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第十四話

前回のように会話のみではありませんが、会話が非常に多い内容になっています。

「んなっ!?」

「どういうことじゃっ!!」

「それは・・・。」

「おい!それは確実なものだろうな?」

「当たり前じゃない。私が証拠も無しに動くと思って?」

「それもそうだが・・・はぁ・・・。お前が一番変わらないな。」

「本当ですよね・・・。まさかこんなにも大きなネタをお持ちだったとは・・・。」

「セレナイト王!どういうことじゃ!お主がしたことは約定違反じゃぞ!!」

「で、でたらめです!私はそんな事していません!」

「あら?しらばっくれるおつもりで?」

「し、しらばっくれる!?やっ、やってないのだからしらばっくれるも何もあるわけないでしょう!?」

「まぁ!その召喚で呼び出した者に逃げられてしまい、追っ手を使い連れ戻そうとしたのに?」

「!」

「でもそうですわよね~、その者が他国で召喚されてきたことを喋ってしまったら他国との問題になりますものね~♪」

「!!」

「し・か・も♪各国の了承書が無かったせいでうっかり二人呼び出してしまったなんてね~♪」

「!!!」

「二人じゃと!?」

「・・・何年ぶりでしょうね、こんなに何度も驚かされたのは・・・。」

「全くだ・・・。あいつはいくつネタを持っているんだろうな?」

「さあ?」

「ぬ、濡れ衣にもほどがあります!!皆さん信じてください!私はそんな事やっておりまうっ・・・ゲホッゲホッ!」

「国王!大丈夫ですか!?」

「まぁ大変!狸が大きなお腹を揺らして咳き込んでいるわ♪」

「なん、で、すと!ゲホッ!」

「国王!」

「フフッ♪」




「アリーナ様、楽しそうでございますね。ユキ様。」

「そうですね。・・・もうもろに『狸』呼びし始めてるし。」

「えぇ、隠す気一切ありませんわね。」

「話変えますが、王達にはやはりお付きの方がいらっしゃるんですね。」

「そうですね、王族ですから一応はお付きになっているようですよ。弱い狸王は別ですが、皆さんお強いので必要性があるかは微妙ですけどね。」

「それでですか。他の国王方は一人しかお付きがいないのに狸王には三人もいるのはおかしいなとは思ってはいたんです。」

「仮にあの狸王が強かったとしても、あんなにお腹が出ていていては剣を振ろうとしてもつっかえてしまいますわ。」

「あぁ、確かに。さっきの咳もきっと太り過ぎのせいじゃないでしょうか?」

「可能性は高いですわね。」

なんて話していると、セレナイト王が落ち着いてきたようだ。





「ゼェ、ゼェ・・・ティ、ティクレス王、そこまで言うのであれば証拠をお見せ下さい。私が召喚の魔術を使ったという証拠を!」

「呆れたたぬ・・・いえ、王ですこと。さっき言ったでしょう?『証拠も無しに私は動かない』とね。」

「は、ハッタリだ!」

「本当に呆れた人ね。あの子が逃げて来たのがよく分かるわ。」

「えっ・・・『あの子』?」

「ご紹介します。我が国唯一の騎士にして異世界から来た透明色の騎士でもあります♪・・・ユキ、入ってらっしゃい♪」

「まさか・・・」

ガチャ。

「失礼します。この度からティクレスの騎士に就任させていただきました。ユキ、と申します。皆様の言う異世界からまいりました。お久しぶりですね、セレナイト王。」

「な、・・・なぜ・・・ここに・・・。」

「今申し上げた通りですよ。私はこのティクレスの騎士なので。」

「さあ、セレナイト王♪実際に召喚されて来た者が証拠じゃ不満かしら?」

「あっ・・・あぁ・・・。」

「アリーナ様、必要がありましたら召喚されたから今日までを申し上げますがいかがなさいます?」

「ん~♪どうする?セレナイト王♪」

「私、は・・・負ける・・・訳には、い、いかないのだ!」

「何を仰っているのですか、セレナイト王。貴方はもう敗北しているでしょう?透明色の騎士を召喚して御自分の仕事を放棄しようとした時点でね。」

「ぐっ!!」

「お前!我らが王を愚弄する気か!」

「何様のつもりだ!」

「そもそもお前が逃げださなければ!」

頭に血が上っているせいか、お付きの人達は王の方々の目の前だというのに剣を抜き始めた。

・・・バカとしか言いようがない。王の前で剣を抜くのは反逆行為。自国の騎士であれ、許可を取るか、よっぽどのことがなければぬいてはいけない。そんな大切なことを忘れているとは。

「・・・逃げ出さなければと言いますが、逃げられてしまうセレナイト王の警備の方がおかしいのでは?」

「「うっ・・・。」」

「アリーナ様。」

「なあに?」

「王の方々に剣を向けたバカ共を倒すので、剣を抜いてもよろしいでしょうか?」

「いいわよ♪思いっきりやりなさい♪半殺しまでは可よ!」

「了解しました。・・・では、遠慮なく・・・。」

ニヤッと笑ったら、あんなに頭に血が上っていた奴らの真赤な顔が真っ青になった。

あ~あ、またティアラさんに『その笑みはダメですよ!』って怒られちゃう。

けど、仕方ないよね?

私だって勝手に自分達のイヤなこと押し付けようとして召喚されて来たことに怒ってない訳じゃない。

だからね、ちょっとやり過ぎても許してね?

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