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第五話 そのPKはまるでイノシシのように

 私は地面に寝転がって寝て、今日起きてからあることを誓った。

 今日中にベッドを作ると・・・・・・

 正直、ここまで再現しなくても良いのにと思った。


 私はソニスに見送られながら外に出て建築を行った。

 昨日のうちに加工しておいた材木をガシガシくみ上げて骨組みを完成させて昼過ぎになった。


 とりあえず、今日の所はこの辺で建築を辞めて素材集めに向かおうかな。

 昨日吹き飛ばされいった木なんかも素材として回収しないとね。


 それと、折角いろんな物が作れたんだから肉とかも欲しいよね。

 小麦なんかも欲しいけど手っ取り早く手に入れられそうなのは肉だよね。

 このゲームのエネミーである魔物からドロップするわけだからね。

 当然いろいろ出来るわけだから解体なんかも出来るでしょ。

 食べられない肉とかでも無ければ確定ドロップ間違いなしだよ。


 とりあえず建築中の工房から離れて数分くらい素材を集めながら散策していると見つけた。

 魔物だ。


「ブモォォォォ」


 それじゃあ、戦闘開始と行こうかな。

 そして戦い始めて《ケサン》と《スラシァ》だけで終わってしまった。

 このイノシシの魔物弱すぎ・・・・・・

 正直見た目からしてもう少し苦戦すると思ってた。


 まあ、あのPKのせいでこっちのスキルが成長してるのも一つの原因かもね。

 まだやりたいことがいっぱいあるから呪文の解読は進んでないんだけど入手EPが異常だったわけだし入手EPが多いんだし勝手に使われるEPも相応に多いから相当強化されてるだろうね。


 とりあえず、狩ったイノシシは本の内側に収納して簡易的な容器の上で血抜きすることにした。

 いつでも戻れるって便利だね。


「血抜きした血はEPに変換しておく? 正直売っても意味ないからね」


「そういう形で素材類をいつでも捨てられる訳ね。なら気が向いたらでいいから容器が満タンになる前に変換しておいて」


 素材をEPそのものに直接変換出来る機能はしらなかったな。

 でも多分EPとして手にすることは出来ないんだろうね。

 勝手に割り振られる枠のEPとして入手するって事だろうしね。

 戦闘と売却以外だとEPとして直接手に入れられないとは言われてたしね。


 微々たるものでもこんな売れもしない使えもしないもので少しでも強くなるのは正直ありがたいしどんどん変換して貰おうかな。


 そして私はイノシシを倒しては本の世界に持ち込んで血抜きしてを繰り返し夕方になった。

 イノシシを狩る間にも木材やらの素材を色々手に入れたしそろそろ拠点に戻って・・・・・・・


 なんか近づいてくる?

 この気配はあのときのPK!


「《ブイスラン》」


 イノシシ狩りの最中に獲得した二つの呪文のうちの一つだ。

 火の槍を投擲できるようになる呪文だ。

 投擲するというモーションを加えないと飛んでいかないのが難点だが《ブイフト》よりも火力がある。


 これで先手必勝だ。

 EPを大量に獲得したとはいえ向こうの方が強いんだ。

 こうでもしないと勝てるわけが無い。

 そもそもあの程度で一週間の差が埋まるとはとても思えないしね。


「畜生、ばれたか」


「気配を消しても分かるよ。というか何その被り物・・・・・・」


 というかどう見てもあのイノシシの顔じゃん。

 しかもなめしとか全くしてない状態で・・・・・・

 これでどうやって外見てるの?

 そう突っ込みたくなるくらいには処置が全然されてない。


「防具だ。これでお前の自爆にも耐えられる。やられたせいか凄いEPが減ったからな。減らしたお前から搾り取ってやるよ」


「その減ったEPは私が有意義に使わせて貰ったよ。今度こそ倒してあげるよ《ケサン》《スラシァ》」


 思いっきり距離を詰めて《スラシァ》による剣の連撃をいれる。


「チィ、なんで新しいスキルを手に入れてるんだ。《クタガァス》」


 その剣の連撃を一撃目で止められた。

 食い込んでダメージを与えられたけど連撃は出来なかった。

 これなら新呪文を使うべきだったかもしれない。


 猪頭PKはそのまま私から距離を取りそのまま大きな声で呪文を唱えた。

 私に取っては最大の脅威と思えるあの暴風の呪文を


「《ヒュスブレ》、グァァァァ」


 被り物をかぶったまま放とうとした。

 うん、馬鹿かな?

 口までふさいでるんだからあの被り物の中で渦巻くに決まってるじゃん。

 これじゃあ何のためにかぶったのか分からないよ。


 でもなんか妙だ。

 自分の呪文でダメージは受けないんじゃ無かったの?

 どう考えてもあのPKは多大なダメージを受けてる。

 もしかしてあの自爆でダメージを受けなかったのは自分の呪文だからダメージを受けないとかそんな理由じゃ無いって事?


ひふひょう(畜生)ひゃらはひは(やらかした)


 被り物は結構ずたずたになってはいるものの未だに顔に張り付いている。

 多分中は悲惨なことになってるだろうね。

 少なくとも耳はやられてるだろう。

 とりあえず・・・・・・止め刺そうか。


「《スラシィグ》」


 振り下ろし以外では発動しない単発タイプの剣スキルによる呪文だ。

 振り下ろしという限定された振り方でしかも単発なだけあって《スラシァ》より遙かに威力が高い。

 現状では《スラシァ》の連撃五回分って所かな。


はふへぇ(危ねぇ)!」


 だけど、攻撃に転じられるのは読まれてたのかそのまま後ろに下がって回避された。

 まあ、流石にこんなのでやられるわけ無いよね。


 PKはかぶってたイノシシの被り物を外してとある呪文を唱えた。


「《ふふひ(ヒュユチ)》・・・・・・」


 その呪文を唱えると共に風がPKの顔に渦巻いてその傷を癒やした。

 これは回復呪文!?

 たしかに回復スキルってのがあったけども・・・・・・


「よくもやってくれたな」


「いや、ただの自滅じゃん」


 自滅しても自力で治せるってインチキすぎない?

 まあ、あの大爆発で無傷な私が言えることでは無いかもしれないけどね。


「うるせぇ! おとなしくやられとけ! ヒュスブレ!」


 またあの暴風のブレスが・・・・・・こない?

 はき出す体勢のままPKが固まってるね。


「やらかした。エネルギー切れだ」


 あ~始めて見たけどエネルギー切れによる呪文の不発ね。

 にしてもあんな呪文一発で尽きる物なのかな?

 素材回収のために《スラシァ》とか連発してるけどエネルギー切れになる気配は全くしないよ?


「《ブイスラン》」


 まあなんであれとどめを刺す。

 ズドンと突き刺さる火の槍が原因で全身には負った毛皮が燃えだし全身が丸焦げになる。

 そのスラシィグでとどめを刺しPKはそのまま砕け散るように消えていった。


 砕けた破片はPKが持っていた本に吸い込まれていきそのまま消えていった。

 これがやられたときの演出なんだろうね。

 本の内側の世界に強制送還されてこの場から撤退させられるんだ。


 まだやられたこと無いから分からないけどやられたときはどのくらいデスペナルティが科せられるんだろうね。

 それについてあとでソニスに聞いて置いた方が良いかもしれないね。


 しかし、あのPKはなんであんなイノシシの毛皮を防具だと言い張ったんだろうね。

 それについては分からないけど私もちゃんとした防具は必要だと思う。

 そのためにも水辺にある工房を完成させないとね。


「って新しい呪文が生えてきた。と言うよりも同系統の単発スキルを見たから学んだみたいな感じかな」


 出現した呪文は拳での防御呪文と思われる《クタガァス》。

 あのPKは拳と言うより腕で防御してたから恐らく本来の使い方とは異なっている気がする。

 ちゃんと使いこなせば《スラシァ》くらいなら無傷でやり過ごすだけの力があるんじゃ無いかな。


 さてと、確認も終わったしとりあえず続きをしようかな。

 素材を集めて工房を作らないとね。

 そう思い長周りを見渡すとなんか馬鹿みたいにでかいイノシシが真後ろで立ち止まってた。

 ・・・・・・これってもしかして、怒ってらっしゃる?


「ブモォォォォォ!」


 完全にブチ切れてるね。

 ほぼ間違いなくPKのせいだ。

 あいつ、イノシシの被り物をズタズタにして地面に放置してるしね。


 これはこのまま二連戦するしかないよね。

 残りのエネルギーは・・・・・・結構あるように感じるけど

 とりあえず気を付けながら戦った方が良さそうだね。


ソニス「さて今回紹介する呪文は《ヒュユチ》だよ。まさかの回復呪文。

ヒュは空気でユチは回復だね。ちなみに案の定ホムラは誤解してるけど回復するための空気が顔の周辺に生成されたから押し出されるように風が発生しているから回復の風というのは間違いだったりするよ。

ちなみにあのPKのエネルギーが尽きたのはほぼ間違いなく致命的な傷を急速に完治するレベルで癒やしたせいだよ。一つのスキルを徹底強化しての最大威力回復は最大量の八割を持っていかれるからね。均等に強化してたらここまで酷いエネルギー消耗は起きないからバランスよく強化することが大事だよ。スキルは自分の手足みたいな物だからね。足の長さが違えばまともに歩けなくなるのは当然の話だから。

と言うわけで今回はここまで。次回もお楽しみに。

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