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サイシュウ闘京  作者: 田中連
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第24話「第2の戦い」

雪村の牽制で高貴たちは1週間はなんの問題も起こさなくなったが、9日たった頃、


「俺はもう我慢の限界だ、殴り足りない」

高貴は教室の皆の目を気にせず春音の方へ歩き出し、拳を振り上げた。



しかし、その拳は春音に当たることなく雪村の手の中に納まった。

「だからさ、やめろって言わなかったっけ」


「お前またしゃしゃり出てきやがって、」


高貴は勢いに任せて、雪村に殴りかかったが、雪村は全てをかわした。

「こんなことやって何になるってんだ、ったく」


「俺たちがお前らより上の存在だって証明してやってるだけだ、俺はみんなのためを思ってやってる」

高貴は興奮しているのかいつもより舌をまくしたてて、春音の机を蹴りあげた。


「あー、だるマジで。殴らないと証明もできないのかよ、俺たちが下ですよーだ。黒水帰んぞ、」


雪村は春音の腕を掴んで立ち上がらせた。


「おい、逃げんのか?今日逃げたって変わんねえよ、」

高貴は雪村の胸ぐらを掴んだ。


「どけよ、今からお前ら人間様のために出動するんだ、ここもそろそろ襲われるかもしれねえぜ?俺ら即戦力の足止めしてたら」

雪村は高貴の顔に息をふっと吹きかけてから歩き出した。


「即戦力だ?お前はまだしもこの黒水はなんでまだ生きてんのかも分からないんだけどな、」



高貴は消えていく雪村と春音の背中に向かってつぶやいた。






「あれ、遅かったな、」


一足先に隊服に着替え、準備運動をしている凛の所に雪村と春音は合流した。


「ごめん凛、ちょっととらぶっちゃって」


「いや全然大丈夫よ、出動までまだ20分あるし、アマネもまだ来てないし、」


「アマネ、来てないのか。、、あいつってさ」


雪村は何かを思い出すように下を向きながら喋っていた。


「ん?アマネが?」


「いや、なんでもない、気のせいだった」


春音は不審な目を雪村に向けたが何も言わないようだった。


「今日は住民の方に行っちゃってるから派手な技は禁止で、住民の命最優先だってさ」


凛はサモンで今回の戦闘の要項を確認していた。



「住民の命ねえ、あんなヤツら死んだところで、」


「雪村だまれ、誰に聞かれてるか分からない」


春音は雪村に少し目を向けて小声で言った。


「聞かれちゃいけないのかこれ、わけわかんねえ。てかお前も今まで散々世話してやったのになんだその態度、」

雪村は少しいらいらした様子で床に座って靴紐を結んでいる春音を見下ろした。


「そんなこと別に、頼んでない。…けど、礼が欲しいなら仕事で返す。今回は僕が雪村の分も倒す」


春音はまっすぐ雪村を見つめ返した。


「はあ?俺の本職はこっちだ、てめえで俺の代わりが務まると思ってんのか?前回は初めての戦闘だったから負けただけだ、見くびってんじゃねえよ」


「そう。じゃあ礼は何がいいの」


「いらねえっつってんだろ!」




「ちょ、そこ何してんの!」

雪村が胸ぐらを掴みそうな勢いを見た凛が慌てて二人の間に入った。


「もう2人とも戦闘の前に怪我したら危ないだろ?もうやめ!」

雪村も春音も不服そうな表情をしたが頷き距離をとった。

その後アマネが今行方不明だと知らされ3人で戦地に向かうことになった。



「伝達。今回の敵はテオ土星、腕の代わりに長い触手がついていることが特徴。住民を狙って攻撃を繰り返しているため知能は高い模様。繰り返す、、、」






「あいつらだよな、なんかキモいし」

3人は建物の裏に隠れ戦闘体制を確認していた。


「今回俺は上から援護攻撃をするから2人はダイレクトに攻撃をしてくれ、」

凛は辺りの攻撃できそうなものに目星をつけながら落ちていた板の上に乗っかった。


「了解、でも今回は俺が全員倒す」

「わかった。凛も気を付けて何かあったらすぐ駆けつける」


雪村と春音は敵が一定数いる方へ走り出しサモンを解除した。

少し進むと住民とみられる人の首を触手で締めているヤツらが少なくとも6体いた。


「ちっ、ほんとキモ、」

雪村は1番近いヤツを技無しで銃で倒す。

次の方向へ銃を構えたがすぐにおろしてしまった。



「次いく、よ」

「お前今5体倒したっていうのか、」

雪村が目線を向けた時には住民は全員解放されており春音が避難方向へ誘導していたのだった。


「住民にくっついてるから銃を使うのは得策じゃない。この刃付きの靴と手袋で攻撃した方が早い。」

春音は雪村に向かって淡々と話した。


「そう、か。サンキュ、次からそうする。」


「うん」

雪村はびっくりしたような顔をしていたがすぐに春音の動きを半分しながら走り出した。


「意外と素直に従うんですね、雪村君」


「あ、あまね?どこいってたんだよ凛探してたぞ」


春音と雪村が走る横を併走しながら話しかけてきたのは行方不明だったはずのアマネだった。


「いやごめんなさい、ちょっと迷ってしまっていたら連絡が入ったんですけど、帰り道がわからなくなっちゃって、」


アマネは自分の頭をコツンと叩きながらはにかんだ。



「そうだったの、まだこの世界になれてないし仕方ないよ。アマネさんは凛のサポートに回って」


「了解しました、あ、あの上に浮いてるのが凛くんですね、」

アマネは凛を認識するとそちらへ走り出した。


「アマネって、ほんとに俺らの仲間だよな?」


「え?」


「あ、いやなんでもない、ほんとに、」


「アマネにはなんか秘密があるっぽいからさ」

雪村はアマネを見ながら呟いた。


「わからないけど、今の時点では被害が出てないし凛のためにも敵だったとしても被害は出させないから別になんでもいい」


春音は敵を認識する限り倒しながら雪村と会話を続けた。


「そういう奴だったね君は。まあ確かに凛が信じてんだもんな、俺も信じるっきゃねえか」




「じゃあ礼はアマネさんに裏切らせないってことにする」


「はあ?だからいらないって。…ったくはいはいそれでいいから」

雪村はあまりにも自分を真っ直ぐに見つめてくる春音に根負けした。


「まあそのことはどーでもいいからさっさとこいつら殺っちまおう」



「…そのつもり。」

春音と雪村は自分らの受け持ち区の敵を一掃し続けた。


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