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鬼神の創  作者: 玉龍堂


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1-6

 アルウィンは祭壇の上で、縁国の巫女の巫女舞の奉納を受ける。

 かつての縁国は水不足で作物が育たつ困窮していた。

 雨乞いの魔術が得意な隣国の龍帝が、雨乞いの魔術により縁国の窮状を救った伝説もある。

 それで、豊穣祭の感謝を捧げる巫女舞を踊る儀式が行われていた。

 永久国と縁国は隣国であるがゆえに、戦をしていた歴史もあるが両国は祖の王妃の祖国が同じ渡り人だったこともあり文化が似ている為に円満なドラゴンエング大陸の中では円満な関係を気づいていた。


 雪華は初代王妃の国の衣装で舞を踊る。

 今年は剣舞の年で、幼い雪華は短刀を握りしめ小さいながらも優雅に舞を踊ってアルウィンの眼下でちょこちょこと五歳児ながらも背筋を綺麗に伸ばして美しいと思える舞を舞ってアルウィンを魅了していた。 

 

 縁国王夫妻は、幼い娘の舞を微笑みながら見守っていた。

 雪華は舞を舞い終えると、優雅にお辞儀をして両親の元へ駆けていった。


 アルウィンは息を呑み、五歳の幼子の舞に魅了されていた。

 雪華姫の容貌は、母親譲りの顔のパーツに深緑の瞳。

 舞う度に父親譲りの漆黒の髪が舞い流れ、アルウィンを惹きつける。

 雪華の子供にしては意思の強そうな瞳は、父譲りの聡明さを宿していた。


 豊穣祭の儀式が終わると、思わず雪華姫の後をついていった。

 自分の背後に来る大人に、雪華は気づいて振り返ると見上げる。

「とても、素敵な舞をありがとう。

 王女様は、まさに黒百合のようだね」

 褒め言葉でアルウィンは言ったつもりだ。

 雪華は警戒に満ちた眼差しを男に向ける。

 常々、両親が雪華を何かに例える様な大人や、母に似ている事を賛辞しながら近付いてくる大人を警戒するように育てていた。

 5歳時であっても、雪華は聡い子だった。

 特に、日頃言い聞かされていた教えはしっかり実行する良い子だった。

「・・・ありがとうございます」

 雪華は隣国と永久国の王子様に顔を探るようにジッと見つめると、礼を言うとすぐに母サーチェの背に隠れた。

 本能で、雪華は永久国の王子であるアルウィンを警戒対象しと捕らえていた。

 サーチェは驚いていた。

 雪華は人見知りしない子なのだ。

 どんな大人にも、物怖じしない賢い子なのだ。

 それなのに、警戒態勢マックスで母のサーチェのドレスに顔を埋めてアルウィンと目を合わせることを拒絶していた。

「ごめんなさい。

 娘は、恥ずかしいみたいなの」

 サーチェはしゃがんで雪華を抱きしめながら、隣国の王太子アルウィンに謝罪をする。

 雪華はアルウィンと目をあわさないように、ぎゅー母の胸元に抱きついて縋りつく。

 本能的に拒絶していた。

 サーチェの娘の様子に何か察知すると、アルウィンから距離を置くように抱きしめる。

「フィリップ、娘が疲れたようだから、先に休ませて頂きますね」

 サーチェは傍らにただずむ夫、縁国の王様に声をかけると隣国の王子に会釈して立ち去って行った。

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