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今月は調子が良いのか、4回投稿できました!
やったね♪
次回も誠意執筆中ですので、宜しくおねがいします。
Said:神戸 美鈴
何かヒヤリとする中で、私は夢を見ていました。
あの時に見た、古い木造建築です。きっと、リフォームする前の依頼主の自宅でしょう。
そこには、この日、沢山の人達が来ていました。恐らく、以前私が見た夢の光景です。
そちらを見てみれば、案の定、赤ちゃんを前に沢山の大人達が、難しい顔をしています。
「やっと、お役目化が終ったと思ったのに・・・跡取りに力があるなんて」
「力のある子は、あの家に養子に出すのが習わしだ・・・うちにはもう、力ある者はいないからな」
「やっと生まれたのに・・・」
「この力さえ無ければ、我らは自由になれるのに!」
「1200年だぞ? もう、自由になってもいいはずだ」
口々に口惜し気に言う言葉には、確信ではありませんが、何かを恐れる響きがありました。何を恐れているのか、それは分かりませんでしたが、でも、彼らは何かを知っているんでしょう。だから、産まれた赤ちゃんに憎々しげに、見ていたのです。
「連れていけ」
その赤ちゃんが何処へ向かうのかは、残念ながら私は見る事が出来ませんでした。何故なら、場面が変わっていったから。
この夢は、私に何かを訴えかけているのに、それが私には分からないのです。一体、何を伝えたいのか、はっきりと言ってほしいものです。
『お姉さん』
気付けば、辺りはまた空中になっていました。眼下には、先程のお屋敷ですが、様子がおかしいことに気づきました。誰もが、逃げまどっているような?
『お姉さん』
また、この声です。辺りを見ても誰も居なくて、でも、眼下では大勢の人が逃げ惑っています。
『彼らはね、どうしてここにお屋敷を建てたのか、それすら忘れてしまっていたんだよ』
声がまた、囁くように、歌うように、私へ話しかけてきます。
『だからね? とうとう、しわ寄せがきちゃったのさ、お役目をあの神社にすべて任せてしまったから』
どういうこと? お役目とは、おそらく代々受け継いできた、この家の儀式のこと。そして、このお屋敷は、千年も前から変わらずにあったはず。
・・・・・もしかして、ここで儀式をする必要があったの?
『流石、お姉さん、大正解・・・・・おの神社では、力がここまで来なかったのさ、だから、呼び寄せてしまったのさ、この、千年前の忌地へね』
つまり、長い時を経て、すっかり形骸化してしまった儀式、それすらもしなくなったから、この地は忌地に戻ってしまったということでしょうか?
『戻ったわけじゃないよ、ここは元々、霊脈の上だから、霊があの家に溜まりやすくなっただけ』
ということは、そもそも、あそこに家を建てること自体が、良くなかったということ?
『いや、そうじゃないよ、お姉さん、だっておかしいでしょ? 家は千年も前からあったんだから』
それもそうだけど、ダメです。こんがらがってきました!
『フフッ、お姉さん、面白いね! おかしくなったのは、この時からだよ』
そうして、その声につられて、眼下を見た私は、ようやく分かったのです。この地を、忌地と言った意味を。そして、何故、ここまで、この地に、悪霊が寄ってくるかを!
『ねっ? 忌地でしょう? ここは・・・・・だから、戻さないといけないのさ、千年も前、神官一族がしたように、この地を浄化しないとね?』
確か、日暮さんでさえ、この状況は知らなかった・・・・・いえ、調べられなかったはずです。もみ消したのでしょう、時の権力者であった、当時の当主達によって!
『せっかく綺麗にしたのに、馬鹿だよねー、また穢れをばら撒くなんてさ』
全てがこの時、私の中で繋がりました。
例え儀式をしていなくても、もうとっくの昔に、この地は解放されていたのです。しかし、それは穢れがない場合の話です。新たに穢れが生じたこの地は、恐らく千年前の忌地に近い状態になっているのです。
『お姉さんが居た、あの地下の空間・・・・・あれも、忌地ではなかったら、特におかしなことにならなかったんだよ』
ただ、霊の通り道となっていた、あの家。穢れがなければ、問題にすらならなかったのに、どうして我々は気づかなかったのでしょう。土地の地形、歴史、すべてを考えれば、解けたはずのパズル。
『まあ、小さなきっかけは幾つもあったんだ、それも助長させた原因だよ』
声は静かに、私に語り掛けます。姿が見えないので推測ですが、随分と年若い声です。それに、何だか今回の事情に詳しすぎるような?
『やっと気づいた? 僕はこの地に居る呪縛霊さ、もう長く居すぎて、半分精霊みたくなってるけど』
えっと? これはかなりマズイ事態では? 精霊は穢れを受けると、狂うことがあります。これは震災ともいえる事態を起こすのです。
『うん、だから、お願いね、お姉さん』
その声を最後に、私の意識は急激に浮上していきます。あぁ、また肝心な情報を忘れませんように!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
目が覚めて、一番初めに見えたのは、木で出来た天井でした。一瞬、何処にいるのかと思いましたが、依頼者のお宅であり、私達に貸して頂いたロフトスペースだと思い出しました。
「美鈴っ!」
声がした方に視線を向けると、涙目になりながら喜色を滲ませた、真由合さんが傍らで座って、此方を見ていました。瞬間、大切な事を思い出し、慌てて起き上がろうとして、軽い眩暈が襲いますが、それを根性で無視して、何とか起き上がります。途中、見かねた真由合さんが手を貸してくれました。ダメですね、夢を見た後は、代償なのか体がだるいのです。
「もうっ、心配したんだから!」
真由合さんに叱られてしまいました。しかし今回は不可抗力です、絶対に!
「不可抗力化と思うんですが・・・・・、えっと、あの後一体、何があったんですか?」
ずーっと、私は気を失っていたので、何が起きているのか分かりません。潔く、真由合さんに聞いたら、想像以上の話が来て、一瞬、気絶しそうになりました。
何ですか、地下空間とか、着物を着た悪霊らしき霊とか、不思議な種って。吸収したって。ぬいぐるみと戦ったとか、伝説の生物を召喚したとか。支離滅裂ですよ?
・・・・・深く考えない方がいいようです。私は、これに関しては、理解することを放り投げました。
「そうでした! 真由合さん、わたし夢をみたんです! 急いで話さないと」
こんなにのんびりしてる場合ではありませんでした!
「なら、下に行くわよ、貴方が目覚めるのを、わざわざ待っていたんだから」
その言い方に不思議になりました。どういうことでしょう? てっきり、何かしているかと思ったのですが。
「新たに情報部が持ってきたのよ、この辺りの歴史とかの資料をね」
その口調がやけに、忌々し気だったのが気になりましたが、とりあえず着替えだけはして下に降りました。寝間着姿は、流石に恥ずかしかったんです!
「美鈴ちゃん!」
和葉さんの嬉しそうな声に、少しホッとしました。皆さん、見たところ何処も怪我とかをしていないようで、深く息を吐き出します。先程の話を聞いていたので、少し不安でしたから。
「早速で悪いが、君が眠り姫の神戸 美鈴さんでいいのかな?」
声を出したのは、少し怖い印象の若い男性の方でした。それぞれ簡単に自己紹介をしてくれたのですが、私は夢の中で見ているので、今回は会釈で済ませました。
この時、日暮さんの携帯がなり、少しの会話の後、彼だけが帰還することになりました。泣きそうになりながら、謝る日暮さんは、外に出ていきました。
「あの、どうやって帰るんですか?」
まさか徒歩ではないですよね? ここ、立派な山の中ですが。
「日暮さんは精霊使いですから、大丈夫ですよ」
和葉さんから説明され、納得はいきませんでしたが、素直に頷きました。急ぎの報告があるんですもの。
「んじゃ、夢の中の話をしてくれ」
龍ヶ崎さんにいわれ、掻い摘んで夢の話をしていきます。要点さえ絞って話せば、皆さん、暗い顔になっていました。理由が分からなくて、戸惑っていた私に、ようやく説明してくれたのは、龍ヶ崎さんでした。そういえば、雅君と、龍崎さんが居ないような?
「すまんが、時間がまずい、今日は対策だけだな、悪いが祓うのは明日だ」
これは決定事項のようで、誰もが頷いていました。私も賛成です。時間が夕方、黄昏時と呼ばれる時間ですからね。一番、魔が活性化する時間を狙う馬鹿はいません。
「俺たちはどうも周りの小さい現象にばかり気を取られていたわけだ、この地が忌地になりつつある、原因は間違いなく、150年前に起きたこの凄惨な事件だろう、もみ消した為に、ちゃんとしなかったから今になってこんな事態になるとはなぁ・・・・・終わったら、霊脈も調整しなきゃいけないとか、政府にまで届け出しないといけないとか・・・・・はあ」
「あら、とおる? 後輩のためだもの、やってやろうじゃないの」
龍ヶ崎さんと、早乙女さんの会話に、ハテナが頭に乱舞します。知らないうちに、何だか色々進み過ぎてませんか!?
「明日は忙しくなるわね、・・・・・ねえ、美鈴」
近くに居た真由合さんに呼ばれて、私が向いたら、何だか困った顔をしているんです。どうしたんでしょう?
「良かったら、雅様に顔を見せてくれない?」
えっ・・・・・?? それは思いがけない、真由合さんからの言葉でした。
読了お疲れ様でした。
そして、いつもお読み頂き、ありがとうございます。
今回は久しぶり過ぎるくらい久しぶりの、主人公、美鈴ちゃんの視点でした。
謎の多くは、今回で解消されたはずですが、皆様が疑問に思う部分はありましたでしょうか?
次回ようやく終わりが見えてきました。長かった・・・・・。
短編連載のはずが、気付けばここまで来てしまいました。
もう少し、話を練ってからが良かったかもしれません。未熟者には、推理は難しいとつくづく思い知りました。うん、この話の次回作は、がっつりホラー路線で行こうと思います!
では、また次回にお会いしましょう。




