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昼食前の忙しいブリーフィング

お久しぶりです。

久しぶりに読んだら自分の書いた物語でちょっとワクワクして草

ナオがハッチから中に入ると、新しい兵器の香りがする。

後部の居住区からアクセスできる物資保管庫には段ボールやコンテナに積まれた様々な物資が整頓され格納されているのが見える。


右手側のエアハッチを開けて薄暗いコックピットに入る。

最新の全周囲モニターではなく、半球型の超高解像度モニターといくつかの長方形の汎用モニタが合わさった少し古いタイプの複座式コックピットだ。

「お待たせしました。中佐」

「問題ない、予定より早く終わったからシミュレーションモードで腕慣らししながらブリーフィングといこう。」

前席に座るカイ少佐は右手をひらひらと動かした後、前進のハンドサインをした。

「承知しました。」

ナオは後部操縦席の両横についている手すりをつかみ勢いよく座席に座った。

固定ベルトを接続しバイザーをかぶり端子を接続する。

グリップを握りセットを完了する。

「お待たせしました。FN_70準備完了です。」

「よし、BA5C-3624-sをシミュレーションモードで起動する。」

「BA5C-3624-s、シミュレーションモードで起動します。」

いくつかのスイッチとタッチパネルを操作しシミュレーションモードでBA5Cを起動するとコックピットの汎用モニタにロゴと各種ログデータが流れる。

ナオはBA5Cと通信を開始し活性化したナノマシンにより瞳がぼんやりと淡く光る。

「シミュレーションモードでの完全起動を確認しました。」

「よし、空間戦闘ケース26を実行」

「空間戦闘ケース26をアクティベートしました。状況始まります。」

「わかった。運動性と反応速度を見るから、予定より早いタイミングでアタックを掛ける。」

「了解しました、コンデンサ内にエネルギーを充填開始します。」

ケース26は敵の残兵処理で潜んでいる敵兵を殲滅する任務となる。

想定では4機小隊で担当するべきなのだが今後のことも考えて僚機はカットしている。

予定接敵地点は100㎞ほど先に存在している座礁した敵母艦と護衛艦1隻。

母艦は大破しており残存戦力は格納されていた隣国の軍製BAが15機、半数が破損状態で宙域で味方との合流を待っている哨戒状態だ。

「ワイヤアンカー用意」

「はい、ワイヤアンカーセット」

「右にある岩石の裏に隠れて接近する」

BA5CのワイヤーアンカーでBA5Cの2~3倍ほどの大きさの平たい岩石に隠れて加速を開始する。

重力制御装置を利用した慣性の再現がなされ、体を加速感が包む

この装置のおかげで宇宙空間や高速起動時の大きなGから肉体を守ることが可能だ。

「レーダー範囲ギリギリになるまでは警戒状態を維持しつつブリーフィングに移行する」

「はい、警戒モードをアクティブに。ブリーフィングテーブルを起動します」

カイもバイザーをつける。

>二人は簡略化された電子空間に投げ出された。

目の前には大きな机といくつかの資料。

「ブリーフィングを始める」

ナオは敬礼でこれに返す。

フゥ、と小さくカイは息を吐き、

「ナオこのフェーズでは秘匿権限を用いてブリーフィングを行うから肩の力を抜いて聞いてほしい」

と肩をすくめた。

「はい中佐」

ナオは敬礼をさげて明るく答えた。

>カイはナオにこれからの完熟訓練の概要と任務で赴く地域と任務内容の概要、当任務を拝命した経緯について軽く説明をした。

「ナオ、巻き込んでしまってすまなかった、もう少し出世できそうなパイロットのところに紹介もできるからいつでも言ってくれ」

カイはナオに軽くではあるが頭を下げる。

「顔を上げください中佐、中佐の任務に同行できること、わたくしは心より喜んでおります」

ナオは胸に手を当てて、できるだけ嬉しそうであることが伝わるような表情を作ってそう答える。

「そうか、ありがとう、あらためてよろしく頼む」

あの表情をするカイ。

「はい、光栄です」

バイザー越しのホログラムだというのに、ナオは心拍数の上昇が止められずにいた。

「次に具体的な任務実行計画だが、、」

そうカイがしゃべりかけたとたん体に振動が走った。

「おっと気づかれたか」


カイはもうホログラム空間にはいなかった。

「ブリーフィングテーブルを終了、戦闘管制を開始します」

ナオのバイザーに敵BA情報が表示される。

「護衛艦周辺の機体をせん滅する。1射目を用意」

BA5C-3624-sはマウントしていた狙撃用レールキャノンを展開し、岩石を蹴って減速跳躍しながら狙いを定める。

「コンデンサ充填完了しています」

ナオがそう告げるや否や第1射が発射される。

(はやい、隠蔽率を上げるためにスラスタ噴射せずに調整をしているのに)

ナオは思わず声に出そうになった言葉を引っ込めて次射装填に入る

「初射着弾、護衛艦残骸誘爆します」

護衛艦の動力炉付近に着弾した弾丸は縮退現象を起こした後派手に爆発し、かろうじて停止していた動力炉と各種兵器に誘爆を引きおっこした。

「解析急げ」

「動態解析、ソナー逆探知を実施中、誘爆時の反射率の違いからすでに4機の所在が判明しています」

「よし、打って出る、スラスタの限界値の上り幅に留意してくれ」

「了解しました、モニタします」

>カイは速力をめいいっぱい上げて機体を加速し、

隣接する2機を通常狙撃用のライフルで打ち抜き続けざまに両端に展開して挟み撃ちしようとする敵機の片方を打ち抜く。

飛散物物はショットガンのようにもう一方の機体を打ち付ける。

スペースデブリに正面から激突した敵機は両手足を捥がれて姿勢制御に異常をきたし岩石に激突し大破した。

アンカーで岩石の裏側に器用に隠れたカイはナオが解析の結果見つけ出した敵機を次々と打ち抜き、早々にケース26は終了するのだった。

「探査漏れもなし、有能だなFN_70」

「ありがとうございます中佐」

スコアが軍用ネットにアップロードされる際、戦闘ログにはコックピット内での会話も収録が義務付けられている。

二人はコックピット内ではFNと人間を意識して演じなければならなかった。

>その後、いったんシミュレーションによる完熟訓練は中断し二人は昼食をとることになった。

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