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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

葬式

作者: あ行
掲載日:2026/04/09

 私は、葬式へ向かった。亡くなったのは作家であり、私の先生である。

 先生は生前とてもご活躍されていたので、受付と言うものがあった。自分の名を告げ、受付人に中へと通してもらった。この人は、平生、先生の傍にいた人である。私もそんな人になりたかった。

 二階へ梯子段を使って上がると、たくさんの人がいた。先生の友人や有名な作家、弟子、親戚などの人が団子になって話していた。


「あの、先生はどこに」

「あちらの部屋です」


 先生の夫が指さした方を見ると列が出来ていた。私は最後尾に並んだ。みんな、悲しそうな顔をしていた。今にも泣きそうな人、眉を顰めながら進む人、口を噛み締める人。

 先生はみんなに愛されていたのだなと改めて実感した。そして先生もみんなを愛していたのだなと思う。

 長い列が終わりかけて、先生の顔がちらりと見えた。私はなんとも思わなかった。列が進むまで私は腕時計を眺めた。

 そして、ようやく私の番になった。先生の死に顔は綺麗だった。

 私は、親族に軽く挨拶して、旦那にも頭を下げて、礼を申し上げた。もう、用がないので外に出た。

 ぽつりぽつりと雨が降っていた。私は蝙蝠傘を天に向かって差した。

 私は空を見上げた。矢張り、差さなくても良い雨だった。蝙蝠傘を放って投げて私は歩いた。

 走ったのだ!


「好い人でした! 良い人でした! 善い人でした! 本当にいいひとでした!」

ここまでお読みいただきありがとうございます。これからもお読みいただけると作者がいぇーい!と喜びます。この作品の長いバージョンも気が向いたら、書こうと思います。

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