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第十二話 戦闘訓練VSビュウス 1

本日二本目

「それじゃあ行くぞ」


 私はビュウスと対峙した。

 訓練したいというのは私が言い出したことだ。

 武器を作るのにビュウスの戦闘スタイルを見る必要があるけど今の設備で作れるような武器で必要になることでは無い。


 私自身このままPKに良いようにされるのはいやだったしね。

 弱いままじゃ駄目だ。

 ロギロスの暴走はまだいいにしてもあんなクズみたいなPK共に負けるのだけは絶対嫌だ。

 強くなる。文字通り太陽をその手に宿すくらい強くなる。


「行くよ。《ブイダァス》《レイダァス》」


 さっき教えて貰ったことを実践する。

 射出するという呪文を取っ払い手のひらにのせた球を叩きつけるという盛大に弱体化しているとしか思えない呪文。

 でも、これなら製作難易度は大幅に減る。


「はぁぁぁぁ《ブレイフト》!」


「ゲ!? 《ヤサン》《リヤシァ》セイ!」


 産み出された陽光の球と投擲された槍がぶつかり合い相殺された。

 というかその呪文、射出機能排除したのに射出するんだ。

 でも最下級呪文で相殺されたしまだまだ完成度は低い。


 《ブイダァス》と《レイダァス》の呪文が消えて《ブレイフト》が出来上がったけど射出のためにはさっきと同じように火と光の球を合わせて飛ばすという手順が必要になる。

 つまりまだ呪文として出てきたけど未完成なんだ。

 本来ならあの爆発レベルの威力は無きゃおかしいんだ。


「さらっと今作りましたみたいな呪文ブッパするなよ。だけど、その呪文の消費エネルギーは凄まじいぞ。そんなのに頼ってたらエネルギー切れするからな」


 確かに。今までに無いくらいにはエネルギーが減ってる。

 少なくとも既存の呪文の百倍とかそんなレベルで減ってるのに1%も削れてないあたりソニスが最上位呪文連射出来ると太鼓判おすのも分かる気がする。

 でもそうなるとかなりエネルギー効率が最悪なんだろうね。

 爆発起きてもここまで減ってた覚えはないし・・・・・・・


「あと、さっきのは不完全だから呪文で強化した槍を投げるだけで消えただけだからな。直撃させれば俺でも一撃で消し炭になるぞ」


「あ、威力は高いんだ。じゃあ《ブレイフト》!」


 発動手順が必要になるから連射は出来ないけど何発でも撃てるしね。

 ビュウスは顔を引きつらせながら呪文を唱える。


「《リビシル》!」


 その呪文によって展開された雷の盾で陽光の球は消し飛んだ。

 いくら威力が高くてもちょっとした衝撃で消し飛ぶのだとしたら対象に当てることはままならない気がするね。

 同時に盾も消し飛んでるからおそらくダメージそのものは発揮してるんだろうけども・・・・・・


「未完成の呪文でどうにか出来る程俺は甘くないぞ。《シルグ・ヤサンコート》」


 ビュウスが未知の呪文を唱えて出現したのは明らかにただの槍。

 宙を飛ぶ訳でも無くそのままビュウスの手の中に召喚された。

 《シルグ》は知らないし《コート》は多分操作って意味だと思う。

 となると槍を操作?宙に浮いてたりしないのに?


「これをただの槍だと思うなよ。デフォルトの弱い槍でもこの呪文を通せば簡単には壊れんぞ!」


 ビュウスが私の前まで接近して槍で攻撃してきた。

 凄い早い突きだ。

 とてもじゃないけど避けられない。

 しかも結構火力が高い。PKの《ヒュスブレ》なんかよりも強い。


「何なのこの槍・・・・・・・」


「操作スキルで突く速度を引き上げてるんだよ。ベクトル変換で俺の突きを勢いが殺される前に反転するという形で高速突きをしているわけだ」


 要するに突いたときの勢いをそのまま反転させて勢いよく引き戻し次の突きのためのラグを極限まで減らしてる訳ね。

 というか下手すると突きのスピードはどんどん加速するんじゃ無いの?

 流石に実力とか関係して限度はありそうだけどね。


「盾で防がないと、《ブイシル》!」


 この呪文によりビュウスと私の間に火の盾が展開されて・・・・・・


「敵を強化してどうするんだ?」


 その盾を槍が通り抜けるときビュウスの槍に火がまとわりついていた。

 強化されてるじゃ無いですかやだー!?

 ビュウスは突きの連打を辞めてあきれた表情で言う。


「《シル》系は対応する属性の盾として使えるが物体でぶち抜くとその属性をまとわりつかせるというエンチャント効果もあるんだよな。さっきのは俺の槍を守る為の盾となったわけだ。その副産物で火の攻撃になってるような物だな」


 ってことはつまり火を防ぐ盾として使えるし物体でぶち抜けばその物体に対してエンチャントじみたことが出来るって訳ね。

 純粋な援護呪文と考えた方が良いかもしれない。

 少なくとも私の場合は使う意味があまりない。


「さて、続けるぞ。構えろよ《フェバイツ・ヒュダァス》!」


 っと、そうだった。

 戦いの最中なんだし今はそんなこと考える余裕は無かった。

 ビュウスの叩きつけた風の球によって地面が吹き飛んだ。

 それ、弱いって言ってた呪文じゃ無いの?

 それとも頭につけた《ブルダ》みたいな追加呪文で強化してるの?

 《フェバイツ》ってどんな効果なの?


 とにかく反撃しないと。

 さっき《ブレイフト》を不完全とはいえ完成させたからか《ブイシル》ともう一つ新しい呪文が出来上がったからね。

 これで反撃する。


「《ブルダ・レザスラン》!」


 光というより最早レーザーの槍、収束光の槍を二本形成し思いっきり投擲する。

 これなら目くらましになれば良いな・・・・・・

 《レイフト》とか凄い弱いし・・・・・・


「グオ・・・・・・火属性を獲得した光線呪文か。さっきの呪文を完成させた途端に出てきた呪文だな」


「あれ、結構強い?」


 なんなら完成した《ブレイフト》より強い。

 投擲した瞬間タイムラグなしで突き刺さったからかビュウスも対応できなかったみたいだ。

 まさかあれだけソニスに扱き下ろされた光スキルに光が当たるなんて・・・・・・ 

 まあ、単体じゃなくて火スキルとの複合なんだろうけどね。


「でも、結構強い呪文だから《ブレイフト》って呪文程では無いにせよかなりのエネルギーを消耗するはずだ。連射出来ると思わない方が良いぞ」


「えっと・・・・・・ビュウスには悪いんだけど私のエネルギーは妖精さんに最大呪文を連射しても枯渇しないって言われてるから普通に連射出来るんだ」


 ソニスと言っても分からないだろうから妖精とここは言っておこう。

 本の中の世界にしか居ないからビュウスが会う機会は無いだろうしね。


「マジで? だが、強い呪文を連射しているだけではいつまで経っても強くはなれんぞ」


 確かにその通りだね。

 ただでさえ出遅れてるんだ。

 膨大なエネルギー任せで楽すればいたいしっぺ返しはそのうちやってくるだろうね。

 エネルギー量なんて続けてればそのうち私と同じくらいにはなるでしょ。


「分かった。強い呪文の連打でどうにかはしないよ《ブルダ・ケサン》」


 私は二つの剣を召喚し構えた。

 今必要になるのは近接戦の立ち回りだ。

 そのためにも剣を使った立ち回りを覚えないと。


「はは、二刀流か。初心者が二本も剣を使いこなせるのか?」


「訓練だからこそだよ。二つの剣を自在に使いこなせるようになれば必然的に《イブンハズ・サントリ》この浮遊する手も使いこなせるようになる」


 浮遊する手を実際に召喚して見せてみる。

 すでにこの手はさっきの開発の影響で《ブルダ》が適応されるようになっている。

 つまり今後この手の数も増えるわけだ。


「なるほど。その呪文を万全に扱うなら二刀流を極めるのはただの通過点だよな。よし分かった」


 そう言うとビュウスは槍を消した。

 何故と思ってると《ブルダ・ヤサン》と唱えて槍を二本取り出した。


「さっきの操作が効いてる槍じゃ訓練にならん。こっちも二槍流で相手してやる。呪文なしで撃ち込んでこい」

ソニス「なんか既に知ってるはずなのに知らない振りしてるビュウスくんについて気になるかもだけどここでは深くは突っ込まないよ。どうせ本編では知らないことになってるからね。

今回紹介する呪文は《レザスラン》だよ。《ブレイフト》を紹介したいけど未完成呪文はちょっと解説するのは無理があったから勘弁してね。

レザは収束光、スランは槍という意味だよ。ちなみに説明し忘れてたけどスランは槍と言うよりどちらかというと槍状にするという意味だからねルドソっていうスランに非常によく似た意味合いの言葉があるしね。こっちは剣、剣状のという形だね。

そしてレザは火と光の複合によって生まれた光で焼き切る属性だよ。だから結局単体では微妙という評価は免れないと言うね。複合するとやばいことになるから強いスキルではあるんだけどね。

と言うわけで今回の解説はここまで。また見てね」

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