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霊感探偵達の物語  作者: 秋月煉
推理は挽歌を奏で
40/78

2―6

お待たせしました! 新たな展開です!

side:竜前寺 雅



あの後、静かな美鈴と一緒に、最初に居たショッピングモールに戻ってきた。


「美鈴、雅くん、榊原さん! 本当にありがとう! 気をつけて帰るんだよ!」


結局、美鈴の様子を気にするでもなく、高瀬さんは車に、さっさと乗って帰っていった。事件が解決するのが嬉しいんだろう。が、従兄としては、どうなんだろう? 初めての事だから、分からないけど。いつもじゃないよね・・・?


「美鈴、様子が変だけど、大丈夫・・・?」


明らかに様子がおかしい美鈴に、問いかける。あの写真を触ってから、顔が何処か強ばっているように見える。何より、どこか悲しげな姿に、僕は目が離せなかったんだ。


「写真・・・触った時に、見えたの・・・」


ポツリと呟く美鈴が、小さくため息をついた。まるで、何かを諦めたような、そんな感じがした。


「人が、死んでいくの・・・全部、見えたよ」


悲しげな姿が、僕の心を抉っていく。美鈴が見たのは、写真に写った人物の、過去だろう。美鈴程の能力者は、無意識に読み取ってしまう事がある。今回は、犯人の過去を覗いてしまったのかもしれない。

この様子だと、何度かあったのかもしれない。読んでしまう事が。僕は、何と言えばいいか分からなくて、声がかけられなかった。


「美鈴、それは過去夢よ」


真由合が教えてくれた。触れた人物、物から、過去を読み取ること。決して、優しいだけの夢とは、限らないものだ。


「過去は変えられないわ、どんなに願ってもね、だから私達は未来を良くしようと足掻くのよ?」


クスリと笑みを見せる真由合に、美鈴が僅かに目を見開いた。その後、少しだけ泣きそうに目を細めてから、笑った。とても、とても優しい微笑みで。


「ありがとうございます! 大丈夫です」


その微笑みに、しばし見とれた。初めて見るその微笑みに、視線が離せなかった。心がホカホカする。


「そうだ! 雅くん、真由合さん、まだ時間ありますか?」


急に聞かれて、反射的にうんと頷いていた。実際、問題ないだろう。今日は、1日オフなのだから。


「買い物ありますよね?」


「えぇ、雅さまの物を用意するつもりだったの」


「私も一緒にいいですか?」


「雅さま、構いませんよね?」


にこやかに会話する二人に、僕も勿論、美鈴と一緒に居れるから、素直に頷いた。


「じゃあ、雅くん、買い物にいこっか」


「うん、美鈴」


今は空元気だとしても、僕は美鈴を信じている。きっと彼女なら、乗り越えられるはずだから。

だから今は、楽しい買い物へ、繰り出すだけだ。彼女が、心から笑えるように・・・・・。



◇◇◇◇◇


side:榊原 真由合



二人の楽しそうな会話を聞きながら、ホッとする一方で、従兄という高瀬という男に怒りを覚える。

推理だけさせて、後のフォローも無しに、さっさと帰った、無神経な男。あたしの一番嫌いなタイプだわ。調子がいいにも程がある!!

美鈴は、普通の感性をもつ、力を持ち合わせただけの女の子だ。多感なこの時期に、殺人現場に連れていって、推理だけさせて、後の始末はしない。

本当に、頭に来るわ!!

勿論、表面には出さないわよ? その辺りの分別はあるわ。せっかく、二人が笑顔なんだもの。楽しい空気を壊す気はないわ。

本当、美鈴はいい子過ぎるわ。全部とは言わないけど、一人で抱え込んでしまうタイプね。雅さまに対しても、特に詳しく問う事もしないし。放っておいたら、間違いなく、何かしら面倒事に巻き込まれてそうで、目が離せないタイプね。

と、あたしのスマホが鳴る。相手の欄を見て、眉を潜める。

何でよりにもよって、事務所の所長から? 今日は皆、オフのはずよね?


「もしもし、どうされたんですか?」


せっかくの穏やかな時間を潰された故に、ちょっとだけ口調が刺々しいかもしれないが、気のせいだわ。


『榊原くん、悪いね! オフのところに』


悪びれる様子もなく、いけしゃあしゃあと良く言うわ。霊感持ちを管理する側の所長も、勿論、能力持ち。大体は、分かっていて電話を寄越しているのだから、質が悪いわ。


「ご用件は?」


さっさと切る為に、単刀直入に言ってやる。あたし、そんなに気は長くないの。


『依頼だよ、まぁ、簡単な依頼だから、安心していいよ、悪いんだけど、一緒にいる美鈴ちゃんにも伝えてくれる? 彼女の目が必要だからね』


思わず、目を細める。美鈴の目を必要とする依頼、その時点で、特殊な依頼であるのは直ぐに分かった。美鈴の目は、誰よりも詳しく、その目に映すのだから。勿論、あたしや雅さまも、視る力はある。けれど、美鈴は更に強く視るの。多分、事務所のメンバーの中でも、一番強く視る力があるでしょうね。


「よくお分かりで、・・・・はぁ、分かりました、美鈴にも聞いておきますわ、で、どんな依頼です?」


『うん、ちょっと変な事が起きたらしくてね、山の方に御寺があるでしょう? 椿で有名な』


確かに、山の方に赤い椿が名所になっている、大きな御寺があったわね。でも、そういう場所は大抵、念入りな守りが施されているため、あまりこの業界でも、依頼が来る事は少ないのよね。

そんな場所からの依頼。面倒な匂いがプンプンするわ。


「ありますね、そこで何をすれば?」


『そこの椿が、急に色が変わったらしくて・・・変異の前触れかもしれないので、確認してほしいそうだよ』


思わぬ依頼に、目を見開いたわよ! 最近はめっきり無かった、平和な部類の依頼に、内心ホッとしたわ。ここしばらく、危ない討伐ばかりだったから、心の底から安心したわ。普通は、こういう依頼が多いはずなのよね。


「分かりました、明日で構いませんか?」


『うん、先方にも伝えておくから! あ、悪いけど、清流院くんも行くからね、龍崎くんと白木くん、椎名さんも無理みたいだから』


「・・・・・分かりました、感謝します」


あくまで、あたしは雅さまの護衛。美鈴は祓う方は、からっきしだもの。人手は居た方が、あたしも助かるわ。まぁ、今回は安全な部類の依頼だもの。人手は、これで大丈夫でしょう?


『それじゃ、頼んだよ』


プツリと電話が切れる。多分、明日は美鈴と、清流院さんと一緒に、例の御寺へ向かうんだろうと思いを馳せる。こういう采配が、所長は上手いから・・・・。無理なメンバーは、電話すら来ない。


「たく、楽しい時に、無粋だわ」


でも、二人には言わなければならないし、明日の用意もあるわけで。時間的に、そろそろ帰宅しなければ。

はぁ、憂鬱だわ。

お読み頂きまして、ありがとうございます!

作者の秋月煉です♪

お話は、新たな展開を迎えました。うふふ、推理だけでは、今章は終わりません!

勿論、犯人は分かったと思いますが・・・。

今章の最後辺りに、犯人の名前と動機が判明しますので、それまで気長にお待ちくださいませ。


只今、猫キャラ企画をしております。興味のある方は、秋月の活動報告まで!


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