第17章
・・・僧侶の経営する学校で教育を受け、カトリックの家に生まれ育っていたので、彼らはアンデス山中にいた七十日のあいだ、信仰によって助けられ、信仰になぐさめを得たのだった。
事故のときまでは、彼らはとくに信心深い様子でもなかったが、アンデスの雪の中では、毎日、祈りに明け暮れた。
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「・・・登っていく間じゅう、私の同行者たちは、『寒い』とか『道が険しい』とか『高山病にかかりそうだ』とかこぼしていましたが・・・それを聞くたびに私は、フェルナンド・パラードや、ロベルト・カネッサのことを思い出して我慢したものです。
彼らは息子と仲が良く、子どものころ、うちの庭を走り回って遊んだものでした。」
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自力で脱出するべく、事故現場から、歩いて助けを求めにいく、代表者の若者二人。
パラードとカネッサは、谷に沿って歩いてきたが・・・途中はずっと雪に覆われていた。
遠くに、小さく、緑のものが見えたので行ってみると、雪の谷が終わって、そこから新しい谷が始まっていた。
・・・谷じゅう、ことごとく緑だった。
彼らは、いつも何かに押されるように進んできたのだ。
もはや、一種の『執念』だった。
だが・・・カネッサは、ついに、そこで動けなくなった。
パラードは、彼の顔を上に向けさせて、水をやった。
幸運なことに、それがカタランに会えた日だったのである。




