第十二話
「久しぶりに集まれたわね♪」
「そうじゃな。最後に集まったのはいつだったかのう…。」
「ふっははは!レグライ、最後に集まったのはちょうど三年前だぞ?そんな最近のことも忘れたか。頭まで筋肉になったのではないか?」
「なんじゃと!誰が頭まで筋肉になったというのじゃ!」
「お前以外に誰がいる?」
「お二方とも、お止めなさいな。三年前も似たような会話をしておりましたよ?」
「ほんとよね~、いい加減飽きないのかしら?」
「そうですよね、もういい年ですし。」
「「うるさい!!」」
「あ、あの~、そろそろ始められた方がよ、よろしいのでは・・・。」
「あら?そうね♪それじゃあ会議を始めましょう♪」
・・・今から会議が始まるようです。
それにしても、この人達本当に王?内容がとても王同士には思えなかったんだけど…。
「ユキ様、一応どなたがどこの国の王の方なのかご説明しましょうか?」
「うん、よろしくお願いします。」
でもって、ティアラさんと私は会議中の部屋の扉の前で話を聞いてるようにと言われ、扉の方で待機中です。
私にいたっては話に混ぜらなきゃいけないときがあるしね。
「まず、アリーナ様の右隣の方は、竜の国ルビルズロウの王『レグライ・ファラト』国王。次に人魚の国シェルタイトの王『セイドル・アクア』国王。そしてお分かりかと思いますが、人の国セレナイトの王『プラウタ・ヒューマ』国王、。最後に魔族の国サブラルグの王『アクロズ・ブラッディ』国王です。」
「へぇ~、なるほど。そういえば、この会議って三年ごとにやるものなんですか?」
「何か国ごとに重要な事件があればすぐやりますよ。基本的には一年ごとにこの会議があって自分達の国のことを報告しあいます。ただ今回のは・・・毎回ティクレスの王が日取りを決めるのですが、アリーナ様が三年ほどお忘れだったようで・・・。」
「アリーナ様だったらあり得るね。それを気にしない他の王様達もどうかと思うけど。」
「聞いた話によると、皆さん年が多少違いはしますが、幼馴染みのような感じだったそうなので諦めておいでなんでしょう。」
「そんな昔からアリーナ様って変わらないんだ・・・。」
「そうですわね・・・。」
「それじゃあ、いつも通りセレナイトから~♪」
「は、はい!え、え~、我が国セレナイトではと、特に目立った事件はなく、け、経済的危機が多少迫っていること以外は平和そのものです。い、以上です。」
「それだけ~?」
「い、以上ですが、な、何か?」
「いいえ♪無いならいいの。気にしないで♪」
「は、はぁ。」
「ふむ、アリーナ。何を知っておるのじゃ?」
「何のことかしら?」
「アリーナ、とぼけても無駄だ。お前がそんな言い方をするときは大抵重要な何かを掴んでいるときじゃないか。」
「そうですよ。教えてくださらないと気になるじゃないですか。」
「まあまあ♪私の国の報告はいつも最後でしょう?皆が言い終わればちゃんと言うわよ♪」
> 「・・・アリーナのことじゃから聞いても答えぬじゃろうな。」
> 「久しぶりに意見があったな・・・。」
「では、早くアリーナどの番までまわしましょうか。次は私の国ですね。」
「ティアラさん、ふと気になったことがあるのですが…。」
「なんでしょうか?」
「王の方々は皆さん何歳ぐらい何ですか?」
「セレナイトの狸王以外は、皆さん確か・・・すみません。間違えましたわ。セレナイトの狸王とアリーナ様以外はそろそろ三百歳をお超えになるのではないかと思いますわ。」
「人以外は長寿なのは教えていただいていましたが、それほどとは。」
「でも、人も他の種族とのハーフになると長寿になりますわ。違う種族同士の血は薄くならず、それぞれの特徴を少しずつ受け継ぐ形になりますけれど。」
「じゃあ、五種族すべての特徴を持った人もいるんですか?」
「それはないですわね。その種族の特徴を受け継ぐのは二つまでらしいので。どうしてだったかは、わたくしも忘れてしまいましたが、確か資料室にそれに関する本があったと思います。」
「へぇ~、そうだったんですね。後で、その本を探してみます。」
「そのときはお手伝いいたしますわ。まあ、基本的に同じ種族同士が結ばれることのが多いんですけどね。」
「やっぱりこの世界のことはまだまだ知らないことが多いですね。もっと勉強しなければ。」
「今でも勉強していらっしゃると思いますが・・・。」