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プロローグ

目を覚ますと、いつも何か大切なものを失くしてしまったような喪失感に包まれる。


さらさらと、砂のように零れ落ちていく。

微睡みの中で必死にかき集めようとしても、消えてしまう。


最初からそんなものは持っていなかったのかもしれない。


それが何かはわからない。


記憶かもしれない。いつからか、どこかに置き忘れた心かもしれない。




そんな、いつもと変わらない、感傷的な朝。


小雨が降りしきる静かな朝だった。



俺は、出会ったんだ。




寂しさを纏う六弦と、君に。



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