第13話「実戦」
「凛?どうした?」
春音は倒れた凛に駆け寄った。
「攻撃が来た。どこかに銃を持った敵がいる、」
凛はとっさに近くのものを動かし盾として使ったため、衝撃で倒れただけだった。
「でもこの弾って、私たちが使ってるやつですよ、」
アマネは凛の前に落っこちていた銃弾を拾い眺めていた。
「前にいる部隊がやられたんだな、」
「お前ら、そんなことしてる場合じゃない、前から敵五体は来てるぞ、」
雪村は時計をセットし、ボールを出した。
緑色の体をした男たちが迫ってきた。
「また居たぞ、オリジン、」
「なんでこうガキばっかなのかね、オリジンも諦めたんだな!」
「ペラペラうるせーんだよ!!死ね!」
雪村は叫びながら、上から飛び降り、ボールをかかとで蹴り下げた。
3人の男は氷によって固まった。
しかし、すぐに固まっている体を大きくし、氷を弾けさせた。雪村が戸惑っている中、男たちは雪村に殴りかかったが、3発の銃声のあと、蒸発した。
「俺を、助けて勝ったつもりか?」
雪村が叫びながら振り返るとたっていたのはアマネだった。
「あ、あの、すいません、チームだから、助けなきゃと思って、」
「え、いや、なんでもねえよ。悪い。」
雪村は頭を掻きむしり、小声で謝った。
「いえ!」
後ろの方では凛が一体、春音が2体を相手にしていた。
「おいおい、黒いやつ、防御ばっかしてても俺たちは倒せねえぞ?ひっひっひっ。」
男はニヤニヤと気持ち悪い笑い声を出しながら、板で防御を張っている凛にパンチを浴びせていた。
(こいつらは、パワー系。体はこの1.5倍は大きくなる、まずい、通常の体でももうきつい、でもまともに戦っでも俺は勝てない。考えろ凛。)
すると、居たがとうとう破れ、凛の頬にパンチが決まった。凛は吹き飛び、背中を叩きつけて倒れた。
「凛!」
春音は2人を相手にしながら凛の方へ目をやった。
「よそ見すんなよ!」
その態度に怒った男が春音の目を狙って殴りかかったが、春音はその腕をつかみ、腕を軸に飛び上がり、男2人に銃を発砲した。春音は2人が蒸発したことを確認すると、凛の方へ向かった。
「お前、大したことねえなあ、さっさと死ね」
男は倒れた凛に向かって最後の攻撃をしようとした。
「俺はまだ死なないよ、アマネはまだ帰れてない。普通に過ごしてるけどすごい不安なはずなんだ。」
「まだ喋れんじゃねえか、意味わかんねえこと喋りやがって、」
男は目をつぶって話し出した凛にイラつき銃で仕留めようとしたところをやめ、近づいてた。
「殺すんなら、聞けよ、最後くらい。俺はまだ自分がなんのために戦ってるのかわかんない。でも俺はじいと約束したんだよ、必ず見つけるって!」
凛は目を閉じたままゆっくり腕を前に出し、口を少し動かした。
「自分が戦う理由もわからんガキがぺちゃくちゃ喋ってんじゃねえよ!死ね!」
男は凛の胸ぐらをつかもうと手を伸ばした。
しかし、次の瞬間には凛の前には男ではなく、大きな箱があった。凛は動かないふりをして遠くから、大きな箱を動かし、男の上から落としたのだった。
「あぶね、それにしても痛いな、肋骨折れたぞこれ、」
凛はゆっくり立ち上がり、男の確認をしに行った。箱をどかすと、男は潰れて微動打にしなかった。
(まずは、はるたちと合流しなきゃ。)
凛がゆっくり歩き出すと、片足が動かなくなった。潰れた男が足を掴んできたのだった。
「嘘だろ?まだ生きてるのか、あ、宇宙人は蒸発させなきゃいけないんだった、」
凛は自分が犯した問題に頭を抱えた。この満身創痍の体ではもう戦うことはできそうもなかった。
「お、まえ、こ、ろ、す」
男は体を大きくし、立ち上がった。しかし、凛に攻撃をする前に再び倒れてしまった。そして今度は蒸発した。
「え、なんで、」
凛の頭は事態の理解が追いついていなかった。
「大丈夫か?凛。ごめん、遅くなって」
そこには銃を放ったと思われる春音が銃をしまい、酷く心配した顔で凛を見つめていた。
「ああ、はるが助けてくれたのか、サンキュ、さすが俺の相棒。」
凛はにっこりとしたが、その動きも痛いようで顔をしかめ、座ってしまった。
「凛は休んでて。僕が絶対に敵を近づけさせないから。」
春音は凛にそう言って微笑むと走り出した。
(ああ、忘れてたな。立花先輩や朱晴に憧れて、自分も出来ると思っちまってたな。俺がしなきゃいけないのは、アマネを元の場所に戻して、戦う意味を見つけることだ。そして、はるを解放する。俺がこんなことじゃダメだ。)
「絶対、強くなってやる、」
凛はそう呟きながら立ち上がった。




