第十五話 生産系呪文作成
「うわぁ・・・・・・そいつはやっかいすぎるな」
「でしょ?」
ビュウスが帰ってきたので遺跡のとそこに潜む大ボスの存在を話した。
するとビュウスは手を顔に当てて空を仰いだ。
「絶対そいつボス魔物を扇動するだろ。そうなるとそいつが復活するまでに発見済の二体は倒しておきたいものだな」
あ~どこぞの厄災で息がワイルドみたいなゲームでラスボスの所にボスを倒さずに行ったら全員そこで倒さなきゃいけなくなるとかそういう展開あったね。
大ボスが目覚めたら生き残ってるボス魔物全員と戦わなきゃいけない展開は普通にありそうだね。
そうなったら本気でやっかいすぎるんだけど・・・・・・
なら倒せるボス魔物は倒しておくべきだよね。
大ボスと共にいるオーシャンゴブリンナイトを除けばあとは・・・・・・
「テンペストボアとブレイズコングね。でもどうやって倒すの? まだ武器が作れる環境にないよ」
「そこが問題なんだよな・・・・・・」
まだまだEPが足りない。
と言うより人手が足りない。
生産関係のプレイヤーが私並みのプレイヤーが一人は欲しい。
「セルフィスが居れば良いんだけどね」
「フィルか・・・・・・あいつも開始地点森を選びそうなんだけどどこにいるかは分からないんだよな」
二人そろってため息を吐く。
せめて他のプレイヤーを味方につけられれば良いんだけども現状出会ってるのはPK集団とファイブGだけ。
ファイブGはこんな何も無いところから設備を建てられる程生産に特化してはいないみたいだしね。
さらに生産スキルも紙を作るのでもエネルギーが一割近く消しとんだらしいからこれにも期待できない。
あれだと戦闘でEPを貯めさせた方が速いだろう。
純粋に生産に特化したプレイヤーは居ないのかな?
森だし素材豊富だから居てもおかしくは無いと思うんだよね。
「そういえばゴーレムとかは作れないのか? 結構初期の方から作ってた印象があるが・・・・・・」
「それはエンチャント設備をはじめとする魔術設備がないとね・・・・・・ついでに言えばコアになりそうな素材が無いんだよね」
エンチャント設備、回路作成設備、プログラミング設備等々色々と必要になるしね。
クラフトゲームでは最初から全部の初級設備が解禁されてたから材料さえあれば作れたんだよね。
実際これらの設備を作るとなると結構厳しいしいくらクラフトゲームでは最初から作れたと言ってもこのゲームですぐ作れるわけじゃないからね。
「あと、最大の問題があるんだよね。設備動かすためのエネルギー問題。強力な磁石が売ってなくて発電設備が作れないんだよね」
十中八九誰かさんに買い占められたんだろうね。
向こうも磁石を作る程余裕があるとは思えないし当分在庫は復活しないだろう。
あと発電後に魔力に変換する設備も必要だ。
これをやって始めて魔力系の設備は動き出すからね。
まあ、こっちは非効率でいいのなら簡単に作れるし問題では無いんだけどね。
「強力な磁石って作れないのか?」
「そのために膨大な電気が必要なんだよね。少なくともビュウスの《リビフト》の数十倍以上は必要だよ。蓄電設備は畜魔設備よりももっと難易度高いしね」
というか取り扱い注意の薬品を使わなきゃいけないから迂闊に使えた物じゃ無い。最も手に入れられる目処は立ってないんだけどね。
とある漫画の主人公であるストーン博士みたいに作ってみたくはあるんだけどね。
「ってことは《フェバイツ・リビスブレ》を使えばワンちゃんいけるか?」
「いつの間にか新規呪文を・・・・・・」
ただでさえ呪文の数に差があるのに更に差をつけられた。
雷のブレスを吐く呪文でしょそれ。
《スブレ》がブレス系だというのはもう分かってるんだから。
「と言ってもたったの二つだ。そのうちの一つはこれだぞ? 《ウドダァス》」
そう言って呪文を唱えて空気の球ではない正真正銘の風の球を出した。
これってまさか・・・・・・
「《ヒュダァス》の改良結果俺の五番目の呪文だった《ヒュダァス》と入れ替わるように出来上がった呪文だ。これによって風スキルがワンランク上昇したからこれでお前の《ブレイフト》に対抗できるな」
「こっちはまだ完成してないのに! 《ブレイフト》!」
光の球と火の玉が片手に形成されそれが混ざり合うように形成され射出される。
的にした地面をえぐるように破壊してそのまま消えた。
「まだ連射も出来ないんだよ」
「この威力の呪文を連射されたらたまった物じゃ無いんだけど・・・・・・というか安定性あがってもう《ウドフト》でもないと相殺できないきがするんだが? 呪文の威力って意味ではそっちの方が先を行ってる気がするんだが・・・・・・」
「でも無駄に威力が上がりすぎて制御出来てないんだよ。こんな森の中で使えると思う?」
正直とか威力が上がりすぎてそろそろ引火して火事を引き起こしそうだしね。
《レイスラン》も制御効かなくて無駄に森を破壊するし・・・・・・
ソニスには加速的に強くなってるけどそれに対して制御が追いついてないって言ってるしね。
「そんなので悩むのはお前くらいだと思うがな。呪文に使うエネルギー配分を変えてみろ。クールタイム削減とか制御能力向上とかいろいろメリットがあるからな。というよりお前の場合は生産系の呪文でも作り出したら良いんじゃ無いか?」
「え? そんな呪文作れるの?」
「作れるぞ。別に呪文は戦いの為だけに使うものじゃないからな。明確な形を望んで呪文作成を行えば出来るはずだ」
そういえば生成スキルとかそういうのがあるんだから想像するべきだったね。
なら・・・・・・・スキルを確認する。
う~ん・・・・・・生産に直接関与できそうなのは火と操作くらいだけど直接繋がってないんだよね。
なら操作につなげられそうなスキルをちょっと探ってみるのも・・・・・・まてよ?
考え方を変えよう。
召喚するという形で顕現する操作出来る火を出す呪文を作ると考えたら良いのでは?
召喚スキルをメインに据えてるから召喚と上手い具合にかみ合わせることが出来れば呪文は作れるはずだ。
試しに作ってみよう。
3火-6召喚-7操作と結んで呪文を作成!
なにげにチュートリアルとスキル取得を除けば意図的に呪文を作るのは始めてかもしれない。
《ブレイフト》の原型の《ブイダァス》と《レイダァス》はあくまでも派生で生まれた物だしね。《ブレイフト》に統合されてすぐに消えたけど・・・・・・
「どんな呪文が出てきた?」
「なんかひっつけた覚えの無い光スキルまでひっついてきて《ブレイケボル・サントリ》という呪文が出てきた」
試しに使ってみると火とは明らかに違う《ブレイフト》が炎になったかのようなものが制御出来る形で召喚された。
ただ、ちょっと扱うのは難しいかもしれない。
だけどこれを制御出来れば鍛治場なしでも鉄製の武器が作れそうな予感がする。
「熱、熱!? 《ケボル》って炎だから上位単語じゃ無いか! こっちが燃えるからさっさと呪文を解け!」
「え? あ、ごめん」
私は慌てて呪文を解いた。
また迂闊に使えない呪文を作っちゃったよ。
でも操作スキルを手に入れたときに手に入れたかった呪文に近しい物が出来上がった。
これだけ火力が高ければ炉なしでも簡単な武器なら作れる気がする。
鍛冶台は購入済だしこれをしっかり制御すれば大量の武器が作れる気がする。
でもこうなってくるとエンチャント関係もスキルさえあれば設備無しで作れるようになりそうだね。
強化とか付与とかその辺のスキルを上手く組み込めばいけそうな気がする。
まあ制御が困難なのもあってそんなに簡単にスキルを増やせはしないんだけどね。
とりあえず、今できるようになったことからしていこう。
まずは、自分の鍛冶道具を作るところからかな。
ビュウス「さて、今回の後書きは俺が説明していこう。
俺が説明するのは現在の所持スキル事情だな。
今回紹介するのは俺だ。俺のスキルはこんな感じだな」
1雷、2なし、3なし、4なし、5なし、6風、7なし、8操作、9召喚、10槍
ビュウス「全体的に下部からスキルを構成していっている。ホムラとは真逆だな。
下部から形成するのは割とよくある組み上げ方だ。なにせ攻略サイトにあるからな。
ちなみに俺の最初のスキルは雷、風、槍だ。槍は操作スキルを獲得するまで切り離された状態で属性スキル同士の複合が難しいこともあり《ラスガァス》という槍の防御呪文をチュートリアルの生成呪文で獲得したといった具合だな。呪文まで全部解説したら長くなるしここまでだ。
それじゃあ次回も見てくれよな」




