1-2 【皇女5歳】
皇女の名前は、雪華
南にある縁国では珍しく、
生まれた日には雪が、牡丹雪が舞っていたから、
雪の華で、雪華と名付けられた。
※
産後の日々も悪く、いつも床に伏していた。
私を産んだ事で、私の瞳が龍玉眼だという事で、
母はいつも、私を見ると泣いて謝っていた。
娘の将来を憂いて、泣いていた。
泣いてばかりいるから元々弱い身体なのに、
更に娘を思う心労で、心が壊れてしまいそうなほど、
父の計らいで、魔法の水で目の色は母と同じ深緑に変えていた。
父、母、乳母、叔父、叔母、従兄弟の呀峰くらいしか、本当の眼の色の事を知らない。
父は、母を溺愛している。
身体の弱い母の事を心配し、母と人生を共にしたいが為に命の共有の呪をかけていた。
父の死は、母の死に繋がる。
母の死もしかり。
なのでしっかりしないといけない。
母が憂う未来を、自分の力でもぎ取るだけの強さを求めて背伸びしていた。
父のように、強く立派な王になる事が小さな姫の目標だった。
帝王学や算術など、学べるものは何でも学び吸収していく。
母を泣かせない為、
父を安心させる為、
5歳までに座学並びに皇女としての教養は、全て修得していた。
向上心溢れる娘を不憫に思うが、
姫が、娘の望む思いも知っていたので厳しい教育を課せていた。




