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霊感探偵達の物語  作者: 秋月煉
絆が紡ぐ純愛歌
76/78

3ー24

お待たせ致しました☆

今日は、状況整理の話です。

白木さんが応急措置に借りた部屋へ向かったのですが、直ぐに清流院さんが出てきました。どうやら、水島くんの措置は終わったみたいですね。清流院さん、いつの間にかスーツ姿になっていて、珍しい感じがします。似合ってますけどね。


「おや、ちょうど良かった、白木さん、美鈴さん、申し訳ありませんが、水島くんは離脱させます、私は送ったら帰ってきますが、・・・彼、骨折の疑いがありまして」


さらりと告げた清流院さんに、白木さんも私も、驚きました。


「はぁ!?」


「えっ!? 大丈夫なんですか!?」


怪我をしているのは分かってましたが、普通に動いてましたよ!? 水島くん、骨折してたんですか!?


「ですから、病院へ送っていきます」


冷静な清流院さんに、我々は頷くしかありません。


「ヒビだとは思うんですが、怪しいので」


普段は優しい清流院さんですが、今はちょっと怖いと感じます。いつもと変わらない、優しい雰囲気ではありますが、何と言えばいいんでしょうか? そう、凄み、のような物を感じるんです。


「あぁ、あちらには今、雅君たちが居ますよ、会話くらいなら大丈夫なようですから、中に入って聞いてみて下さい、今後の作業についても、話し合いは必要でしょう?」


確かに必要な事なんですが、何でしょうか? ちょっと、違和感があります。


「では、私は一度、抜けますね、水島くんを預けたら、直ぐに戻って来ますので」


颯爽と出ていった清流院さんに、止める事は出来ませんでした。だって、雅君が気になってしまって。私が居た時に、胸を押さえて、苦しそうにしていた姿が、私の脳裏に蘇ります。


「・・・あら? 清流院さんて、免許有りました?」


「必要になって、取ったらしいよ? 最近は、免除無いと困る事も増えたしね~」


成る程。着物姿での運転は危ないですからね。だから、スーツ姿だった訳ですか。


「あー、取り敢えず、入ってみるか?」


白木さん、清流院さんが出てきたのとは違う扉に、さっさとノックしちゃいます。えっ!? 待って下さい! まだ、心の準備が!! 私を待たず、白木さんはあっさりしてました。


「失礼しまーす、今、大丈夫ですかー?」


間延びした気が抜けたような話し方は、わざとでしょうね。恐らく、中の空気が分からないから。声をかけると、何だかバタバタした後、扉が少し開きました。


「・・・白木か」


顔を出したのは、龍崎さん。こころなしか、顔が少しだけ、ホッとした物でした。中で何かあったのでしょうか?


「美鈴ちゃんも居ますよー? 良かったら、今後の相談とかしたいんですけどー?」


「あぁ、そうだな・・・・・取り敢えず、入ってくれ」


促されて入った先には、タイルの床に直接、毛布を引いた上に、雅くんが身を起こしている状態で、此方を見ていました。隣には、支えるようにした、真由合さんが居ます。相当、発作は辛い物だったはずです。未だに、身代わりのお札があるのが、その証だと思います。


「雅さま、今後の話し合いをしたいのですが」


「うん、大丈夫だよ」


龍ヶ崎さんに頷いた雅くん。話す分には問題ないようです。


「元気そうで良かったですー、取り敢えず、一度、状況を整理しましょうー、ぶっちゃけ、状況がぐちゃぐちゃで、俺も分かんないすよねー」


白木さんの提案に、全員が頷きました。今回は、ハプニングに後出し情報が満載の案件です。やはり、一度は情報を整理したいです。


「まずは、花嫁衣装だね」


これは、最初は私と雅くん、龍崎さんと矢上さんで、依頼をこなす筈でした。純粋な鑑定のみ、の筈でしたが、実際には、キラキラした希望が沢山付いていて、昔の女性が居て、鑑定は拒絶。更には、女性は家の花嫁に取り憑き、成り代わっていました。今は、御札を貼った花嫁衣装を仕舞う箱に、静かに入っています。

謂れは、代々の『幸せの花嫁』に使われた物だったそうです。が、着ない花嫁は、不幸になるようです。

そして、もうひとつの依頼が、此方の歴史博物館からの依頼です。お祓いの予定でしたが、予想外に強い相手で、真由合さんが負傷して、我々も急遽此方へ合流しました。


「まさか、美鈴があっさりと、浄化しちゃうなんてねぇ・・・」


呆れたように、真由合さんに言われましたが、これは不可抗力です!!

とはいえ、どれが浄化対象かは分かりましたから、結果オーライでしょう・・・。だって、まさか、触っただけで浄化されちゃうなんて、誰が思いますか!?

無情にも、私の内心を置いてきぼりのまま、龍崎さんが話を進めていきます。


「原因は、印籠・・・どちらも同じ家からの、同時期の作だ」


印籠は、何かの意思があるのか、御札を貼る事も、また、浄化も叶いませんでした。しかし、これにより、花嫁衣装との関連が判明したのです。何か、繋がりがあると。

と、ここで、白木さんが少し手を上げます。一気に視線が自分に集中し、ビックリはしていましたが、直ぐに口を開きます。今度は、ふざけた口調では、ありませんでした。


「なぁ、俺等が戦った、あれは何だったんだ? あれも関係あるのか?」


確かに言われてみると、妙にタイミングが良かったように思われます。

しかし、龍崎さんは否定的なようです。


「あれは、偶然にしか思えない、我々の力を嗅ぎ付けて来たように感じたぞ?」


とはいえ、あまりに強すぎたのは、ちょっと引っ掛かります。・・・・・タイミングといい、何か別の意思を感じるんです。

だって、これで皆さん、大なり小なり怪我を負ったのです。


「水島くん、大丈夫でしょうか?」


心配になっちゃいました。


「大丈夫よ、美鈴、あの清流院が連れていったのよ?

 問題なんて起きないわよ」


妙に自信たっぷりの真由合さんに、思わず呆気に取られます。

そんな中で、今まで口を開かなかった雅くんが、初めて口を開きました。


「美鈴、とにかく依頼を遂行しよう、今日は満月・・・会わせてみよう、あの二人を」


間違いなく、関わりがあるのは、既に分かっています。しかし、会わせたからといって、二人は素直に会ってくれるのか、それとも、何か不足の事態になるのかは、我々には分かりません。

今、言えるのは、これが上手くいく事を、願うばかりです。


◇◇◇◇◇


美鈴が白木さんと、部屋に入ってきた。まだ、痛みが消えた訳じゃないけど、上半身は起こした。真由合さんが動いて、支えてくれたから、助かったよ。

でも、話には入らなかった。ちょっと、力が入らない。話はちゃんと聞いてたけどさ。

ーーーーー気付いたのは、少し経ってから。

胸の痛みと、成長痛が、治まってきた。普段なら有り得ない事だから、尚更驚いた。今までは、痛みはしばらく消えなかったのに・・・。

ちらりと、美鈴を見る。変わりはないけど、これも、美鈴の力なんだろうか。

僕が美鈴と行動するのは、美鈴の体質が僕にとっては、特別な物だからだ。


いつか、もしも、もしも、叶うなら・・・・・君に話したい。僕が何故、君と出会ったのか。


そして、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。





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