第29話 スラム街と孤児院
俺とミーシャさんは畑地を抜けて、スラム街で子供3人とその母親3人を見つけて、雇うことにした。
回復魔法で小さな切り傷や比較的大きめのケガ、体調不良などについても治してあげたあと、その6人に1万moneyずつ渡した。
洋服などを買ってから、孤児院の前まで来てもらうように伝えた。
『別に奴隷ではないから、拘束手段もないので、逃げても構いませんよ?』
と伝えたら
『そんなことはしません』
と顔を横に振っていた。
そして、孤児院に向かった。
孤児院に入ると、子どもたちが、悲しそうな顔をして、座っていた。
ミーシャさんと俺は、大人の人はいないかな?と聞いて孤児院の中を見回った。
俺達が、奥の部屋に入ろうとすると
「その部屋はダメ」
孤児院の女の子が、俺の前に来て部屋に入れないように通せんぼする。
俺は、その女の子に、いちごのアメをあげて、喜んで舐めている際に部屋に入った。
『それにしても、家宅侵入罪だな(笑)』
ドアノブが壊れて、カギがかけれないような状態になっていた部屋の扉を開けると孤児院の大人の人であろう、18歳くらいの女性が、床に布を敷いて苦しそうにゴホゴホと咳をしていた。
風邪か病気なのだろう。
「その女性、治せますよね??」
ミーシャさんが心配そうに俺の顔を見た。
「あぁ、大丈夫だと思います。任せてください」
この世に絶対など無いと俺は思っている。
だけど、ミーシャさんの腕を復活、治せるような回復魔法で死者蘇生以外にできないことはないと確信もしている。
俺は、超鑑定改で、女性のステータスを確認した。
マリアーニャという名前のようで、年齢も俺の予想通り、地球年齢で18歳だ。
鮮やかできれいな良心の持ち主のようである。
症状は、栄養失調で主にビタミン不足、体力低下、風邪で熱39度、解熱薬・栄養剤あるいは、回復魔法の使用を、オススメしますと記されていた。
「クイーンヒール」
回復魔法を、使っているアピールのために、口に出した。
Sランク回復魔法を使わない理由は、クイーンヒールで事足りる旨、超鑑定改で表示されたから。
俺は、Aランクの回復魔法クイーンヒールを使い、熱を平熱になおし、風邪の病原菌も退治した。
マリアーニャさんは苦しみから開放されたのであろう。
幾ばくか顔色も先程より良さそうだ。
「風邪は治りましたか?」
ミーシャさんが俺に聞いてくる。
「ある程度、安静に休んでもらって、栄養失調で主にビタミンが、足りていないから、栄養剤を飲まして、畑地で採れたくだものを食べさせれば大丈夫だと思います。ミーシャさん、畑地まで、くだもの取ってきてもらっても良いですか?これ、あとで渡そうと思っていました、アクアマリンを埋め込んだアイテム袋です。これに入れてきてください」
「分かりました。比較的速やかに、行って参ります。プレゼント嬉しいです。ありがとうございます。大切に使います」
俺がたまに、変な言葉選びをするからだろう。
ミーシャさんが、比較的速やかに、などという言葉を発した(笑)
ミーシャさんが嬉しそうに出ていくと、孤児院の子たちも、マリアーニャさんの部屋に入ってきた。
「おねぇちゃん。マリアーニャおねぇちゃん。大丈夫?」
「大丈夫よ、そこのお兄さんが回復魔法で風邪を治してくれたみたいだから」
「「「お兄さん、ありがとう」」」
8歳から13歳くらいの孤児院の子たち(栄養が足りていないのであろう、超鑑定改で確認すると、みんな栄養失調となっていた)は、口々にお礼を言った。
「すみません。風邪を治してくれたお兄さん。あのですね、、、私や、この孤児院には、風邪を治していただいたお金を支払う余裕がありません。差し出せる物は私の、身体くらいしかありません」
マリアーニャさんは、そう言って、俺を見る。
ミーシャさんと言い、この人と言い、
何故(・・?その様な発想になるのだろうか?
疑問を覚える。
異世界物の小説ではよくあることだけど。
ふと思ったけど、ここで主人公が、『それじゃぁ、身体をおいしくいただきましょう』という返答をみたことがない。
小説家もそのようなストーリーにしたほうが描きやすいのだろうか?_
「お金はいりませんし、あなたの身体もいりませんよ。それよりも、お願いがあるのですが」
お金は別の手段で全然得ることが可能だし、身体も特別求めていない。
性欲がないというわけではないが、彼女になった人としかそういうことしたくないというポリシーがある。
ワンナイトラブ ONE NIGHT LOVE とか巷では聞くがそういうのは軽蔑の対象だ。
意味が分からない。
「本当にすみません。ですよね、私の、身体じゃ満足していただけませんよね?大きな胸しか取り柄のない私では」
マリアーニャさんは落ち込んでいる。
『大きな胸は、人によっては取り柄のひとつなのですよ?』
とは言えず、気不味い雰囲気になりそうだったので、戸惑いながらも言葉を続けた。
「あっ、それよりも、先にこのお薬を飲んでください。栄養がつきますから。元気になれますよ」
俺はマリアーニャさんと、孤児院の子たちに栄養剤を渡した。
栄養剤、ビタミン剤である。
「「「ありがとう、お兄さん」」」
孤児院の子たちに井戸水を注いできてもらった。
「ありがとうございます。お薬は高価なものです。嬉しいです。ありがとうございます。あっ、名前言うのわすていました。私の名前はマリアーニャといいます。」
マリアーニャさんが自己紹介したので、俺は自らの名前を『勇越』と、名乗った。
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