第十一話
「う~ん!美味しい!」
「絶品ですね~。」
「ろうもあひがほぉございまふ。(どうもありがとうございます。)」
「ユキの作るお菓子はどれも美味しいけど、私は『アップルパイ』が一番好きだわ~♪」
「そうですね・・・、わたくしは『アップルパイ』もいいですけど、やはり『シフォンケーキ』というお菓子が好きですわ!あのフワッとした触感が何ともいえなくて・・・。」
ゴクン。
「シフォンケーキは次の時にでも作りましょうか?」
「ぜひ!お願いしますわ!!」
「今は日本でいう午後三時。なのでさっき買ったリンゴをアップルパイにして束の間のティータイムです。
「そういえば、あいつらはどうしたんですか?」
「ん?」
「あのニセ騎士達のことはわたくしも気になりますわ。アリーナ様をお呼びしたときには既におりませんでしたし。」
「あの二人ならもう何の命令をされたか聞いたから、暫くは町の魚屋さんとお肉屋さんでそれぞれ根性を鍛え直して貰ってるわよ♪」
「それは・・・皆さん嬉々としてやっていそうですわね・・・。」
「しかも、元傭兵の魚屋さんと元海賊の肉屋さんを選ぶ辺り、性格の悪さが伺えますね~。」
「ちょっと~、失礼じゃない?皆気合い十分過ぎてどこに預けるか決まらないから、クジで決めたのよ?たまたまよ。た・ま・た・ま♪ププッ♪」
(絶対嘘だ。何か細工してる…。)
(絶対嘘ですわ。何か細工をしたのですね…。)
「それにニセ騎士達も国に帰るよりマシだって言ってたわよ?」
「そりゃあマシでしょう。命令をしくじって帰ったのだから、確実に殺されるでしょうし。しかもその命令が国のトップシークレット、他国に内緒で召喚した異世界人が逃げ出したから探して連れ帰って来い・・・なんて全部バラしてしまったんですから。」
「本当にあの狸は仕方ないわね♪次の会議がものすっごく楽しみだわ~!」
「そうですね!」
アハハハ…と、二人で笑うと、ティアラさんから怒られた。
「お二人とも!その笑い方は他国の方々の前では見せないでくださいませ!見た方は確実に逃げ出しますわ!」
「そんな悪い顔してませんよね?」
「してないわよ~♪それに、乙女はどんな時でも美しいものだから大丈夫よ!」
「「・・・。」」
さすがにこれには私も賛成できず、私とティアラさんは黙々とアップルパイを食べた。