鹿角フェフ、自室に隠したノートを公開される
これより記載する内容は、バレンタインの翌日に変死体となって発見されたライトノベル作家「鹿角フェフ」の自室より発見されたノートに記されていた物である。
丸秘と書かれ、厳重に机のそこに隠されていたノート。
その中身がどのような意味を持つかは分からない。
だが、彼の生き様を世に残すためにも、そして誰かがこの謎を解いてくれると信じて、その文章の一部をここ『小説家になろう』に転載することとした。
2015年某日 友人A
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俺の妹設定! 完成版!
【名前】
鹿角 愛花
愛の歌を奏でる花のようにという意味で両親によって名付けられた。
そのことをいつも俺にからかわれては、顔を真っ赤にしている。
けど、俺に名前を呼ばれるのは密かに好きだったりする。
【容姿】
超絶美少女。
陽光を浴びて輝く美しい銀髪と、紅玉を思わせる赤い瞳、透き通るような白い肌の美少女。
十人いれば十人が羨む程の美少女。
街で歩いているとアイドルやモデルにスカウトされまくって密かに困っている。
告白される回数も二桁を越えて三桁に届こうとしているが、その全部を断っている。
その理由は、俺の恋人になりたいため。←ここ重要!
年齢:13歳 身長:150cm 体重27kg
【概要】
俺の家に突如やってきた妹。
おとなしく控えめな性格だが、一本芯が通ったところがあり、自分がこうだと思ったことは決して曲げない。←ただし俺の言葉は例外。
実は外人とのハーフで、超絶美少女、現実離れした容姿もそれが原因。
毎日種族問わず様々な人や生き物から告白されているが断っている。←俺がいるため。
俺の恋人になることを夢見ているが、拒絶されるのが怖いことと、兄妹でその様な関係になることに疑問を感じているため行動には移さない。
(けど実は血が繋がっていないのでハッピーエンドになる)
さらに、本当は異世界の姫巫女で、騎士で、神の血を引いている。
自分の世界を救うために俺の世界にやってきたが、世界を救う力を見つけると同時に、初めての恋も見つけてしまった……。
自らの責務と、淡い恋心の中で迷っている。←元の世界に戻ると死ぬから。
最終的に、夕日の沈む海の様なところ、もしくは街を見下ろせる夜の公園で俺に全てを告白して、自分だけが犠牲になろうとする。
(俺は愛花を抱きしめ、彼女を救うと決意する)
(そして俺は世界を平和にする)
最後は、ひと目を避けるように異世界の遠い場所で二人幸せに暮らす。
(この時点で俺は仕事を全部やめている)←予定 ←絶対に実施!!
【具体的なエピソード】
●その一:食卓にて
愛花:「は~い。夕飯できたよお兄ちゃん。今日はお兄ちゃんの大好きなお肉料理です!」
俺 :「おおっ! さんきゅー! でも、野菜かー、苦手なんだよなぁ」
愛花:「でもでも、お肉ばっかりじゃなくて、お魚さんや野菜さんも食べないと身体に悪いよ? これは私から好き嫌いの多いお兄ちゃんへのお説教です!」
俺 :「いやぁ、そう言われると叶わないなぁ。うー、頑張って食べるかぁ」
愛花:「ふふふ、頑張って食べたら明日もお肉にするから、残さず食べてね」
俺 :「分かった。……でも愛花は凄いよなぁ、こんなにちゃんと料理が出来て。花嫁修業はバッチリだな。将来結婚する人は幸せ者だよ、うん」
愛花:「うん、こうやって将来の旦那様に喜んでもらうために毎日頑張ってるんだよ?」
俺 :「えっ? いま何か言った?」
愛花:「…………お兄ちゃんの鈍感さん」
俺 :「??」キョトン
●その二:告白シーン
愛花「私は……私は本当はお兄ちゃんの妹じゃないの! 自分の世界を救うためにお兄ちゃんの妹としてこっちにやってきていたの! お兄ちゃんを騙していたんだよ!」
俺 :「…………」
愛花:「こんなんじゃ、お兄ちゃんの妹なんて名乗れないよ。もう元の関係に戻るなんて無理だよ!」
俺 :(ここでなんかかっこいいセリフを言う)←指先で愛花の涙をそっと拭う。
愛花:「……っ! ず、ずるいよお兄ちゃん。そんなこと言われたら、私、元の世界なんてどうでも良くなっちゃう」
ここで俺は愛花を抱きしめて、二人でキスをする。
翌朝、二人は生まれたままの姿で同じベッドで目覚める。
(間のあれこれは流れで上手くやる。多分大丈夫)
愛花:「えへへ……ちょっと恥ずかしいね」
俺 :「これからよろしくな、愛花」
愛花:「うん。改めて、よろしくお願いします。私の旦那様♪」
●その三:世界を救って
俺 :「ついに、魔王を倒したな……」
愛花:「うん。これで世界も救われた。でも、お兄ちゃんは……!!」
俺 :「魔王を倒す代償だ。これくらいは安いもんさ」
愛花:「神と魔の力を同時に魂に刻み込んで、神魔人となったお兄ちゃんは、もう元の生活なんてできっこない。放っておいても厄介事が向こうからやってきちゃう」
俺 :「厄介事か……まっ、最初の厄介事がこんなかわいい妹でお嫁さんだったのは幸運だったけどな」
愛花:「はぐらかさないでお兄ちゃん。……一人で、行くつもりなんでしょ?」
俺 :「愛花……」
愛花:「ねぇ、お兄ちゃん。私も連れて行って。私、お兄ちゃん無しの人生なんて考えられないの!」
俺 :「でも、それだともう皆と会えなくなるんだぞ!」
愛花:「そんなの構わないよ! 確かに寂しいけど、けど、お兄ちゃんとわかれる方がずっと嫌!」
俺 :「でも……」
愛花:「それに、私はお兄ちゃんのお嫁さんなんだから!!」
俺 :「わかった、愛花。やれやれ、しかたねー妹だぜ」←肩をすくめる。
愛花:「お兄ちゃん!」
俺 :「行くぜ愛花! どこか、誰も居ないところへ。二人だけの場所へ!」
愛花:「はいっ! 私の大好きなお兄ちゃん!!」
ハッピーエンド。二人は幸せに暮らす。
以上
Never Give Up!!
I Can Do It!!
諦めなければ夢は叶う!!
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尚、念のため記載しておくが、鹿角フェフ氏に妹は存在しない。