表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

第四話 試した

ブックマーク登録をしてくださった方、ありがとうございます!

 ……………声は聞こえなくなった、今の何だったんだ?ホントに神様?だったら何でオレの質問に答えた?

 まぁいいか、聞きたいこと聞けたから早速試してみるか。

 とは言ったもののどう試すか。

 何か大抵のことは何でも出来るみたいに言ってたけど。

 拳を振るえば最強の格闘家か…。

 オレはとりあえず一番近くにある木に歩み寄る。

 どこにでもあるような普通の木、決して四歳児が素手で倒せるような物じゃない。

 オレはこの木に向かって思い切ったように目を瞑ってギュッと握り絞めた右拳を……突き出すッ!!


 ………ん?何も起こらない?

 拳を叩き付けた音もしない、そもそも殴った感触が拳に伝わらない…えっ?外した?この距離で?

 ゆっくりと目を開けてみると…。



 オレの手が木を貫通してた。



 ………うん…マジか?

 木から腕を抜いてその穴を見てみる。

 穴の断面が綺麗だ、突き破ったと言うより刃物でくり抜いたような綺麗な穴が貫通して空いてる。

 えっ…これオレがやったの?拳だけで?

 オレは良くて木が折れたり、悪くて何も起きないのを予想してたんだが…。

 これは予想外過ぎる、まるで拳に当たった物が消滅したような…ん?


 そこでオレはあることに気が付いた。

 オレの腕はまだ四歳児とあって当然短い。

 そしてオレが今殴った木は結構太い。

 どれだけ太いかというと、直径がオレの腕より長いくらい太い。

 なのにどうして穴は貫通してた?拳は貫通してないはずだが…。

 木の反対側に廻って穴を見てみる…うん、穴は完全に貫通している。

 拳の延長線上にあるもの消滅した?んなまさか…って…。


 オレはそこで嫌な予感がした。

 拳の延長線上にある物が消滅…まさか。

 オレは恐る恐る後ろを振り向いてみた。



 数メートル先にある教会本堂の壁。



 そこに…。



 綺麗な穴が。



 …………………………やっちまった。


 本堂の反対側に廻って確認してみるとそこにも綺麗な穴が…マジか。

 オレの拳の衝撃は木どころか教会の本堂も貫通していたらしい。

 いや、この様子だと衝撃はまだまだ続いているかもしれない。

 …やめよう、これ以上考えるのは。

 幸い此処の教会は高い丘の上にあるから、もし衝撃が続いているとしても町の建物の少し上を通っているはず。

 精々この王都を囲む高い城壁に当たるぐらい…のはず…だと良いなぁ…。



 その翌日、こんな会話が聞こえた。


「ねぇ聞いた?今朝の騒ぎ」


「ん?何かあったの?」


「なんかね、駆け出しの冒険者のパーティがワイバーンの死体を持って帰ったんだって」


「えッ?ワイバーンって…倒すのに中隊クラスの軍が必要なレベルのはずじゃ…もしかして凄い将来有望なパーティとか?」


「いや全然、普通の駆け出しレベルらしいよ」


「えッ…じゃあ何で…」


「そのワイバーン、見つけた時には既に死体だったんだって」


「えッ?死んでたの?でもワイバーンって東の森で一番強いモンスターじゃ…」


「うん、だからもしかしたら東の森にワイバーンより強い危険なモンスターが現れたのかもしれないって、みんな噂してたよ」


「怖いわねぇ…」


「しばらく東の森は立ち入り禁止になるかもしれないわね」


 見習いシスター二人がそんな会話してた。

 因みにオレが昨日、拳を撃った方角は確か東…まさかな。

 もしワイバーンを倒した原因がオレだったとしたらオレのレベルは上がってるはず。

 そう考えて自分のレベルを確認してみると…。



【名前】エクト Lv.34



 …………………………上がっとる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ