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第20章
セルヒオ・ディアスは、彼のレポートに、こう書いている。
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「・・・私が現地に降りてから、十分たらずで、ヘリは帰っていった。
彼らは、われわれが持っていった食糧をほおばりながら、口々に感謝の声をあげた。
・・・そうして、約一時間たった。
それから彼らは、われわれを彼らの『家』に招待するといって、遭難機の胴体の中を見せてくれた。
そこにあるものを見て、われわれは、感情を隠すのに苦労した。
われわれは彼らと同じように、できるだけ自然にふるまおうとした。
・・・しかし、われわれの心の奥底では、みな、言い知れぬ思いにかられていたと思う。
まわりには、累々(るいるい)と、『頭蓋骨』や『切断された手足』、『肉のかたまり』や『骨』がころがっていて・・・その『におい』がまた、なんともいえなかった。
半分雪にうずまっている死体も見せられた。
われわれは何も質問しないで黙ってみていたが・・・
この青年たちにとって、『生存の代償』が、いかに大きいものであったかが、理解できた。」




