撃で対応する。

 横切りタイプの単発技があれば便利なんだけどどうにもならないよね。


 炎の剣は巨大イノシシの横腹を・・・・・・・切り裂けなかった。

 というか・・・・・・


「折れたァ! 固すぎでしょ!」


 剣が折れた。

 その瞬間ケサンで召喚した剣は柄も含めて光の粒になって消えていった。

 一応私の呪文の中で二番目に火力がある技なのにまさかこんな事になるなんて・・・・・・


 これである程度ダメージが入ってるなら良いんだけどこれ完全にノーダメージだよね。傷も入ってないし・・・・・・

 ってことは当然あの《ブイフト》の連打も全く効いてないって事になるね。


 これはもう倒すのは無理だと考えた方が良さそうだね。

 こうなったら最後の手段使うしか無さそうだ。

 でもこれ使ったらもう後が無いし逃げることも・・・・・・・

 いや、最後の手段を逃走に転用できないかな?


 やってみる価値はあるかもね。

 どのみちもう他に方法は無い。

 やれるだけやってみるよ。


「《ブイフト》《レイフト》」


 火の玉と光の球を無理矢理合成する。

 それにより爆発する球が出来上がる。

 爆発すれば周囲一帯を吹き飛ばすだろうね。


 今回はその爆発を逃走に利用する。

 私は爆発する球を手放し思いっきり跳躍する。

 手放したからか思いっきり爆発が引き起こされる。


 この爆発は周囲一帯を吹き飛ばす。

 私はこの爆発でダメージは負わないけどどうやら爆風は受けようと思えば受けられるみたいだね。

 推進力にして思いっきり巨大イノシシと戦っていた場所から遠ざかっていく。

 そしてそのまま拠点付近の水辺まで吹き飛ばされた。


 それなりに水深があるので少なくとも地面に落ちるよりかはダメージを抑えられたと思う。

 狙ったとは言えうまく水の中に吹き飛べてよかった。

 地面に落下してたら酷い目に遭ってただろうしね。


 にしても、あの巨大イノシシ・・・・・・今の私では完全に太刀打ちできない強さだね。

 まあまだ二日目だし当然かな。

 召喚された剣は折られると再召喚まで結構長く時間がかかるみたいだし仮に攻撃が効いていたとしても剣が折られた地点で勝ち目は無かっただろうね。


 よし、次にあの巨大イノシシに遭遇したときに勝てるように剣を作る。

 召喚される剣は設定すれば作り上げた剣を召喚出来るみたいだしね。

 しかも召喚されるのは本の内側にある剣を模倣して作り出したものだからへし折れてもまた再召喚で問題なく扱えるからね。


 それと、今は一度に一本しか召喚できないけどこの数が増えれば戦闘中に折れても召喚でなんとか出来るようになるからね。

 まあ折れないに越したことは無いから《ケサン》の強化で召喚可能本数の増加と剣の強化があの巨大イノシシへの再戦の為には必須かな。


 あと、《レイフト》と《ブイフト》の合成を完全な形で行使できるようにすることだね。

 あの爆発は多分制御しきれず反発したことによって引き起こされてる現象だろうし多分ちゃんとした形で発動できればあの巨大イノシシに対して効果を発揮する技が出来上がったはずだ。


 だから呪文の制御能力を高めて合成出来るようにしよう。

 操作のスキルを手に入れたからなのかあの爆発は後一歩でなんか合成できそうな感じがしたからね。


 それとあの宙を舞う拳の呪文だ。

 アレを上手く運用できれば死角からいろいろとできそうだ。

 一つだけでも良いから動く速度とパワーを引き上げていかないとね。


 ちなみにさっき召喚してた拳は吹き飛ばされて距離が開きすぎたせいか消えたみたいだ。

 動きが鈍いから分かりづらいかもだけど射程距離とかも調べていかないとね。


 私は今後のことを考えながら水から上がりそして格好をみて、防具もどうにかしないととおもった。

 前回と違って爆風を意図的に受けたからか服が完全に吹き飛んで裸になっていた。

 水から上がろうとするまで気がつかなかった・・・・・・・


 誰も見てないうちに急いで本の内側の世界に逃げ込む。

 その時の私の顔は真っ赤になってただろうね。

 あの逃走方法は出来るだけ使わないように立ち回ろう。

 私は心から本気で誓った。


ソニス「さて、今日紹介する呪文は召喚スキルの呪文を紹介していこうか。

まずは《ケサン》ホムラが剣を召喚するときに使う呪文だね。

ケが剣の召喚専用単語でサンが召喚って意味だね。

召喚にも色々あってあの《イブンハズ・サントリ》に使われてるイブンってのは一部という意味だったりするよ。ハズが拳というよりも手首までの手を意味する召喚単語だからね。トリは浮遊制御という高度な制御を意味してたりするよ。このへんの詳しい説明はまた今度ね。

と言うわけでここで解説はおしまい。次回も見てね。

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