第17話「after」
「あれ、ここどこだ、」
凛が目を開けると自分はベットに横たわっていた。
(ああ、病院か。でもあれ?怪我がひとつもない。俺割りと酷い怪我してなかったっけ。こっわ。なになに。どういうことだ?)
凛は横になったままで目をガン開きして今までの事を考えていると病室のドアがガラガラと音を立てて空いた。
「おっ!起きたね!天ヶ瀬くん、こんにちは」
凛が声の方を見ると一人の白髪ボブの女の人が手を振りながら病室に入ってきた。
「女の人、看護師さんですか?でも普通の人はPomeの敷地内って入れないから。でもPomeに女性もいないんだよな、……ブツブツブツ」
凛は思考をフル回転させたが思い当たる記憶はどこにもなかった。
「ちょっと!!聞いてる?天ヶ瀬くん??」
呼びかけても一切の返答をしてこなかった凛に痺れを切らし、女の人はもう一度声をかけた。
「す、すいません!どちら様ですか?」
「そんなに考えて、それかい!まあいいや。私は白峰琴葉。Pomeの治療をしてる者です!」
「ええ、!!!白峰さんってことはあの、ブリエの」
凛はそれに気づくと先程の無礼を詫びるかのように立ち上がりベットの前に椅子を置いた。そして白峰に座るように促した。
「まあ一応ね、でも私は強いとかじゃないから、あ、椅子ありがと。」
琴葉ははにかんで謙遜をした。
「それで、ブリエがなんの用事で、」
凛は思い当たるふしが無いわけではなかったためもろもろと言い訳を考えていた。
「そうだそうだ、本題に入ろう。君、今日が何日かわかる?」
琴葉は含みのある笑顔を向けながらカレンダーを指さした。
「えっと、20日です、3月。あ、俺の誕生日です、明日は、」
凛は手をぽんとた叩き、誕生日だったことを思い出した。
「そう!これで特別班も3人とも17歳だから、高校に行くの。」
「高校…。入隊後すぐに学校ってどういうことですか?」
凛は考えていた案件ではないことに安堵したと同時に高校という自分の身に一生関わらないであろう言葉を聞き、驚きの表情を浮かべた。
「8年前くらいまではね、君も知ってるとおり。5歳で超能力が発現してから訓練施設で訓練して、13歳で、中学校に行く」
「あの、謎のPomeにも人権を運動の結果ですよね、」
「そうそう。でも今はそこから入隊後班員全員が17歳になったタイミングで1年間高校にも行くことになったの。」
「なんでまた、」
「今の宇宙人対策大臣いるでしょ?あの人がPomeも入隊前に人々の日常を肌で感じるべきだって、」
琴葉はバックからゴソゴソと何かを取り出しながら話し続けた。
「正直、学校なんて行っても、って感じだけどね」
「1年間、高二から編入ってことですか、」
「そう。でこれが入学書類ね、もろもろ必要品届くから班長としてみんなに伝えといて、」
「なんでこれをわざわざブリエの人が、」
凛は書類を受け取り、目を通しながら質問をした。
「そんなこと言ったって、新人の班は3つしかないし、ブリエが3人いれば済むことだよ?私たちをなんだと思ってるの」
琴葉はふふっと笑った。
「いや、俺たちからしたらすごい人です。なるほどそれでうちに白峰先輩が来たんですね!てっきり、立花先輩じゃないからアマネのことで何か言われるのかと…ってあっ!そのなんでもないです、忘れてください!!!」
凛は立花先輩以外のブリエに伝えれば即刻殺されるかもしれないことをすっかり忘れていた。
慌てふためく凛に琴葉は今度は声を上げて笑い始めた。
「私が知らなかったらどうしてたのよ!もうお腹痛い!」
「え、あ、知ってるんですか!ブリエのみんな??」
「がですか?」
「知ってる知ってる、知ってて何もしてないだけだよ。まあ3人はなんの興味もないって感じだけども。」
「そうだったんですか、ああ寿命縮まりましたよ。」
「寿命は、大事にしなきゃだよ、」
琴葉は突然真面目な声を出した。
「じょ、冗談ですよ!」
「知ってる知ってる、あんまり面白いからさ。それよりさっきの反応的に立花がよかったかな?」
「そんなことないです!良くしてもらってますけど……って、学校、」
そこまでの和やかな雰囲気が凛の声で消えた。
「あの、はる、黒水春音は今どこにいますか、」
凛は慌てた様子で琴葉に迫った。
「ああ、班員の。確かこの階の端の病室だった気が、」
「ありがとうございます!」
凛は琴葉が言い終わる前に走り出した。
「ちょ、ちょっと!」
琴葉の言葉も虚しく、もうそこに凛はいなかった。
(あれが、立花が救った子か。って同じタイプやないかい!同族意識??なんなのもう!まあでも何かを変えてくれるタイプなことに変わりはないか、)
凛は一目散に廊下を走り、注意の声に言葉だけや謝罪をし、春音の病室と思われるところのドアを思いっきり開けた。
「はる!」




