第0話 エピソード・ゼロ
あとから付け足しましたので短くなっております。
リューホ。
その男の名前を聞いたことがない者はごく少数かもしれない。彼の出身であり活躍した帝国に住んでいる人はもちろん魔術大戦において敵国であった連合国の人でさえ彼の名前を知らないという者はごく少数だ。
ただ、彼が何をしたと言われると誰もが口をそろえて言うのが
魔術大戦における英雄だ。
伝説の司令官だ。
彼がいなければ魔術大戦は変わっていた。
このようなことを言う。それは帝国の一般教育の範囲内のものである。リューホのことはすでに初等教育において教科書や一般向けの大衆小説の主人公として登場したりしている。では、魔術大戦以外に他にはどういうことをしましたかと尋ねてみるとこれまた誰もが口をそろえて言うのが
さあ?
分からない。
そもそも彼が戦っていること以外を想像することができない。
つまりは彼はリューホという人間は魔術大戦の英雄にも関わらずその正体、出自、行動、過去の行いといったものが定かではないのだ。そんな彼の過去をさかのぼっていく、彼がなぜ魔術大戦に参加したのかというのが全て明らかになるのはこれまた先の話である……。
だが、1つだけ言えるものがある。彼には戦争に参加しなければいけない理由が存在しそれが彼を動かしたのだということだ。だが、どんなものであるかは彼しか知らない。あくまでも彼自身の話であるのだから……。
それでも、僕らは知りたい。彼の目的を彼の生きざまを。
それでは過去にさかのぼって彼の生涯をナヲユキや皇女リーザと共に旅をするまでに何があったのか見ていきたいと思う。彼には何があったのかそれをさかのぼるにはまずは騎士団に入隊する場所から始まる。さて、見ていこうリューホの過去を。ただ、
そこにあるのは亡き友とのある女性を守ると誓った悲しき記憶……。