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最終話 戦争

 ガタタタタタ


 リューホは馬車に乗って目的地へと向かっていた。ただ、それまでには長い時間がかかるので横になってだらんと寝ている状態であった。


 「団長いえ、隊長着きました」


 「そうか」


 リューホは1人の騎士が言ったその言葉で馬車から降りる。

 リューホが降り立った場所は帝国と連合国の間で激しい戦闘が繰り返されている地域であった。わざわざこんな場所に送り出すということはそれだけ軍の連中もリューホに期待しているというわけであった。ただ、リューホはそれに関して何にも感じるようなことはなかった。逆に不快感しか存在しなかった。


 「それで、どうするのか……」


 リューホは独り言を呟く。

 今回の第2次派遣隊の総勢人数は23人。こんな少数でどうやって敵の部隊を相手しろというのか。無謀だろ、完全にそう思えてしまう。だが、ここで負けてしまってはジランには悪い。亡き友のかたきはきっちり取っておかなければならない。


 「失礼しますがリューホ様。ここの軍の総司令官です。会議をしますので来てくれますか?」


 リューホの前に1人の男が現れた。軍の総司令官と名乗る男の身なりはきちんとしておりリューホにはこの男の位がものすごく高いのだということがすぐにわかった。胸には大佐の位を示すエンブレムが刺繍されていた。


 「ああ、別にかまわない」


 リューホはそっけなくそう答えるとヨージの後について会議が行われるという仮設本部へと向かっていった。

 仮設本部の中は思ったよりも広くてリューホはそれに感心していた。ただ、こんなものを作っている暇があるならばもっと別の場所に努力しろという怒りも覚えていた。こんなのを作っている間にジランは……

 リューホの頭の中はそれだけでいっぱいだった。

 会議は思ったよりも軽いもので中身がほとんどなくリューホには何一つとして印象に残るような報告はなかった。それはリューホにある意味別の覚悟を決めることを決定づけたものであった。


 翌日。

 リューホは今回の第2次派遣隊に選出した騎士たちを全員集めた。戦争への作戦会議であった。


 「みんなごくろうであった。これからは僕が隊長としてこの隊を指揮するがその前に言わせてもらう。この隊の隊員は誰1人として殺させはしない。全員で帰るつもりだ。そのためにも今から言う作戦はきちんと守ってもらう。作戦は……」


 リューホは騎士たちに向かって作戦を述べ始めた。最初騎士たちはその作戦の内容に驚いているような雰囲気を出していたが徐々にそれは薄れていき最後の方はもう全員が真面目になってその作戦内容を聞いていたものだった。作戦会議はそこまで長くなることはなかったため明日の作戦決行のために各自今日は体を休めるようにリューホは命令してさっさと仮説の宿舎へと帰って行った。


 ──────────


 翌日。 

 ついにリューホの作戦が決行される日がやってきた。

 リューホは仲間の騎士たちを引き連れて作戦を実行するために軍に指示された地点まで移動していた。そこではリューホ達の隊だけが行動するということになっていた。他の軍の隊は別の地点で行動するという手はずになっていたので増援に期待なんてできる状況ではなかった。


 「それでは、ここで作戦を決行する。皆の者はしっかり魔導器を使える準備をしておくこと」


 リューホは命令する。

 リューホの作戦というのは力をセーブさせずに最初から魔導器を発動して連携で敵を撃破していくという単純なものであったがそれに、地形といった天然の障害も含めるといったものだった。


 リューホは命令をした後自分の魔導器を解放する。


 「世界を破滅に導く核の光が正義の戦いへと誘う、我はそれを愛で変えてみせる魔導器『アトミックウォーロード』愛はセカイを救う」


 リューホは魔導器を開放した。それは剣型の魔導器であった。しかし、剣の大きさは極めて小さく短剣といえた。


 周りを見渡すと他の者も魔導器を解放していた。

 これで準備は整った。リューホはそう確信した。


 ドドドドド


 リューホ達が陣を構えている反対側の岡の方から連合国軍が流れ込んでくる。丘の上から攻めている関係で勢いは完全に向こうにある。しかし、勢いだけでは戦争に勝つことはできない。リューホは作戦がいかに大事なのかを見せつけようとする。


 「行くぞおおおお」


 「「「おおおおおお」」」


 リューホの掛け声のもと騎士たちは一斉に何人かの組に分かれて敵の方へと突っ走っていく。ただ、そこにはリューホの姿はなかった。では、リューホは何をしているのかというと……


 「1班は西へ、2班は東、3班は1班と挟み撃ちをする準備を……」


 リューホは各部隊に連絡を送っていた。作戦担当であった。だが、この作戦はのちのちに連合国の作戦をはるかに勝るものとして恐れられリューホの部隊には日夜軍の関係者が出入りするようになった。しかも、リューホの作戦は的確であり自らが戦闘に出て行くなんてこともあった。おかげで死者は0という奇跡的な数字をたたき出していた。

 リューホはこの戦争で帝国側に流れを作ってしまった。

 その後、帝国は皇帝が病で倒れるまで終始戦局を優位に進めて魔術大戦は終わりを迎えることとなる。


 リューホは英雄の名を手に入れたが大事な親友を失った。そして、ジランの手紙を自らサッキーに送ることもできずに運送に任せて故郷すらも犠牲にし騎士団長の座を降りたのであった。その後、彼らが……帝国騎士団をやめた後のナヲユキ達がリューホの前に現れるまでは希望というものを捨てた人生を送ることを決めて過ごすこととなる。


 

これでおしまいです。

 終わり方が雑だと思いますがこれはのちのちRPGの本編で出しそうな雰囲気なのであえてと言うことでダメですか? ……ダメですよね。ですが、まあ、気分がすぐれたら続きか本編でもっと細かいものをやるつもりです。

 ただ、春休みが終わると本格的な勉強になるのでどうなるかは分かりません。

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