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第15章
10月29日のことだった。
二十七人の生存者たちは、それまで、十七日間を生きつづけてきた。
その朝は、天気は良かったが、午後になって雲が出てきた。
太陽が隠れると寒くなる。
みんなは、いつものように機体の中に入った。
入り口を閉め、雑談したり、祈ったり、いっしょに固まって眠ろうとしていた。
数分後に、墜落事故よりも厳しい試練に遭おうとは、誰も予想しなかったのである。
ひとりの学生は、目をつぶるまえに、時計を見た。
・・・午後七時十分だった。
そこへ、大雪崩が襲ってきて、機体の半分以上を押しつぶし、窓と出口をふさいだ。
ニ、三秒のあいだの出来事である。
立っていたのは、『ロイ・アルレイ』だけだった。
気がつくと彼は、肩まで雪に埋まっていた。
彼は、自分の腕を雪の中から抜いて、仲間を掘り出した。
・・・彼は、その不吉な夜の『英雄』であった。
負傷していた三人・・・すなわち、『ビシンピーン』、『エチャバーレン』、そして『ノゲイラ』は、手荷物室に寝ていたから、雪にはうずまらないで済んだ。
ビシンピーンは、アルレイといっしょに、みんなを掘り出した。
エチャバーレンは怪我のために動けず、ノゲイラは恐怖で腰が立たなかった。




