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霊感探偵達の物語  作者: 秋月煉
前奏曲は怪異と共に
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今回は筆が乗りまして、普段よりも早めの投稿となりました。

もうすぐ、完結予定です。宜しくお願いします。


はらり、ひらり


はらり、はらり、ひらり


曇天という名の空から、真っ白いふわふわした花たちが大地を染めていく。


はらり、ひらり、ひらり


ひらり、はらり


音もなく降り積もる雪は、赤く染まった仲間たちも共に、白へと変えていく。

力なく、ただ空を眺める”僕”は、それ以外を忘れたかのように、ただ、大地に降り注ぐ白い花のような雪たちを見ていた。それしかできなかったから。


「・・・・・ゲホッ」


ときおり思い出したかのように、赤いソレが口から流れ、また白い大地を染めていく。

どうして、こうなったんだろう。


「・・・ゲホッ、ゴホッ・・・・ッ」


僕の口から溢れるソレを、拭う事も出来なくて。知らないうちに、視界が白く染まっていく。

どうして、こうなったんだろう。

何度も考えて、答えは出なかった。

憎たらしいほどに、視界に入る綺麗な純白に、ふと思ってしまう。

”僕”も、この白い花たちのように、綺麗に染まれるだろうか。


「・・・な・・・で・・・・ゲホッ・・・・・だ・・う・・・」


遠くなっていく、全ての中で、誰かが”僕”を呼んだ気がしたーーーーーーーーー。


はらり、ひらり、はらり


ひらり、はらり


白く、白く、全てを染め上げていく。

どうして、こうなったんだろう。

当事者たちだけを残して、全てを純白に、染め上げていく。あたかも、全てが”何事も”無かったかのようにーーーーーーーーーーー・・・・・・・・。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇


Side:竜前寺 雅



体に走る鈍い痛みで、目が覚めた。


「雅様! お加減は?」


声のした方を見れば、心配顔の龍崎が居た。感情が普段乏しい彼が、ここまで表情が出ていると、逆に違和感を感じてしまうのは、おかしい事なのかもしれない。でも、それだけ心配されてるということだから、とりあえず質問だけは答えたけど。


「・・・最悪だ、痛いし、喉渇いた」


声も普段の子供特有の甲高い声じゃない。少し擦れていたけど、分かる。成長した分、声が少しだけ、低くなってるのは。


「お水です」


甲斐甲斐しく世話をしてくれる龍崎に、礼をいいつつ、ふと足りない人物に気付く。おかしい、こんな時は間違いなく離れない真由合が居ない。嫌な予感に、視線をやれば、サッとそらされた。


「龍崎?」


「・・・・・今現在、ミーティングをしているので、彼女にはそちらに、ついでに例の子の様子も見てくると」


ふーん、なるほどね? 真由合に聞かせたくない話しかな? 彼女はうちの一族の人間ではないからね。そう思いつつも、水を飲んでいく。少しだけレモンの味がしたから、気を効かせてくれたんだろう。僕が飲み終わると、意を決したように、龍崎が話していく。


「実は今回、普段よりも解けたモノが多く、恐らくはそれが原因かと・・・・・その中で、気になることが」


龍崎の言いたいことは何となく分かった。今回と、普段の違い、その原因にも。


「やっぱり、違う?」


「はい、普段以上の結果が出ています」


やっぱり。今までのでさえ、ここまで急な展開はなかった。原因があるとすれば、やはり。


「利用したなんて聞いたら、きっと怒るだろうね・・・・・」


自称気味に言った僕に、龍崎がなんとも言えない顔になる。本当に今日は、表情が豊かだ。

脳裏に思い描くのは、まだ出会って半年にしかならない、可憐な少女の姿。特別な一族の、”片割れ”である彼女は、自分と一緒に居る時、まるで弟のように接してくれる優しい子だ。

まあ、秘密を知ったら、怒られるだけでなく、泣かれそうだけど。


「龍崎・・・・・、この痛み、緩和できない? 流石に辛い」


この短い会話時間の中でさえ、痛みが途切れる事がない。まあ、本来ならば、数年かけるところを、数日でしているんだから、当然といえば当然なんだけど。痛みには人よりも慣れているが、痛い物は痛いのだ。


「痛み止めではありませんが、痛みを緩和するハーブティーでしたら」


成長痛である以上、薬よりもハーブなどで緩和する方が体にはいいらしい。まさか、ここで飲まされるとは思わなかったけど。


「・・・・・何か、明らかに凄い臭いがするんだけど!?」


「少々、特別なブレンドを」


いやいや、龍崎!? 何をしてるんだ!! 明らかにおかしいだろう、その物体は!!


「・・・・・せめて、普通のハーブティーをくれ」


流石にソレを飲むのは、無理だ。一発で、お花畑が見える気がする。


「ちなみに、ハーブの他に何を入れたの?」


そう聞けば、少し考えた後、短く答えが返ってきた。


「漢方薬ですが」


・・・・・今後、口にするものは、聞いてからにしようと、普通のハーブティーをすすりつつ、そう決心したのだった。

因みに、特別ブランドハーブティーは、龍崎が普通に飲み干したのを確認した・・・・・。味覚はそれぞれ、らしい。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇


次の日は、まさに青天とあらわすような、雲一つない青空が広がってました。今日はとうとう、除霊の日。全ての因縁や柵を、リセットする日です。


「じゃあ、あとは各自頼んだぞ?」


龍ヶ崎さんの号令で、各自が動き始めます。

昨日の打ち合わせ後、私の考えを聞いた龍ヶ崎さんは、一部のメンバーの担当を変更しました。一緒に行って、やってしまった方がいいとの判断からです。

なので、ここには柊さんと和葉さんが居ません。別用で、依頼人家族と一緒に、最初の方でお邪魔した神社に向かっています。

早乙女さんは、定位置に着きましたし、龍ヶ崎さんは結界を。私含めた残りのメンバーは、悪霊たちへの囮役です。中に居る全ての悪霊を、あの”種”に吸い込ませるそうです。その際、元気なうちに頂戴ね? と、早乙女さんより、素晴らしい笑顔でお願いされました。餌が手に入るのが、心から嬉しいんでしょう。例え、言ってることが凄い事でも。


「美鈴」


名前を呼ばれて、そちらを見れば、前回よりも成長した雅君の姿がありました。驚いたのは本当です。だって、1日見ない間に、7歳くらいだった姿が、10歳ぐらいの姿になってるんですから。朝、姿を見せた時、皆さん驚いてましたもの。ただ、私は皆さんが話をしていたため、会話らしい会話はしていませんが。


「雅君、体調はもう大丈夫ですか? 成長痛で大変と聞いたけど」


「うん、まだ少し違和感があるけど、平気だよ」


ニッコリと笑った姿が、大人びて見えて、少し驚きました。急な成長痛でしたし、まだ本調子とはいかないでしょう。服は成長を考えて大きめの物を用意していたようで、その用意の良さに驚きましたが。


「今日は頑張りましょうね!」


ここからは、私は真由合さんと一緒に行動です。雅君は龍崎さんと一緒ですから、二手に分かれてになります。


「うん、美鈴も気を付けてね」


そのまま分かれて、私達はリビングにたどり着きましたが・・・・・、思った程、霊が居ません。確かに初日に確認した時は、うろうろしていたのに。


「美鈴、眼鏡を外して見てみなさいな」


真由合さんの堅い声に、素直に眼鏡を外した私は、後悔しました。前言撤回です! 居ました! うじゃうじゃと、ひしめきあう程ではありませんが、それでもそこかしこにいます! 目がない頭や、顔がない薄い姿の多分、人の霊。腐乱した姿の人らしき姿や、鎧武者、十二単の姿、等々多岐に渡ります。


「じゃあ、追い立てましょうか」


真由合さん、よっぽどストレスが溜まっていたのか、大変いい笑顔でした。更に、お札を手に嬉しそうに悪霊となったモノ達に、にじり寄ります。逆に、悪霊である彼らが、大敵ともいえる人間、陰陽師を見て、我先に逃げ始めてます・・・・・。まあ、逃げてるのは小物なのですが。大物は動きすら見えてないのか、同じ行動を繰り返しています。


「まあ、小物でも玄関がある廊下に出た時点で、終わりなんだけどね~」


珍しく世間話でもしてるみたいに、真由合さんが話してますが、何とも内心複雑です。だって、廊下には、餌を求めてる早乙女さんがスタンバイしてるんですから。最初からしてれば、すぐに終わった気もしますが、地下や歴史も調べないと、同じことの繰り返しとなるでしょう。だからこそ、私達は慎重に事を進めているんですから。


「さてと、小物は減ったし、大物と行きましょうか?」


迫力ある真由合さんの言葉に、本気で引いてしまったのは、不可抗力だと私は思います。雅君たちは大丈夫でしょうか? 思わず、現実逃避をした私を、どうか真由合さんが気づきませんように!!

読了お疲れさまでした。そして、いつもお読みいただき、ありがとうございます。

ちょっとだけ、ネタバレを致しましたが、僅か過ぎてきっと皆さま、???になったかと思います。最初の雪のシーンは結構重要なシーンで、物語のこれからにとても影響する話です。

この前奏曲の次も考えてますが、こう、しっかりと練ろうとすると、矛盾が起きるために、苦戦してます(笑)

二人だけのコンビ探偵も楽しそう♪

では、次回もよろしくお願いします。

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