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第十話 ビュウスとピクニック

 PKが全員消し飛んだ後ビュウスと一緒に食事をすることにした。

 まあ、色々話すなら落ち着いてからの方が良いからね。

 簡単に机を用意して弁当として用意したサンドイッチを分けて食べることにした。


「にしてもビュウスはなんで私がここに居ると思ったの?」


「ホムラとフィルなら最初に森を選ぶと思ったからな。そして何かを作るとなれば水辺付近だろと言うことで探してたんだよ。まあ初日に大爆発がおきてその方向に向かってる最中にお前が吹き飛ばされてるのを見かけたから飛んでいった方向を散策したらこの建築途中の建物があった訳だよ。間違いなくこの付近で本の世界に戻ってると思ったから明日会えるようにここで落ちたわけだな」


 なるほどね。

 ってことは初日の大爆発の地点でビュウスと合流できるフラグが立ってたわけね。

 それが二度目の爆発による逃走で私の姿を認識して私の拠点付近で本の世界に帰ったわけね。


「でも、結構遅くにINしたけどなんですぐに出てこなかったの?」


「あ~新しい呪文が出来てそれの解読の為に夜更かしして・・・・・・寝坊したってだけの話だ。呪文が出たら完全解読しなきゃ気が済まないんだよ」


 あ~道理で呪文の威力が高いわけだよ。

 と言うよりあの暗号みたいな意味分からない文を完全解読したんだ。

 凄すぎでしょ。

 こういうこだわりを持ってるわけだし今持ってる全ての呪文は完全解読済なんだろうね。


 解読しながら呪文を撃ったりしてどういう呪文なのかを深く理解しているんだろう。

 というか、クラフトゲームに特定の条件に収めたモンスターを戦わせるという大会があるけどそういうのでも基本的にトップの成績を収めてるしね。優勝経験も何度もある。

 色々徹底的に研究して細かいところまで試行錯誤してるからね。

 そりゃこんな事が出来るビュウスが本気出せばここまで強くなるよねって話だよ。


「にしてもビュウスっていくつ呪文持ってるの?」


「スキルは五つで呪文は十六個だな。風のスキルは《ヒュフト》から《ヒュスブレ》、雷は《リビフト》から《リビシル》で合計七つに《ヒュフト》を改良した・・・・・・」


「いやいや、詳細まで言わなくて良いから」


 まあ、分かっては居たけどビュウスは風と雷のスキルを持ってるみたいだね。

 後は操作のスキルと残りの二つって所かな。

 にしても・・・・・・


「《ヒュフト》を改良って聞こえたけど・・・・・・呪文の改良なんて出来るの?」


「出来るぞ。まあシンプルに射出させずにそのまま叩きつける《ヒュダァス》って呪文が派生する形で新たに獲得できたからな。まあ文字通り風すら纏ってない空気の球を叩きつけるだけの呪文だから正直弱いけどな」


 空気の球を叩きつけるだけって・・・・・

 ひょっとして《ヒュフト》って風の球じゃなくて空気の球を飛ばす呪文だったの?

 まあ、ぱっと見分からないし間違えるのも仕方ないよね。


「にしても、呪文の改良してないって一週間何やってたんだ?お前なら二日目までに気がつきそうな物だが・・・・・・」


「あ、うん。正式サービスが始まる直前に気がついたからその間ずっとINしてなかったんだ」


 そりゃ一週間も出遅れてるんだしかなり差が付いてるよね。

 と言うより始まる前から呪文増やせたんだね。

 まあ、実際に存在するものだったわけだしその辺は当然なのかもね。

 なんで制限がかけられてないのかという疑問はあるけども・・・・・・


「あ~・・・・・・・道理であの程度の輩に苦戦するわけだ。てっきり・・・・・・いや、何でも無い」


「てっきり? もしかしてだけどビュウスもゲームのこれを知ってるの?」


 私はビュウスの目の前で手のひらをくるりと回転させた。

 普通なら意味不明な行動だろうけど知っているのなら察することが出来るはず。


「妖精から全部聞いているんだな。なら黙秘する必要は無いか。俺はてっきりロギの奴みたいに品物をガンガン購入しまくって生産しまくってると思ってたんだよ」


「あ~あの一週間で明かされてたら物作りも解禁されてたわけね」


 品物に困ってるわけだしそれなら最初から作れる人には解禁しちゃってもいいという考えなんだろうね。

 まあ明らかにロギロスが作った代物があったしね。


 どうやってこんな短期間でって思ったけど一週間の間に自分の本の中の世界に工房を作り上げてるんだろうね。水の調達とかは多分水スキルで水を産み出すとかしてどうにかしてるんだろうね。

 本人の好み的に土、水、雷、氷の三つのスキルを全部ぶち込むと思うしね。


「ってことは、私ってだいぶ出遅れてる?」


「だろうな。そもそもあの買い物で武器の外見を見れないからお前が作った物なのかとか実際購入してみるまで分からないからお前が武器を売りさばいてないことには気がつけなかったよ」


 あ~だからロギロスが物を売ってるのに気がついたのに私が武器とか防具を売ってないことに気がつかなかったわけだね。

 ロギロスの商品名は正直わかりやすい所があるから実物見ないでも分かるもんね。

 というかこんな初期に機械系の代物作ってるのなんてロギロスくらいしか居ないでしょ。

 普通は作れないよ。私でもここから機械系の代物作ろうとしたら生産重視でも一月はかかる。

 クラフトゲームでも速攻で機械を作り出してるしね。

 材料を手に入れることが出来れば一日で機械作りが出来る環境を整えると断言できるよ。


 でもそうなるとロギロスは今頃やばいもの作ってそうだね。

 ・・・・・・その暴走を止められそうな私とビュウスがここに居るからかなりやばいことになってそう。

 セルフィスはまあ止められないだろうし、シャウラはむしろ一緒になって暴走しそうだし・・・・・・


「・・・・・・ロギロスが大暴れしてるという情報は入ってる?」


「多分あいつが選んだ開始地点は鉱山だろ。開始地点の鉱山はこの森から結構離れてるらしいから少なくとも暴走しても俺達の耳には入ってこない。結界も相まって物理的にそこまで行く手段が無いからな」


 そういえばボス魔物を倒さないとエリアは広がらないんだったね。

 よくよく考えれば安全地帯がひとかたまりになってるわけ無いよね。

 なんせ滅びかけた世界をゲームとして成り立たせるために結界を張ってるって話だしね。


「ここが現実だと知った今、ロギロスがあのゲームみたいに大暴れしたら」


「流石にやばいだろ。生き残りの人間も居るらしいがどこに居るかは知らないし巻き添えで殺してもおかしくは無い」


 ロギロスのことだから生き残りの人間が巻き添え食らうかもしれないという考えが無い可能性は非常に高い。

 急いで止めに行かないと手遅れになりそうだね。


「完全に出遅れたのが痛すぎる。流石にビュウスも武器なしじゃ・・・・・・」


「きついな。ボスのゴリラと一度対峙したがあれは流石に武器防具なしでは厳しいだろう。しかも未発見のイノシシにオオカミとゴブリンがいるしな。ホムラは知らないかもだがボス魔物は一匹だけじゃ無くて、ブレイズコング、テンペストボア、メタルウルフ、オーシャンゴブリンナイトの四種を倒さなきゃエリアは開放されないんだ。しかもどう考えても防御特化じゃない奴に呪文が通用しなかったんだよな」


 ・・・・・・ボス魔物って一匹じゃ無いの!?

 ってことは私が戦ったのは恐らくテンペストボア・・・・・・

 名前の地点で固そうなメタルウルフでも無いのに攻撃が通ってないんだよね。

 これは武器なしじゃ厳しいというのも分かる気がするよ。


「もしかしてビュウスがわざわざ開始地点を森にしたのって」


「お前に武器を作って貰うためだ。ロギロスは俺から逃げるためにあえて別の場所を選んでもおかしくは無い。確実に捕まえられないしなら強い武器を作って貰ってエリア解放して探した方がまだ楽だろ」


 確かに、ロギロスならやりそうだね。

 にしても、完全に失念してたよ。

 ゲームじゃないと知った地点でロギロスの暴走について懸念しておくべきだった。

 いや、始まって間もないからそこまで酷いことになるとは思ってなかったんだ。

 でも買ったあの機械見て気がつくべきだった。

 もう結構技術発展を進めてることに・・・・・・


「だから頼む、武器を作ってくれ。襲ってくるPKどもは返り討ちにするからさ」

ソニス「さて、今回紹介するのは《シル》系の呪文だよ。

現在出てきてるのは《ヒュシル》だけだね。シルは盾の意味があるから空気の盾という意味だね。

でも空気の盾って何の意味があるのって話になるよね。でもこれは空気を遮断するという特性があるんだ。つまり荒れ狂う風から身を守るための盾ってことだね。前方向にしか展開できないから意味ないけどね。一方向から吹き荒れる暴風なんかを防ぐのには便利かもね。

他の属性の《シル》系はまた使い方異なるから登場したら説明することにするね。

それじゃあ今回の解説はここまで。それじゃまたね」

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