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真実を暴露する話

頭の上から真実を暴露する

作者: 氷桜 零
掲載日:2025/10/25


こんにちは!

私はこの国の守護妖精、リーナルーナよ!

もう1000年ほど、この国を見守っているの。


初めはすごくつまらない仕事だと思ったけど、女神様にお願いされて、仕方なくこの国に来たの。

でもね、人間たちを見守っているうちに、可愛らしくて面白いことに気がついたの。

まあ、人間も人それぞれだから、醜い奴もいたわ。

でもそれ以上に、とっても面白いのよ!

だから今でもここで、守護妖精をやっているの。


この国で、私の知らないことは何もないわ。

王族の閨事情から、農村で生まれた牛の数まで、何でも把握しているの。

すごいでしょ?


基本的には人間の営みに任せて、手を出したりしないわ。

でもどうしても危ない時は、手を貸すことにしているの。

全てに手を出していたら依存されるでしょ?

そうなったら、人間は自分の足で立てなくなっちゃう。

それは良くないのよね。

だから何事もほどほどがいいの。


最近一番気になっているのは、王太子マティアスのこと。

あの子、なかなか婚約者を決めないのよ。

もう良い年なのに。

早く決めないと、良いとこのお嬢さんはみんな婚約してしまうわ。


今の国王もその前も、みんなああ見えて奥手だったのよね〜。

好きな人に好きと言えず、意地悪ばっかり。

ひっつけるのに、苦労したわ〜。

まあ、ジレジレを見るのも楽しかったけど!

今でもその話題で揶揄えるから、二重に美味しいのだけど!


マティアスも早く告白すれば良いのに。

好きな人がいる事は、私はちゃんと知っているんだからね。


そうだ!

今日は建国祭の夜会があるわ。

たくさんの貴族が集まるの。

マティアスの好きな人も出席するみたいだから、いっちょ、手伝ってあげましょうか!


ふふふふ。

待ってなさい、マティアス!

私が彼女とくっつけてあげるからね!




―――――


「これはどう言う事だ?フェアローゼ・シフォン侯爵令嬢。」


「王太子殿下、何もございませんわ。ただ彼女のマナーがなっていないから、注意しただけですわ。」


「それだけで、こんな騒ぎになる、と?」


「私も驚いていますの。」



あら?

楽しい夜会のはずが、何か起こったみたい。

あれは、マティアスとフェアローゼ嬢だわ。

泣いているのが、最近子爵家に引き取られたミーニャ嬢。

ミーニャ嬢の周りで彼女を慰めているのが、宰相の息子、騎士団長の息子、伯爵家の子息ね。



ふんふん。

マナーがなっていないミーニャ嬢を、フェアローゼ嬢が注意してミーニャ嬢が泣いた、と。

で、それを咎めつつ慰めたのが、子息たち。

騒ぎに気づいたマティアスが、事情を聞きに行った、と言うわけね。


それにしてもミーニャ嬢、魂が穢れているわ。

嫌だわ。

どうして私のテリトリーに、あんなのがいるのかしら。

しかも禁忌の魅了で、周りの子息を洗脳しているみたい。

何がしたいのかしら?


まあ、それより重要な事があるわ。

ここは私の出番ね!ふふっ。


「マティアス、その言い方では誤解されるわ。」


私はマティアスの頭上に姿を現した。


「守護妖精殿。」


「守護妖精……あの方が。」


驚くことは仕方がない。

何か大きなことがない限り、普段は王族以外の人前に出ることがないからね。


さて、と。

まずは、誤解を解かないと。


「フェアローゼ嬢。マティアスが『これはどう言う事だ?フェアローゼ・シフォン侯爵令嬢。』と言ったのはね、貴方なら正確に教えてくれると言う信頼よ!」


「えっ?」


「ちょっ……」


「それから、『それだけで、こんな騒ぎになる、と?』って言ったのは、こんな騒ぎに巻き込まれて、大変だなって心配しているの。マティアスは昔から捻くれてて、カッコつけなのよ!」


「妖精殿!」


マティアスが私を止めようとするけど、そうはいかないわ!

全部ぶっちゃけてやるんだから!


「マティアスは夜会の時、毎回貴方のことを見ていたの。誰とダンスを踊ったのか、どんなものが好きなのか。美しすぎる貴方に見惚れて、声をかけられないのよ。全く、仕方のない子なんだから。」


「ちょっと待て!」


「まあ!」


うん。

フェアローゼ嬢には、好感触ね!

どんどん言ってみよう!


「貴方がいるから、関係ない夜会に出席したり、手紙を送る度胸もないのに、手紙を書いて保管しているの。手紙だけではないわ。プレゼントしたい装飾品も保管して、保管庫がいっぱいなの。」


全く、どうしてこんな奥手なのか。

一歩間違えれば、気持ち悪いって言われるわよ!

好きだからって、何しても良いわけじゃないの!

好きならさっさと、くっつきなさいよ!


「な、な、……」


マティアスは普段の無表情が嘘のように、耳まで赤く染めて、フェアローゼ嬢をチラチラ見ている。

フェアローゼ嬢も頬を赤くしているので、一気に温度が上がった。


「それに、貴方の悪口を言う人や、貴方を好きな人の話を聞くと不機嫌になるし、密かに人間関係を調べさせているのよ!要するに、マティアスは、それくらいフェアローゼ嬢のことが好きって事なのよ!」


「妖精殿ぉぉぉぉぉ!!」


ふん。

さっさと告白しない方が悪いのよ!


「フェアローゼ嬢も、マティアスを好きなんでしょ?マティアスの婚約者候補たちを見て、悲しそうな顔をするし、ダンスを踊っている時、一番幸せそうな顔をしているもの!」


「よ、妖精様!?」


慌てる顔が、可愛い。

本当、マティアスとお似合いね!


「あーゴホンッ。マティアス、フェアローゼ嬢。別室で話し合いなさい。こっちは何とかするから。」


収集がつかなくなったところで、国王が声をかけた。


「「は、はい。」」


お互い顔を赤く染めて、控え室に移動した。



そうそう。

よく話し合えば良いのよ。

さすが私、よくやったわ!ふふん。

今日は、気分良く寝れそうだわ!

嬉しい報告を聞くのが楽しみね〜。





その後の話をしよう。

マティアスたち同様、騒ぎを起こした者たちも、別室に連れて行かれた。

妖精の助言で、ミーニャ嬢は逮捕された。

また、妖精の力によって洗脳は簡単に解かれたのだった。



あっさりしすぎって?

だって私にとって、洗脳を解くなんて、チョチョイのちょいなのよ!

マティアスたちの婚約の方が大事に決まっているじゃない!



また、マティアスとフェアローゼ嬢はじっくり話し合い、見事、婚約を結ぶことになった。

王家は、王太子の婚約者が無事に決まって、ホッと胸を撫で下ろした。


そして今後、この事で揶揄われるようになるのは、マティアスとフェアローゼ嬢の宿命となったのだった。



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― 新着の感想 ―
 父「マティアス…そなたも同じ道を通るのだな。今夜は飲もう」  マティアス「父上…っ」
一歩間違うとキモイ男子になる所を両想いでよかったね!っていう… このネタであとしばらくは楽しめるから妖精さん的にはたのしー!!なんだろうな…。 人外に楽しみを与えるのもまぁ、守護される人の仕事ですから…
……サラッとトンデモナイコト迄言ってますね。取り合えず有能ですね"(-""-)"と、言っておきましょう。 女神様に「こんな事があったんですよ~♪」と笑顔で報告してそう。おせっかいも程々にね♪ 国の…
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