★★★第96話 三雲 春 の旅③呪滅デリート/デーモン教ゾアロ
追加話です!!
「見えてきたのだ。やっと、チャーム街に到着なのだ」
原因不明の病に伏せているソイルさんの父親。
自身の領地である村ではなく治療院のあるチャーム街の屋敷にいるようだ。
馬車の小窓を開けて、チャーム街を指差すソイルさん。
チャーム街にはチャーム魔法学院があるためか魔法使いが多いのであろう、街門の高台から魔法使いの姿が複数見える。
チャーム街の門番の門騎士にも、魔法使いが含まれているようだ。
始まりの街、セカドの街、サドンの街、フォスンの街を見てきたが、魔法使いが常駐しているであろう状況は初めて見る。
門には、貴族用とそれ以外用の門があり、大魔法爵のご令嬢の馬車は、貴族用を通ったため、普段のように待ち時間を味わうことなくすんなりと街の中へと入ることができたようだ。
先行する単騎馬に乗った騎士の後を馬車が進む。
貴族は、上級層エリアに住んでいるため、街の中に入ってからも馬車から降りるまでに時間がかかる。
「あっ、すごいぅ。可愛いドレスだぅ」
チャームの街は魔法学園があり、そして、ファッション、アクセサリー関係にて栄えている街だ。
今まで訪れた街に比べて、娼館(しょうかん/キャバクラ)が多い。
お客がキャバクラ嬢に貢ぐため、ファッションアクセサリーがよく売れる。
因みに、現在のチャームの街の領主は魔族で、魅了魔法の最優秀使い手サキュパスと人間のハーフでとてつもなく可愛いらしい。
マップ魔法にて、調べた。
下級層エリア、中級層エリア、上級層エリアと馬車は進んでいく。
各層エリアに門があり、2つ門を通り、馬車は大きな屋敷の前に到着した。
門にて、六人の騎士門番たちが、3人、3人にて左右に立って警備をしている。
「ただいまなのだ」
「お嬢さま、お疲れ様でございます」
ソルトさんの言葉に1人の門騎士が言葉を返す。
門をくぐり、屋敷までの庭を進んでいく。
あっ、庭に噴水があった。
セカドの街の領主邸ヴァンラッディさんのところよりも噴水は小さいが、普通の家に噴水などないから、すごいなーと感心する。
進むこと数分後、屋敷の玄関扉前に馬車が停まる。
マリアナさんが馬車のドアを開けて、ソルトさんが馬車を降りる。
「ただいまなのだー」
「ソルトお嬢様、おかえりなさいませ」
ソルトさんが降り玄関扉の前へ進む。
警備の騎士が、扉を開けるとメイドさんと執事さんがお出迎えをする。
「ソルト、おかえりなさい」
「母上ただいまなのだ」
ソルトさんは身なりの整った美しく綺麗上品な女性を見つけると走っていき抱きつく。
「無事に帰ってきてくれて母は嬉しいわ。早馬に知らせを聞いたときには心臓が止まるかと思ったのだから」
ソルトさんを優しく抱きしめる女性。
「母上、大丈夫なのだりソイルは、ケガひとつないのだ」
「良かった。本当に良かったわ」
ソルトさんの母親。
ソルトさんと同じ茶色の髪だ優しそうな顔をしている。
「あなたですね。助けてくださったのは」
ソルトさんの母親は、春ちゃんを見つけるとソルトさんから離れて近づいて来た。
「はるぅがたすけたぅ」
春ちゃんは、ソルトさんと、娘の感動の再会を見ながらマシュマロを食べている。
「感謝します。ありがとう」
そう言いながら、女性は春ちゃんにほほえんだ。
「どぅいたしましてぅ」
「私の名前は、ソアラ・マジックフォン・スナサンドよ。皆を、モンスターから助けてくれて本当にありがとう」
「はるぅの名前ははるぅ」
★★★★★★★
「修行をしていたときに、偶然、気づいてソイルのピンチを助けてくれたのね」
ちょうどティータイムの時間帯のため、美味しい紅茶をいただくことになった春ちゃん。
「そうだぅ」
はちみつ入りの甘い紅茶を更に砂糖を入れて甘くして飲んでいる春ちゃん。
「母上、父上、眠っておられました」
ソイルさんがティータイムの部屋にやってきた。
「薬が効いてぐっすり寝ているのね。ソイルが帰ってくる30分前くらいに、ムーマと名乗る冒険者が最上級ポーションを持って来てくれたの」
「ムーマぅ?」
あっ、俺が助けに行くこと、LIVE魔法で春ちゃんにコメントして知らせとけばよかったな。
まぁ、いっか笑
「その方は、最近、有名なSランク商人のユウエツさんの知り合いの方らしいわ。女性の私も惚れ惚れするさらさらな綺麗な金髪で瞳の色がルビーのような赤色とサファイアような青色のオッドアイ。身長は180cmと大きく隙のない佇まいの冒険者さんだったわ」
『さっき、行って来たよー』
と春ちゃんにコメントした。
「流石、Sランク商人よね。情報力と行動力がすごいと思ったわ。私の夫が原因不明の病に伏せってると聞いて、速やかにお薬大国のムント王国に魔導船を走らせてくれたみたいなの」
★★★★★★★
春ちゃんたちが到着する30分前。
「あなた、お客様をお連れしましたわ」
「ゴホッゴホ。ソアラ、愛しきソアラ。可愛い顔を見せておくれ。あー、もう、俺はダメかもしれん」
キングサイズのベッドにて苦しんでいる男性の姿。
「冒険者のムーマと申します。Sランク商人ユウエツ殿の、使いでまいりました。こちら最上級ポーションとユウエツ殿からお預かりした手紙でございます」
Dランク冒険者ムーマの姿でやってきた俺。
俺の渡した手紙を読む男性。
読み終えると、最上級ポーションのふたを開けて、ゆっくりと飲み始めた。
とりあえず、最上級ポーションで体力を回復させる。
超鑑定改を見る限り、最上級ポーションでは治らないみたいなので、創造スキルを発動。
『呪滅(じゅめつ/デリート)魔法ランクSS」
解呪魔法の上位互換
のろいを解く。
男性はデーモン教の信者によって重度の呪いにかけられていたようだ。
超鑑定改を見るにAランクの呪い。
無事、デリートにより解呪に成功した。
【のろいの解呪方法】
解呪用の特性の薬の使用
解呪魔法の使用
呪術者の死亡
呪術者の任意の解除
の4点があげられるらしい。
【デーモン教】
デーモン教とは、自身の生命と引き換え(ゾインプと呼ばれる行為)に、亡き者となっている過去の魔族を呼びだし世界を破滅へと導こうとしている呪術者集団。
デーモン教は、人を呪いにかけ、長期的にじっくりと弱らせて、呪いからゾアロと呼ばれる呪いのオーラを抽出する。
そのオーラを抽出した者は、ゾインプの際に強き過去魔族を呼び出せると言われている。
★★★★★★★
「お待たせしましたー」
春ちゃんがティータイムを満喫していると、マリアナさんが、布袋を持ってやってきた。
「こちらモンスターから助けていただいたお礼です」
ソアラさんがお礼の言葉を述べるとマリアナさんがmoney硬貨の入った布袋をテーブルの上に置く。
上の方に見えている硬貨は金色だ。
全て金貨ならば結構な金額となるだろうと思う。
★★★★★★★
お金をいただいたあと、春ちゃんこの街にある魔法学院のことや、ソイルさんの魔法学院の制服ショーを見た後、屋敷を出ることに。
「また遊びに来て欲しいのだ」
ソイルさんたちに見送られながら春ちゃんは、屋敷を後にした。




