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霊感探偵達の物語  作者: 秋月煉
推理は挽歌を奏で
43/78

2―9

お待たせしました!

次回は、誠意執筆中です!

side:竜前寺 雅


今回の依頼を受け、皆で色が変わる椿を『視て』いた時。段々と風が強くなってきて、まだ子供の僕は、踏ん張る事が出来なくて、吹き飛ばされそうになっていた。

そんな僕に、強風は容赦なく襲いかかる。明らかに、何かの意志が働いた風だ。


「雅さま!」


真由合さんが、手を差し出してくれて、何とか体を支える事が出来た。そして気付けば、風は嘘のようにピタリと止んでいた。あれだけ吹いていたのに・・・・・。


「何だったんだろう? 今の風・・・」


明らかに意志があるように、吹き荒れていた、あの風。考えこんでいると、真由合さんの困惑した声がした。


「っ! 美鈴が居ないわ・・・!」


えっ? 確かに先程まで、近くにいて、椿を熱心に視ていた美鈴。その姿が、確かに、ない・・・。そう認識した瞬間、顔面から血の気が引いた。


「美鈴、どこに・・・!」


辺りを見渡しても、姿はないし、何よりも先程の風は、何者かの意思を感じた。

もしかして、何処かに連れ去られた・・・・・?

あり得る。美鈴は巫女の血を引く、かなり稀有な存在だ。人と言わず、精霊や神という尊い存在から、霊やあやかしといった存在まで。惹かれる存在は、数多に居るだろう。


「雅くん、落ち着いてーーーーーとにかく、探しましょう、近くにいるかもしれませんし」


清流院さんが、落ち着いた声で提案してくれた。

でも僕は、安心出来ない。先程の意思を感じた風が、僕にはこの出来事と、どうしても無関係とは思えないからだ。だから、焦る気持ちも消えない。焦燥だけが、膨れ上がってきて、不安で不安で仕方ないんだ。


「雅さま、美鈴は絶対に見つけますから、今は落ち着いてください」


真由合さんにまで、力強く言われた。今の僕は、相当酷い顔をしているのかもしれない。


「・・・うん」


何とか頷いたけど、怖くて仕方なかった。力不足・・・、それが頭をよぎる。怖くて、でも悔しくて、無意識に右手を握り締める。


「和尚様、ここで一番古い椿の木は、どちらにあるでしょうか?」


急に真由合さんが、突拍子もない事を和尚様に聞く。今は美鈴を探す事が先じゃ・・・。


「もしも、美鈴がこの地の精霊様に喚ばれたのであれば、その場にいるかもしれませんもの」


あ・・・・・。真由合さんは、ちゃんと考えていたんだ。駄目だ、僕は今、冷静になれそうにない。術者なら、どんな時でも冷静にならなければいけないのに・・・。父や祖父が、嬉々として修行を決行しそうだ。ちょっと視線が黄昏た物になる


「雅さま、大丈夫ですわ、美鈴ですもの」


妙な確信を持って、笑顔でいる真由合さんには悪いが、僕は冷静になれそうにないよ。美鈴を失うかもしれないって思ったら。

和尚様は、僕らの中に漂う空気に困惑しつつも、質問の答えを教えてくれた。


「その、一番古い椿は、一昨年前の嵐で、根から折れてしまいましてな・・・今は無いのですよ」


「なっ・・・」


「えっ・・・」


「そんなっ・・・!」


清流院さん、真由合さん、僕の順番で、口から漏れたのは、驚きだった。期待しただけに、失望も大きいものになる。一族古い椿の木の力は、バカにならないからだ。それが、ない。


「あ、なら、次に古い椿の木は?」


もしかしたら、そんな希望を込めて僕が聞くと、和尚様は少し考えた後、ポンッと手を打った。


「あぁ! ありますよ、この斜面の裏側に」


よしっ! 思わず内心で歓喜した。これで、美鈴を探せる。と、思ったのも束の間。


「あ、雅さま、清流院さんと一緒に、御待ちくださいね」


ウインク付きで、真由合さんに止められた。えっ、僕も探したかったんだけど。


「私もですか?」


意外そうに、清流院さんが言ったけど、これには僕も賛成。清流院さん、今日は着物姿なんだよね。はいてる物も、今時の柄だけど、着物に合う物。険しい場所を歩けるような物じゃない。


「・・・その格好じゃ、無理でしょ?」


呆れをたっぷりと含ませた視線を真由合さんに、流石に自覚はあったらしい清流院さんは、スッと視線を反らした。でも、何で僕まで!? 僕の問う視線に、真由合さんは、とても優しい顔で笑ってた。そう、笑っていたんだけど、目が笑ってない。


「雅さま? ここで御待ちくださいね・・・・?」


「はい!」


即答した。あれは、逆らったら駄目なやつだと、僕は短くない付き合いで、嫌というくらい、学んでいるから。多分、真由合さんの何かの地雷を、僕は踏んでしまったんだと思う。


「では、和尚様、申し訳ないのですが、その2番目の古さの椿の木まで案内をお願い出来ますか?」


「はい、では、ご案内致しましょう」


穏やかに了承した和尚様様は、善は急げとばかりに、真由合さんを連れて、椿の茂みに隠れるようにあった、細い道を歩いていく。まぁ、本日の真由合さんが、山間の寺と言うことで、動きやすい服装だったから、大丈夫だろう。

・・・・・美鈴、大丈夫かな?


「さて、私達は近辺を探しましょうか?」


真由合を消えた方を見つめていた僕は、清流院さんに言われて、後ろ髪引かれつつも、素直に頷いた。



◇◇◇◇◇


side:榊原 真由合



はぁ、まさか、山登りをするなんて・・・。

今日の依頼はお寺から。椿の異常を調べる事だったはずなのに・・・。

何故か気付けば、美鈴が消える事態となったのよね。意味が分からないわよ!!

更に頭に来るのは、思ったよりも奥に、この辺りの椿のドン、もとい、2番目に古い椿がある、かしら? かなり奥に行くみたいで、いくら体力には自信のあるあたしでも、中々に骨が折れるわ。


「御住職? 椿の木は後どれくらいで着きますか?」


思わず聞いてしまうくらいには、疲れてきているみたい。しかし、先を行く御住職は、まーったく疲れてないのか、そんなあたしを見て、苦笑してたわ。くぅ! 悔しい!


「なに、もう、5分程で付きますよ」


穏やかな微笑みに、顔が引きつりそうになる。息すら乱さない御住職は、明らかにご年配の方だろう。・・・・体力で、既に負けてる気がするわ。


「そうそう、聖樹は元気にしておりますか?」


歩きながら、世間話をする気軽さで聞かれたのは、同僚の名前。


「・・・確かに、その名の者はおりますが、失礼ながら、どういったご関係で?」


流石に直ぐに答える訳にはいかず、あたしは素直に聞いたわ。白木聖樹、あたし達の仲間だけど、最近は実家の手伝いが重なって会ってないのよね。


「あぁ、聖樹はわしの孫に当たりましてな、孫の仕事ぶりが気になりましてな」


・・・・・はい?

固まったあたしに、御住職は気づいてなかったけど。あの聖樹が、孫? この御住職の!?


「孫・・・ですか? 彼が?」


思わず唖然としたまま、聞いてしまったわよ。似てないわよ!? 全然!


「ハハハッ、聖樹は、娘が産んだ子でしてな、長男ですから、昔からしっかりはしていたんですが・・・」


何故か憂いの顔の御住職様。これは、聞いたら駄目なやつね。こんな場所で湿っぽい話は駄目だわ。変な奴が寄ってこられても困るもの。


「白木聖樹さんでしたら、お仕事は真面目に行ってますわよ?」


無難な事しか、あたしは言えないわ。当然でしょ? あたしは、雅さまのお付きなのよ。あいつとは、仕事以外では会ったことないから、流石に普段は知らないわ。

それにしても、まだ付かないのかしら? もう5分は、過ぎたわよね!?

今日は推理要素ゼロでお送りしました。

いつもお読み頂きまして、ありがとうございます!

作者の秋月煉です。

何やら、名前だけしか出ていない、未登場キャラの裏設定が先に出てしまいました。おかしいな、白木さんの事は、出てからの予定だったのに。

まぁ、もうすぐ、全員出ますから、皆様、気長にお待ちいただけますと嬉しいです!


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