★第3話 一人目の信者
「馬鹿だろてめぇ! 俺達相手に殺すだって?」
「こいつ頭イカレてんじゃないか?」
「バカが、面白れぇ!死んで後悔するといいぜ!」
その言葉を最後に男たちは地面に倒れ込んでいた。
僕はこんなやつらに時間を割いているのが無駄に感じたから、しらたまではなくゆれだまを使った。
自分が殺人という行為を犯したことに気持ちが全く動いていないのに気がついた。
精神的に耐えられなくなり、ここで、吐いたりするのが、僕の異世界物小説知識である。
オークの時も感じたが、天使体質が発動して、吐き気などを感じないようになっているのだろう。
もしかしたら、剣で切り刻んだわけでもなく、血を見たりなどのグロテスクシーンがないから平気なのかもしれない。
もしかして、僕って、サイコパス??笑
今後もゆれだま。しらたまで倒そうと思う。
血しぶきとか苦手だし。
昔、指を切って血があふれ出して、なかなか止まらない恐怖で気を失ったからな。
男って女性に比べて血に弱い人、多いらしいよ?(真顔)
ぴくりともしない5人の男達を見下ろしながら収納と言って5人の武器と防具をエンジェルバッグで異次元空間に収納した。
人間はモンスターじゃないから自動で収納されない。
「助けて下さりありがとうございます」
「はい。どういたしましてです。その腕ないと不便ですよね?治してみますね」
治癒理法ランクSSで覚える身体の欠損をも治すことができる『エンジェルヒール』を女性に使った。
『エンジェルヒール』
・蘇生以外すべて回復する治癒理法
【情報】で分かったことだが、治癒理法を覚えている人は、水魔法を覚えていることが多いみたいだ。
女性は自分の身体を見つめる。
欠損していた腕を触り
「あたたかい。しあわせな気持ち。えっ!?!?!?手がある。なんで……。」
『ジュルジュル』
鼻水をすする音がする。
顔が見る見るうちにクシャクシャになっていく。
「ふぇぇぇぇん、わたし、わたし、もう、だめかと……。」
思った通り、女性が泣き出した。
ところどころ破け薄汚れた服で、涙をぬぐう女性。
拭いても拭いても涙や鼻水は止まらない。
泣いちゃった。大泣きだ。水たまりができるのではないだろうか。
というほどの泣きっぷりである。
☆☆☆☆☆☆☆
泣き止むと女性は自己紹介をはじめた。
「私の名前はミーシャといいます。助けて下さり本当にありがとうございます。腕まで治して頂いて感謝してもしきれません」
【ミーシャさんの過去】
ミーシャさんは小さいときに村で一緒に住んでいた親から、奴隷商に売られたらしい。
ご主人様(当時)に買われたあとは、戦闘奴隷として働かされ、左腕は戦闘の際にウルフに噛まれて欠損してしまったとのこと。
そして、買われては売られてを繰り返し変わる変わる奴隷主を変えて最近、ご主人様(当時)が死亡したのを好機にここまで逃げてきた(ご主人様が死んだら自動的に奴隷紋章がきえるみたいだ)のだが、男5人組に偶然みつかり、襲われそうになったのだという。
そして、ミーシャさんは僕の信者になることになった。
左腕を治してくれた僕の為にお世話をしたいとのことだ。
「えっと、可愛い女性が側にいてくれるのは、それだけで幸せだね。目の保養にもなるし」
あっ……。
口に出すつもりはなかったのだが、つい口に出してしまっていた。
何度も言うけど1人の時間が長いと、独り言増えるよね?
3時間も1人で馬車道歩いてたからね笑
天使の翼で飛行練習がてら動いてたから、なかなか前に進まなかったし笑
空中で一回転とかして遊んでいた。
昼間なのにこうもりがめっちゃ動き方をレクチャー??してくれた(笑)
愛嬌のあるこうもりだった笑
かわちい。
「可愛いだなんて……。」
顔を真っ赤にして、心底嬉しそうな顔をするミーシャさん。
可愛いなんて言われなれてるわけないよね。
僕も言い慣れていないからお互い様だよ。
僕は、ミーシャさんに
①僕の情報を安易に他人に教えないこと
をお願いした。
【ステータス】
名前:ミーシャ
性別:女
年齢:18
種族:人間
L V: 8
体力: F→D
魔力: F→D
魔攻撃力: F→D
攻撃力:F→D
防御力: F→D
俊敏力: D→B
スキル: 剣術 F→C
魔法:
称号:勇越の信者
加護: (勇越の加護)
→加護により